【書評】なぜ、ドイツのメディアは日本をこんなにも嫌うのか

 

脱原発という正義を行う知性と勇気のあるのは、やはりドイツ人だけであった、とドイツ人は思っている。すべてを犠牲にしても反原発をすべきだと単純に信じているドイツ人には、やむを得ず原発を選択するという思考は理解しがたいものなのだ。しかし、ドイツの原発ゼロの見通しは非常に暗いのが現実だ。

自然エネルギーをバックアップするため火力発電を増加、強化しなければならない。CO2の排出量が増えるが黙っている。目玉の洋上風力発電も高価すぎて建設が進まない。再生可能エネルギーの買取制度も暗礁に乗り上げ、一般消費者の電気代がアップ。最大の問題は、送電線建設が住民の反対で……(笑)。

著者は言う。2023年のドイツの脱原発は失敗する可能性がかなり高い日本はドイツが成功してから真似をしても遅くはないのではないか。まことに同感だ。福島の原発が爆発した映像は何度も何度も放映されたが、迫力不足と思ったのか、不気味な爆発音を付け加えたという。そこまでやるか、ドイツ人。ドイツの周辺国はみな原発推進の悪い国だが、なぜかメディアはその不安を言わない。

ドイツメディアの尖閣や竹島、日中・日韓の歴史問題に関する記事は、中韓の言い分の鵜呑み日本の主張の完全無視、著しい事実誤認から出来ている。「ほとんどのドイツ人にとって、記事の過誤を判断するだけの基礎知識もなければ関心もない。読めば必ず書かれていることをそのまま信じることになる」

ドイツにとって日本は、世界中でほとんど唯一のライバルだ。日本の好調は嫌悪しかない。だから常に攻撃の矛先は日本に向く。ドイツ好きの日本人は少なくない(わたしもかつてはそうだった)が、ドイツは日本が嫌いで、ウマがあうのが中国だ。中独が相手ではそうとう手強いが、負けるもんか。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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