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子どものやる気を伸ばす「ご褒美」をうまく使うための3つのコツ

子どもに言うことを聞かせたるために「ご褒美」をチラつかせてしまうのは、しつけとして良くないと思っている親御さんが多くいるようです。しかし、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんによれば、ときと場合、そして種類をしっかり使い分ければ、「ご褒美」はとても有効なものだと言います。そして、そのコツをわかりやすく説明してくれました。

物で釣るご褒美はよくないですよね?

Q:子どもが習い事へ行くのを渋ったり、お医者へ行くのを嫌がったりするので、「〇〇できたら、▽▽をあげるから」と、つい物で釣ってしまいます。しつけ上、よくないですよね?(小学2年男児、4年女児のお母様より)

3つのコツでご褒美の有効活用を!

A:私は悪いことではないと思います。というのもご褒美は、やっぱり嬉しいものだからです。ワクワクするし、テンションも上がります。大切なのはその使い方です。ご褒美の有効活用の3つのコツをお伝えします。

1.ここぞ!というときにご褒美を!

もともとは楽しいからやっていた行為に「ご褒美」が与えられると、途端に「その行為=ご褒美のため」「ご褒美=ゴール」となってしまい、そこに「楽しいからやりたい!」という欲求が無くなります。子どもが自発的に頑張っていることにまで親がご褒美を与えると、子どもの自主性を阻むことになります。ご褒美の多用は避けて、頑張ったな、何か評価してあげたいなと思ったときに使いましょう。

2.金品よりも共感が先

ご褒美に金品を与えることを繰り返すと、大人になってからも努力すれば「金品の見返り」は当然という考え方になり、見返りがないならやる意味はないという判断基準を持ってしまう恐れがあります。

まずは、「あなたが目標を達成できたことはパパやママにとっても嬉しいことだからお祝いしよう」などと共感することが大切です。「自分の行動が人を喜ばせた」という経験は、次のステップを目指すきっかけになります。ご褒美に家族揃って子どもの好きな物を食べに行ったり、好きな場所へ遊びに行ったりなどもありですね。

ご質問にあるような習い事やお医者へ行かせるためのご褒美は、「よく頑張ったね」という愛情たっぷりの言葉や、ギュッと抱きしめるなどのスキンシップで十分かもしれません。

3.結果ではなく、努力にご褒美を

例えば、「マラソン大会で1位」という結果にご褒美を与えるか、「毎日30分走る」という努力にご褒美を与えるか。どちらの場合も子どもは喜んでご褒美を獲得しようとやる気を出します。米ハーバード大学のローランド・フライヤー教授による、約3万6000人の児童・生徒が参加した大規模実験では、「努力にご褒美を与える」方が効果的だという結果が出ています。

理由は二つあります。一つは、短期的なご褒美であること。つまり、マラソン大会当日という「のちのち手に入るご褒美」よりも毎日30分走ると「すぐにもらえるご褒美」の方が魅力的だからです。二つめは行動するまでのハードルが低いことです。マラソンで1位をとるには、誰のタイムを参考にどのペースで走れればいいのかなど具体的な方法がわかりません。しかし、「毎日30分走る」ならばそれさえすればいいというハードルの低さが、子どもの心を動かすのです。

家庭教育アドバイス…2種類のご褒美

子どもに親の言う事を聞いてほしくてご褒美を与えるのは、「お礼」のご褒美です。例えば、親の都合に付き合わせて遊ぶのを我慢させたり、急ぐために予定を変更させたりするなどです。一方、子どもが自分で頑張って結果を出したときに与えるご褒美は、「お祝い」のご褒美です。「お礼」のご褒美は言葉で十分です。一方、「お祝い」のご褒美は、家族みんなが喜んでいるのですから、家族で共有できるものが効果的です。大人でも嬉しいご褒美、子どもも当然嬉しいものです。上手に利用して子どものやる気を伸ばしましょう。

image by: shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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