今や日本中の誰もがスマホを持ち歩く時代、「たかが道具」であるはずのスマホに振り回される、などという状況も多々あるのはご存知の通りです。今回の無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』では著者の音多さんが、私たちのお金と時間を奪うSNSの炎上商法への対抗手段を紹介しています。
【ビジネス】炎上商法から学ぶ事
今日はビジネスのタネからお届けします♪
今回のテーマは「炎上商法から学ぶ事」です。
SNSの普及と共にここ10年で急激に数を増やしたのがこの「炎上商法」です。特にここ数年、ネットニュースで大きな話題となる案件にはほぼこの炎上商法が絡んできました。
始めは「なんでわざわざ炎上するような事をするのか」と思っていた受け手側にも、これがネット時代の高度なマーケティング手法である事に気付き始めている人も増えてきていると思います。
ただ今回お伝えするのは、この商法を使って儲けようという話しではありません。あくまでその仕組みに目を向けて、我々がこの手のマーケティング手法から時間とお金を搾取されない防御力を養う事を目的とします。
守破離でいえばまず守の基本部分を抑える事で、人によっては今後自分のビジネスにこの技を応用出来るかもしれません。
正直私自身も巷に流れる炎上ニュースに飽き飽きしています。自分では「くだらない」「興味が無い」と思っていても、何気なくスマホをいじっていると他人様の色恋沙汰とか不祥事を追いかけてしまう自分がいます(笑)。
メディアに時間を奪われる事は、そのまま自分の人生から時間を奪われる事を意味します。以前、以下の話しの中で、私なりに時間を奪われる対象からは距離をおくよう努力している事もお伝えしました。
● ムダな物に時間を奪われてる?月に1度「人生の棚卸し」をしよう
しかしそんな努力を無効化するかのように人の懐に入り込み、時間を盗んでいくのがメディアニュースです。今や日本のスマホの普及率は80%に達し、成人であればほぼ全員が持っていますから、世の中でどれ程の人が下世話な炎上商法に時間を奪われているのかを思うと、人事ながら危機感を感じてしまいます…。
ではまず、こうした商法に時間を奪われない為の簡単な対処法をお伝えしておきましょう。
正直ここまで情報機器(スマホやタブレット)に取り囲まれた生活を送っていると、そこから距離を取るのは難しいかと思います。だからここでは自分の思考法と意志力で余計な情報をブロック出来るようにしておきます。
炎上商法は非常に優れたマーケティングですから、いくらこちらが興味が無いと思っていても、その話題に関する情報を目にしてしまえば一巻の終わりです。暇つぶしにニュースをクリックしているつもりでも、その裏ではビジネスが成立しています。それはつまり我々の時間とお金が間接的に広告収入に交換されているんですね。
だからテレビやネットでそうした商法に触れた時、一番良い回避策はそこに
◆ 損得勘定
を持ち込む事です。そのニュースに触れる事は情報を得る代わりに、自分の資産(時間やお金)を見ず知らずの広告主に無料提供する事を意味します。だからその価値交換をしても良いと思える有益な情報であれば見るようにし、「冗談じゃない、嫌だ!」と思うようなくだらないニュースなら見なければ良いわけです。
こうした損得勘定を持ってネットサーフィンをしてみると、情報を見る前に一度立ち止まる事が出来ると思います。更には普段の癖で何気なくネットを見続けてしまっていても、ふと我に返って見るのを止める事が出来るようにもなるんですね。
それでは次は、いよいよこの炎上商法の仕組みに迫りたいと思います。なぜ炎上商法は人を惹きつけ、見るのを止められないのか!? その理由は実は、我々の本能的な欲求にあったんです。
現代ほど情報機器が身の回りに溢れた日常では、そこから洪水のように飛び込んでくる情報を自らブロックする術を持つ必要が有ります。でないと日々そうした情報に自分の時間を奪われる事になります。
私はスマホ普及が格差を更に広げると思っていて、自分の意志を持たずにそうした情報に振り回される人は完全に他人に人生を捧げる事になります。情報によって人は知らずに他人の奴隷になるんですね。
というわけで、なぜ炎上商法は人を惹きつけるのか? という仕組みの話しに迫ります。この仕組みが分ると炎上商法に巻き込まれなくなりますし、逆にあなたはこのマーケティング手法の使い手にもなれるかもしれません。
近所のゴシップネタでも何でも、古今東西他人の不幸は蜜の味として楽しまれてきたわけですが、人はなぜ縁もゆかりも無い他人の炎上ニュースが気になるのか。見たくなくても見てしまう、という事は自分の思考で制御できない所に原因があるという事です。そして蜜の味とは欲求が満たされる時に感じるものです。
そう、この問題には
◆ 本能的な欲求
が絡んでいるんですねヽ(^o^)丿。ここで絡んでいる本能欲求は主に二つ有ります。欲求に関しては「マズローの五段階欲求」を元に考えて下さい。私はこのメルマガでこの考え方を頻繁に使いますからね。
一つは危機察知能力の「安全欲求」。そしてもう一つが人との関わりに関する「帰属欲求」です。この二つの欲求を絡みつかせた炎上マーケティングは非常に強力です。
では一つ目の「安全欲求」がどう使われるのか。それはまさに火事に野次馬が群がるのと一緒です。火を恐れるのはまさに動物の本能ですが、人はそうした危険な物との距離感を測る為に好奇心が発動します。野次馬を目にすると自分の身を守る為に、何が起こっているのか確認しておきたくなるんですね。
更にメディアはもしあなたがその炎上ネタを目にすれば、それを見たあなたにも、同じ危険が及んでいるかのように錯覚させます。例えば「不倫ネタ」などが最たる例で、メディアは芸能人が起こした不倫ネタを我々に問いかけ、「悪い事してるでしょ? あなたもこう言うことされたら嫌だよね」と投げかけるわけですね。
すると視聴者は自分も同じ事をされたかのように錯覚し、巣をつつかれた親鳥のように赤の他人を攻撃します。こうして炎上に加担してしまうわけです。
そしてさらに強力なのがここに人との関わりを欲する「帰属欲求」が絡みついている事です。なぜ人が自分には縁もゆかりもない赤の他人のニュースに惹きつけられるかというと、人には基本的に誰かと繋がりを持ちたいという本能欲求があり、その一つの側面として、
◆ 人は他人の事ばかり気にして生きている
という性質があるからです。多くの人は社会で人と馴れ合いながら生きています。一番大事な事はどこかのグループに所属する事であり、仲間無しでは生きていけません。他人は絶対的に気にしなければいけない存在であり、どうしても気になってしまうのが本能的な欲求(要求)です。
また誰かが炎上している時、一斉に多くの人が攻撃に回るのは攻撃側のグループに所属して安全圏を確保する為の同調作用です。だから潮目が変わって擁護する人が多くなれば今度はそちらのグループに瞬間的に移動します。
これは最近のサッカー日本代表が良い例で、試合前にはほぼ全ての人が代表を攻撃していましたが、いざ試合で健闘し「がんばった」と認めると一気に評価が逆転しましたよね。以前攻撃していた人はその瞬間的に擁護側に変換されました。人の感情はオセロの駒と一緒で、基本白か黒か(好きか嫌いか)の2パターンしかありませんから、バランスが過半数を取った瞬間に好き嫌いの感情が入れ替わります。過半数の意見を取っているグループへ帰属欲求による移動が起こったわけです。
というわけで、今回は「炎上商法から学ぶべき事」と題してその仕組みをお伝えしました。これを知っておけばあなたの大事な人生時間(富と成功を作る為の資産)を簡単には余計な情報に奪われなくなります。
またビジネスでこの手法を利用する事も出来るわけですが、そんな時は過去の成功例をしっかり勉強し、多くの人にメリットのあるやり方を真似て下さいね。例えばルーマニアチョコレート「ROM」の炎上商法は良い過去例かと思います。
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