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鯛焼きじゃなくて鯉焼き。焼くものを変えたら大ヒットしたワケ

流行りの食べ物や商品に心動かされた時、「よくこんなことを思いついたな」などと感心した経験はないでしょうか。無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんは、「ヒット商品は以前から身の回りにあったものが用途を変え、対象とされるターゲットを拡大させてファンの獲得に繋がったもの」と分析し、定番商品のたい焼きやカレー、バッグなどの成功事例をあげ詳しく解説しています。

定番品をリメイクすると、新しい市場が生まれる!?

長野で売られている、「鯉焼き」という商品をご存知でしょうか。中身は「たい焼き」なのですが、長野には海がないことから、遊び心で作られた商品です。形を変えただけですが、面白みがあり、注目度も高くなります

いま、こうした「たい焼きの進化形」がたくさん出現しています。まず進化したのは、中に入っている具。「たい焼き」と言えば、中に入るのはあんこと決まっていたのですが、白あんやカスタードが加わり、いまでは、「ベーコンマヨネーズ」「めんたいチーズ」「ハムマヨ」「ツナマヨ」「キーマカレー」なども出てきています。

さらに、「お好み鯛焼き」や「オムライス鯛焼き」など、もはや形だけが「たい焼き」という商品まであります。

そこから、さらに「鯉焼き」のような、形の進化が始まりました。静岡には、「シーラカンス焼き」や「うなぎ焼き」があります。岐阜には、伝説から生まれた「つちのこ焼き」。宮城には、「サンマのたい焼き」。奈良には、「仏様」を意味する「ののさま焼き」。東京・築地には、「マグロ焼き」。三重には、松阪牛をモチーフにした、「松牛焼」と「子牛焼」。

このように、昔からあるものの形を変えただけでありながら、ご当地グルメとして、注目を集めている商品があるのです。小手先のテクニックではありますが、正当な「ビジネスモデル」のひとつだと言えます。

まったく新しい何かを生み出すことは、非常に困難です。しかし、既存の商品をリメイクするのは、比較的簡単なことです。

中身を変える」「を変える」「使い方を変える」…。この手法の事例としては、いま流行しているものを見れば、わかります。

たとえば、着物。美容室で着つけをしてもらうか、気つけ教室に通った人でないと、着ることができませんでしたが、いまはマジックテープなどで簡単に着ることができるようになっています。これにより、浴衣を着る女性が増え、京都などでレンタル着物のお店が増えているのです。

いま、立ち食いのお店が流行っていますが、これも従来かしこまったお店でしか食べられなかった、フレンチやイタリアン、割烹、ステーキなどを立ち食い形式にすることで、リーズナブルなお店として広まっていったのです。固定観念を捨てて、「立ち食い」にしただけなのです。

他にも、昔からあるもののアプローチを変えただけで新しい市場の広がりに繋がったものもあります。「レトルトカレー」や「サイダー」です。日常的な消費財だったものを、「ご当地カレー」や「ご当地サイダー」として売り出すことで、これまでにない販売経路が構築されました。

また、ウエストポーチを斜め掛けにした「ボディバッグ」や蜜ではなく、生の果物のソースを掛けたりする「かき氷」なども、使い方や中身を変えただけです。

昔からある定番品をじっくり眺めていれば、たい焼きの進化に見るような、新たなビジネスのヒントがひらめくかもしれません。

image by: 藤田九衛門商店 - Home | Facebook

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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