ゲーム依存は「疾病」とWHO認定。問題視は避けたいマスコミの思惑

 

私自身の思い出になるが、小学校低学年の頃、近所に初めての24時間営業のコンビニエンスストアが開業し、その入口にはテーブル式のインベーダーゲームがあった。たむろして順番にやり続ける年上のお兄さんたちは楽しそうに迫りくるインベーダーと戦って、ユーフォ─を打ち落とすと歓声を上げた。

それはそれは、面白いものなのだろうと、私も数日後に100円を握りしめて、お兄さんたちのいない時間を見計らって、一人ゲームに向かったが、お兄さんたちのようにうまくインベーダーたちを迎え撃つことが出来ず、ユーフォ─も打ち落とせず、すぐにインベーダーは私の陣地を侵略し、絶望的なメロディーとともに画面にはゲームオーバーが表示された。それは虚しい時間だった

100円で得られたのは、一生分の虚しさと思えるほどの衝撃的な空虚である。それ以来、ゲームに夢中になることはなかった。

こんな経験からか、やはりスマートフォンをはじめとする画面で行うゲームに興じることはない立場ではあるが、そこから見えるゲーム風景は少し不安な社会でもある。読書をしたり思索をしたりと、電車の中はそれぞれがそれぞれのことをやって社会の調和が保たれているから、その調和が「皆が同じことをする」ことで不自然に感じるのは不思議だ。

ゲーム依存の方々を見る限り、その度合いを調整する機能がなくなりつつある状態だから、やはり画面から目を離して人と話し空気を吸って生きることに自覚的になる必要があるだろう。

ゲーム好きには反発されそうだが、ゲームを少し自重して、ちょっとした思索をしてみることを呼びかけてはいけないだろうか。

image by: shutterstock.com

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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