【堀江貴文×井戸実】ひと箱5万円もするカツサンドが売れる理由

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メルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』も大好評な、出版やビジネスにと精力的に活動を続けるホリエモンこと堀江貴文さん。そんな堀江さんの人気YouTubeコンテンツ『居酒屋ホリエモンチャンネル』に、メルマガ『<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ』の著者で人気外食チェーン「ステーキけん」の経営者としておなじみの井戸実社長がゲストとして登場しました。第1回目の今回は、ニッポンの和牛を世界へ広めるアンバサダーユニット「WAGYUMAFIA」を結成した堀江さんが、日本の至宝ともいうべき「和牛」と日本酒の魅力について井戸社長とともに語り尽くします。

和牛も日本酒も熟成が楽しい

堀江:堀江貴文です。こんにちは。

寺田:司会の寺田有希です。本日の『居酒屋ホリエモンチャンネル』のゲストは、「ロードサイドのハイエナ」こと「ステーキけん」社長の井戸実さんです。よろしくお願いします。

井戸:よろしくお願いします。

堀江井戸ちゃん、結構ホリエモンチャンネルには来るんだよなー。

寺田:来てくれるんです。ありがとうございます。

井戸:とんでもないです。よろしくお願いいたします。……そういえば、秋元康さんのパーティの時に肉を持ってませんでした?

堀江:そう。秋元さん、すごく気に入ってくれてて。秋元さんと見城(徹)さんは、すごく気に入ってくれてるから。

井戸:あの肉のプレゼンを?

堀江:そう。だから「金は俺が出すから、とにかくやってくれ」みたいな。秋元さんはホント、俺がヒレカツサンド作ってるところにかぶりつきでいて、5コぐらい食べてたの。

井戸:まぁ、確かに美味いですからね。いい肉使ってるから……尾崎牛でしたっけ。

堀江:尾崎と神戸ビーフだね。それも神戸は、丹波田中畜産さんっていう、以前から松茸狩りでお世話になっている牧場があって、そこのを使っている。神戸ビーフもピンキリなわけよ。A5とか等級が高くても……。そもそもA5ランクの“A”って、どういうことだか知ってる?

寺田:えっと……肉のデカさ?

井戸:違う違う。磨き具合でどれぐらい残るかっていうことでしょ。

堀江:そう、つまり歩留まりなんです。だから、肉質なんかとは全然関係ないんですよ。

寺田:そういうことなんだ。じゃぁ、それが取れるのが少ないほど、ランクが上がるってこと?

堀江:いや、逆。精肉部分が多いほどランクが上がるの。要は、色味が良かったり脂肪の入り方が綺麗だったりするとランクが上がって、A5が一番そういう肉なわけ。

寺田:だからか。この前“A5ランク”って、大きく書いてある店の肉を食べたんですけど、びっくりするぐらい不味くて

堀江:そうそう。だから味は関係ないの。

堀江貴文氏

堀江貴文氏

井戸:この10年で逆転したんですよ。昔は脂身がよかれっていうことで、もてはやされてたんだけど……。

堀江:でもね、それは俺やってみてわかったんだけど、A5とかそういうのの他に、BMSっていう指標もあるわけ。「Beef Marbling Standardの略なんだけど、それは確か1~12まで段階があって。

寺田:マーブルっていうのは霜降り具合ってこと?

堀江:そうそう。大理石のことをマーブルっていうんだけど、その大理石のような脂肪の入り方をしてるかどうか、その美しさを見るんだよね。だからBMS12が一番いいんだけど、それって「きれいだねこの霜降りは」っていうだけで、味には関係ないんだよね。生産者は「A5の肉は高く売れる」「BMSが高い肉は高く売れる」ということで、それをキレイにすることに力を注いでるんだけど、「別においしくないけどA5 BMS12っていう肉もいっぱいあるわけ。

寺田:私もその時は、一口食べて「マズっ」と思って。白ご飯だけ食べて帰ってきましたよ。

堀江:まさに美味しくないA5に当たったんだね。……ああいう家畜って、とにかくエサで決まるから。だから霜降りの見た目をキレイにするために、霜降りをキレイに作る肥料とかを食わせたりするわけ。それで、できるだけ安く生産したいわけだから、もう味は関係ないんだよ。だから俺たちは、生産者を限定しないとヤバいということに気付いたんだけど、例えば日本の場合はホルモンと精肉が別々だから、タンとかハラミとかも含めたモツは「この牧場のモツ」という風に指定することができないんだよ。

だから俺たちは、丹波田中畜産さんの神戸ビーフとか、尾崎牛の尾崎さんとかからしか仕入れないわけ。あとは、プライムミートが厳選した信州牛とか。そういう風になると、全然違うわけなのよ。……俺なんかはもう、最近はそういうのしか食べてないから、こないだ北海道のとある牛肉を食ったんだけど、見た目はすごくキレイで、磨くのもすごくやりやすかったんだけど、カツサンドにしたらん?」って感じで。「ウチのカツサンドと違う……」みたいな。

井戸:それは味がないってこと?

堀江:なんかもう固いんだよね。……でも、俺たちもいろんな部位を使うよ。ヒレとかリブロースとかはもう扱いすぎて、簡単になっちゃったからつまんなくて。なんかランイチとかのほうが楽しいもん。

井戸:それは磨きがいがあるってことですか?

堀江:ランイチってお尻のあたりの肉なんだけど、20㎏とかあるからね。まずそれをランプとイチボに分けてイチボのほうは焼肉風のカットにして、ランプはステーキ用にカットするの。……その通りでしょ?

井戸:そうそう、一応、肉屋なんでね、僕も(笑)。

寺田:その肉のプロが「そうですよね」としか言わないという……。

井戸:やってるのは和牛ばっかりなんですか?

堀江:そうだね、100%和牛。でも、海外でコラボするときは、例えばステーキレボリューションに出たようなスペインの熟成肉とか、10年の経産牛とかも使うよ。神戸ビーフに関しても、この間、丹波田中畜産さんところの11年の経産牛を食べたんだけど、これがめちゃくちゃ美味い。

寺田:けいさんぎゅう……って何ですか?

井戸:子どもを産んだ牛

堀江:お産を経た牛と書いて経産牛だよ。要するに子どもが生めなくなった牛を、その後また再肥育するわけ。子どもは産めなくていいから太らせて。で、最終的に出荷するんだけど、それでも美味いよ。

井戸:肉の味が出るからね。昔は価値がなかったっていうんだけど、これが実は美味いってなったのが最近の話。

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井戸実氏

堀江:本当は昔から食われていたんだけどね、農耕牛として使われてた頃から。でも、ちゃんと育てれば、実は美味いってわかった。スペインの牛も美味かったよ。

井戸:スペインの牛って、食べたことはあるんだろうけど、自分から食べようと思ったことはないな。

堀江:こないだウチで熟成肉のイベントをやったときは、熟成肉マスターが来てくれて5年熟成5年間ドライエイジングをした肉と、2年熟成した肉を持ってきてくれて……。

井戸:5年って……磨くとどんぐらいになるんでしょうかね。歩留まりで言うと。

堀江:低くなるけどね。で、俺ら「WAGYUMAFIA」は、こういうTシャツも作ってるし、オリジナル調味料を作ったりとかしてるんだけど、最近は熟成肉も作ってるわけ。90日熟成の神戸ビーフとか尾崎牛とか。そういうのって、誰もやんないと思うから、世界で初めてやってるんじゃないかな。

井戸:それって、なんでやんないかって言うと、すごい値段になっちゃうじゃない。だから……。

堀江:そう。それでカツサンド作ったらひと箱5万円とかになるわけで。

井戸:ただでさえ高いものを、周りをこれだけ削って、歩留まり60%ぐらいにして食べなきゃいけないから……。それを食べてくれる人がいるならいいですよ。5万払ってカツサンド食べてくれるって人が。

堀江:いるからね

井戸:「いるからね」って(笑)

堀江:そういう客を今集めてるわけよ。

井戸:そうですよね。まぁ、確かに美味いんだろうけど。

堀江:そういえば、スペインのサン・セバスチャンに「いきなりステーキみたいな肉バルがあって、すごく美味かったよ。

井戸:そこも量り売り?

堀江:量り売りっていうか、「dos or tres?」って聞かれる。

寺田:……それって何を聞かれてるんですか?

堀江:2個? 3個?」って。

寺田:2個も食べるの?

堀江:「ミネストール」っていうバルなんだけど。日本だと、目黒通りにあるステーキ屋の「リベラ」みたいな。

寺田:「リベラ」は美味しいですよね。

堀江:「リベラ」もあそこは腐らせてるから。エイジングしてる。

寺田:あ、そうなんだ。

堀江:だから、「リベラ」のスタイル。……ほら、こんな感じ(写真を見せる)。結構分厚いでしょ。

井戸:……ちなみに、こんなマニアックな肉の話してても大丈夫なんですか?

堀江:大丈夫だよ(笑)。……そういえば、スペインのスタイルはすごく面白くて。たとえば、これはジョスパーじゃん。この肉の上に塩をぐわーって盛るのよ。

井戸:そうそう。焦げないからね。

堀江:それで炭火でガーッと焼いて、最後に塩をどけて。そしたら、いい具合に塩も入ってくると。下は鉄板だから塩釜じゃないんだけど、そういうスタイルなのよ、スペインは。

寺田:……コメントで、「ステーキけん」は海外進出しないの?っていうのが来てます。

井戸:しないっす。「ステーキけんで海外展開はやらなくてもいいって感じですね。アメリカだったら、焼肉屋がいいんじゃないかな。コリアンバーベキューというか、日本の焼肉屋スタイル。

堀江:いやぁ、どうなんだろうな。……でも、「WAGYUMAFIA」のスタイルは、海外に行けるかな。

井戸:まぁ、行けますね。

堀江:俺が思ったのは、和牛が海外進出するポイントって何かなって考えた時に、それはやっぱ希少性なんだよね。尾崎牛だって、海外に行ってるのって年に40~50頭だと思うんだよね、年間数百頭出てるうちで。日本のなかで一つの牧場・単一ブランドで出している牛としては一番多いんだけど、それでも数百頭だからね。

井戸:そんなに出せないですよね。

堀江:牧場をもっと作ればいいんですけどね。で、そうやって海外に行くときには、希少性を出していくしかないじゃない。俺自身は、素材の味勝負のほうがぜんぜんいいと思うけど、そもそも向こうの人は味の違いがそこまで分かんないと思うんだよ。だから、そこはやっぱりストーリーで売ってくと。

井戸:そうですね。ただアメリカでも、普通に和牛を作る人も増えてくるんじゃないですか。

堀江:いや、だけどUS和牛とは種が違うからね。

井戸:最近は、ワイン農家が日本酒を作り始めてるじゃないですか。肉もそれと同じ流れがあるかもなと思ったんですが。

堀江:日本酒みたくにはいかないだろうね。

寺田:堀江さんも「サケヅクリプロジェクト」「想定内」と「想定外」が進行していますよね。 

井戸:そういえば、まだ飲んでないな。あれって、どれぐらい作ったんですか?

堀江:まだあれは出荷されてないもん。作ったのは20斗、いや30斗かな? 1斗で一升瓶10本だから……。つるしでたらしでやってるのが750本とかで、その後もう一回絞るから。絞ったやつは熟成に回したりとか、あとはカストリ焼酎。それも、なんかジャパニーズクラフトジン的な感じでやろうと思ってるんだけど。……ていうか、日本酒を作ってみて思ったんだけど、日本酒ってどこでも作れるね。

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井戸:えっと、どこでもっていうのは?

堀江:だから、これから絶対、今ももうすでにできてるけど、ロンドンとかパリとかニューヨークとかでも地酒ができる。

寺田:それはお米が育てられれば?

堀江:お米は買ってくればいい。お米と水があれば作れるんだから。

井戸:まぁ、確かにそうですけどね。

堀江:水質に関しては、昔は水質をよくする装置がなかったから、いい水が取れる兵庫の灘とかに酒蔵が集中してたりしてたんだけど、今は浄水器があるから……。

井戸:東京でも日本酒作ってますもんね。

堀江:浄水器があれば、ぜんぜん作れるんだもん。で、酵母もあるわけよ。日本醸造協会が培養している「きょうかい酵母」みたいなものとか。あと麹屋もあるし、乳酸菌も売ってるし……細菌もみんな売ってるわけ。それに米も買ってくればいい。精米してくれる会社もあるから。だからもう、どこでも作れるんだよ。今はみんな、そういうことに気づいてお酒を造り始めてる。

お酒は設備投資が決め手。イイ設備を作るほど、手間がかからなくなるんで。要するに科学なんです。で、味の作り方も科学だから、今の30代とかの作り手は、もうそういうのを醸造学科で学んで、その方程式が分かってる。で、そのなかでチャレンジをしている。生もとで純米酒を作るとか。

井戸:確か8割だか9割が農大出身なんですよね、お酒作りをしてる若い人って。

堀江:そうだよ。今はもうみんな農大出身で、 ちゃんと理論がわかってるから。

井戸:だから、そこにちゃんと設備投資が付いて、あとはマーケティングが上手ければ売れちゃうわけですよ。

堀江:そう。今はどっちかというとマーケティングの世界に入ってる。大事なのは、いかに高く売るかっていうことだから。しかも、日本酒って早くできるからね。

井戸:熟成がいらないからね。

堀江:でも、熟成は熟成で楽しいんだよ。日本酒って実は熟成に向いてるよ。

井戸:ただ、ワインとかと比べたらって話になるじゃない。だって、日本酒って熟成しますか? そんな10年ものとか5年ものとか、作らないでしょ。

堀江:いや、作れる作れる

井戸:逆に、それって求められます?

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堀江:求められるよ。そこはマーケティングの仕方だと思うけど、逆に今はないじゃん。実は日本酒の熟成って2種類あって。ひとつは旧来型の常温で熟成する方法。メイラード反応を起こして、紹興酒みたいな味と香りになるんだけど、失敗するとおしっこ臭くなる。で、今は低温熟成っていうのが流行ってて、冷蔵庫の中で低温で熟成させると。そうするとメイラード反応も起こらないので、色がそんなに付かないまま熟成が進んでいく。

寺田:それは失敗しにくいってことですか?

堀江:というよりは、熟成の仕方が違うから味わいが変わってくるんだよ。そういうのをやってるのは、ここ10年ってところなので、今はまだそんなに長くエイジドされてる日本酒はないんだけど、我々はそれに、どんどんチャレンジしていこうと思ってる。

井戸:来ますか?

堀江:来るよ。(第2回につづく)

撮影:上岡伸輔


……と話の尽きないお二人ですが、対談はこのあと第2回の記事に続きます。堀江さんがブログでは書けないとっておきの情報を毎週月曜日にお届けしているメルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』のご登録はコチラから。また「ステーキけん」の井戸社長が発行するメルマガ『<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ』のご登録はコチラ。この機会にぜひご登録してみてはいかがでしょうか。まだまだ続くお二人の熱いトーク、6月中にお二人のメルマガにご登録いただくと今回のトークのフルバージョンを全文お読みいただけます。それでは第2回をお楽しみに!

 

堀江貴文のブログでは言えない話
堀江 貴文(SNS株式会社ファウンダー)
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<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ
著者/井戸実
神奈川県川崎市出身。寿司職人の修業を経て数社の会社を渡り歩く。2006年7月にステーキハンバーグ&サラダバーけんを開業。レストラン訪問記やQ&Aが充実のメルマガは毎週水曜配信。
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