日本人の平均最適値をはるかに下回る2つの基準値
「人間の体は歳とともになにも変わらない」という非現実的な仮定を置いて、間違いをした大きなものが「血圧の基準=140以下」と、「コレステロール200以下」です。
人間の血管は歳とともに固くなります。「固くなる」というのを「固くならないように治療する」なら本当の治療なのですが、血管を柔らかくしないで、血圧だけを下げるので、血流が不足します。血流が不足すると、疲れやすく(栄養)、風邪やがんになりやすく(免疫)、ボケや認知症を引き起こす(頭の血液不足)ことになります。
私たちの心臓はそれがよくわかっていて、血圧が高いと血管が破裂する危険はあるのですが、血流を保つためにギリギリ、血圧を高く保ち、人生の質を上げようとしているのです。心臓が「最適の血圧を知らない」というなら病気ですが、よくよく考えて血圧を少し上げているのですから、血圧の治療のほうが間違っていると考えられます。
コレステロールもそうで、歳を取ると脂肪が不足気味になり、肌はカサカサしてきますし、頭の絶縁材料(コレステロールなど)が不足して認知症などの症状がでます。これも、若い人のことだけを考えた基準を設定していますし、薬を売るために日本人の平均の最適値(250)をはるかに下回る基準に設定しています。
コレステロールについては、NHKが「悪玉コレステロール」という学問的に全く間違った命名をしたこと、食材のコレステロールは問題がないのに、卵を忌避させたりしたことも大きな影響がありました。
そして第三には、「健康から死亡」に直接つながっているという大きな誤りもしています。
人間は健康な状態から一気に死亡するのではなく、まず体の不調を訴え、それが適切に処置されないと、そのうち病気になり、病気が死亡につながることがあるという順番です。ところが、医学論文やネット情報には、常に「こういう生活をすると死亡確率が増えるから、こうしろ」と書いてあります。でも実際には、毎日の生活という意味では最終的に歳を取って死ぬ危険性が大きいほうが、健康を保つことができるという例が多いのです。(つづく)
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