通勤中や勤務中の事故や怪我。あってほしくないことですが、起こってしまった場合に知っておきたい「労災」についての知識を、今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で、テレビ朝日「報道ステーション」などの解説でもお馴染みの著者・谷原誠さんが詳しく紹介しています。
労災とは
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
今日は、労働災害(労災)について、簡単にまとめてみます。
通勤途中に交通事故に遭ったり、勤務中に怪我をしたりしてしまうことがあります。いわゆる労働災害(労災)というものです。労災は、「業務災害」と「通勤災害」の2種類に分けられます。
業務災害というのは、業務に起因して怪我等をした場合、通勤災害は通勤中に怪我等をした場合です。労災が認定されると、労働者災害補償保険法により、各種の補償を受けることができます。
補償の種類は、以下のとおりです。
- 療養補償給付
- 休業補償給付
- 傷病補償給付
- 障害補償給付
- 遺族補償年金
- 葬祭料
- 介護補償給付
金額は、計算方法が決められており、怪我の程度によって異なります。
障害補償給付は後遺障害に対するものなので、後遺障害等級によって異なります。そのため、後遺障害等級は、正しく認定されなければなりません。後遺障害等級について、詳しくは、こちらから。
● 労働災害(労災)で適切に後遺障害が認定される人、されない人の違いとは?
しかし、労災保険法による給付だけでは、怪我等による損害を全てまかなうことはできません。
たとえば、工場で足を切断してしまったような場合、一生不自由をしなければならず、働くのに大変な支障があります。怪我がなければ働いて得たはずの収入を得られなくなってしまうでしょう。そこで、会社に対して損害賠償請求ができるかどうかを検討することになります。
会社は、労働者を働かせる場合には、指揮命令をして働かせるわけですから、労働者が安全に働けるよう配慮する「安全配慮義務」があります。会社に安全配慮義務違反がある場合には、会社に対し、足りない損害の賠償を求めることができます。
とは言っても、労災による損害賠償を求めても、会社としては、すんなりと払ってくれることは少ないものです。
損害賠償を請求するといっても、そもそもいくら請求したら良いか、わからないでしょう。労災による損害賠償請求を会社にしていくときは、やはり弁護士に相談することをおすすめします。
労災を弁護士に相談した方がよい理由を詳しく知りたい方は、こちら。
人身損害賠償は、過去に膨大な判例があり、一応の計算式があります。
慰謝料にも相場があります。しかし、実は、慰謝料が相場より増額する場合もあります。労災慰謝料が増額する場合について詳しく知りたい方は、こちら。
働き方改革が進められていますが、やはり、健康で働けることが一番大切です。くれぐれも怪我などがないよう、気をつけて働くようにしましょう。
今回は、ここまでです。
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