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宅配ロッカー設置を渋るマンションに伝えたい、意外な活用法

以前掲載の『なぜ宅配ロッカーのあるタワマン住人は受取りに苦労するのか?』でも話題となったマンション内の宅配ロッカーですが、意外な使い方をしているマンションも増えてきているそうです。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんも「思わず感心した」という、その目からウロコな利用方法とは?

宅配ボックスを共用施設等の鍵の受け渡しに

こんにちは! 廣田信子です。

少し前の新聞記事に、宅配ボックスを共用施設や共用自転車の鍵の受け渡しに利用しているという記事がありました。調べてみると、このサービスは10年前から始まっていて、テレビでも取り上げられたことがあるようですが、私は知りませんでした。なかなかいいアイデアだと思ったので、シェアしたいと思います。

あるマンションでは、共用自転車の鍵の受け渡しにも宅配ロッカーのボックスを使っています。宅配ロッカーについたタッチパネルを操作しながら、非接触のICチップを内蔵した自宅玄関の鍵をセンサーにかざすと、共用鍵を入れているボックスの扉が開きます。

ボックスの中はさらに8つに区切られていて、それぞれに、集会室、コミュニティホール等共用施設等の鍵が入っています。そのひとつに共用自転車の鍵のボックスもあります。

共用施設の使用に関しては、鍵の引き渡しに苦労します。施設の申し込みはネット予約システムを取り入れても鍵だけは、「もの」の受け渡しが発生します。常に受付にコンシェルジュがいるようなマンションはごく少数ですから、管理員さんがいない日は共用施設が使えなかったり、担当理事の手を煩わせることになります。

共用自転車も、鍵の受け渡しが面倒でうまく運営できずにやめたところもあります。宅配ロッカーが設置されているマンションだったら、そのボックスの1つを活用することで、無人の鍵引き渡しが始められるので、これはいいと思いました。

管理員不足、人件費の高騰で、巡回管理管理員さんがいない管理を検討するところも増えてくると思います。ネット予約と宅配ロッカーの鍵受け取りを組み合わせれば管理員さんがいない不便を補うことができそうです。

また、宅配ロッカーを住人がシェアして使うものの管理につかっているケースも増えているといいます。掃除ロボット、窓ふきロボット、自転車の空気入れ、日曜大工のための工具ボックス等の貸し出しにボックスを使っているといいます。たまにしか使わないけど必要でしまっておくスペースに困るものが、手軽に借りられたらうれしいですよね。

宅配の件数が年々増え、留守宅への再配達の負担が問題になっています。また、過去記事に書いたように、今、新築マンションでは、宅配受け取りシステムの充実度が物件を選ぶポイントになるぐらい重要視されています。

なぜ宅配ロッカーのあるタワマン住人は受取りに苦労するのか?

在宅していないときにも荷物を受け取れるというだけでなく、玄関の鍵を開けなくても荷物の受け渡しができるという安全性も重視されているのです。

宅配ロッカーがない既存のマンションで、宅配ロッカーを新設してほしいという要望もあるでしょう。宅配を利用する個人の利便性を図るというだけでなく共用施設の鍵や、共用で使用する「もの」の受け渡しで利用することを組み合わせると、宅配ロッカー導入の合意形成がしやすくなるかもしれませんね。

もちろん、共用で施設やものを使う場合は、使用ルールをきちんと守ることが必要です。無人の気安さから使い方がラフにならないよう、宅配ロッカーの設置場所に防犯カメラは必要かもしれませんね。

私は、宅配ロッカーシステムを活用して「もの」のシェアが広がることに、マンションらしくていいな~と心惹かれました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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