MAG2 NEWS MENU

秀吉も見上げた楼閣。この春、京都の空に五重塔と桜吹雪を愛でる

五重塔はただのタワーではなく、地・水・火・風・空と仏教の世界観を体現しており、だからこそ見る人に深い味わいを与えるのでしょう。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英 学(はなぶさ がく)さんが、京都にある4つの代表的な五重塔について、創建の歴史・建築様式・足を運ぶべき時期などを含め、その魅力を余すところなく紹介しています。

4つの五重塔

新幹線など電車の車窓からも見ることが出来る五重塔は多くの方に馴染みがあるでしょう。また、清水寺に向かう途中で見る八坂の塔の名前で親しまれている五重塔は京都らしい情緒を感じさせる撮影スポットとしても有名ですね。

今回はその他に御室御所として有名な仁和寺と、醍醐の花見で有名な醍醐寺に建つ五重塔など京都市内にある4つの五重塔をご案内します。

東寺の五重塔

image by: 京都フリー写真素材

東寺の五重塔は、826年に弘法大師空海が創建したと伝えられています。これが初代の東寺の五重塔です。現在の五重塔は、1644年に徳川家光が再建したもので5代目です。過去に4回も落雷など火事で焼失しています。

東寺の五重塔の特徴はその高さにあります。現存する日本の木造建築物の中でで最も高く55メートルあります。五重塔の前には瓢箪池という池があります。この池は五重塔が傾いた時に元に戻すために作られたと伝わっています。年に何度か特別拝観できる時期があって、内部を見ることもできます(さすがに上まで上るとかは出来ませんが)。

おススメの時期はやはり春の桜と秋の紅葉と一緒に眺める五重塔は見事です。

醍醐寺の五重塔

image by: 京都フリー写真素材

醍醐寺の五重塔も歴史は古く、904年に創建されたものです。この五重塔、実は当時のままなんです。現存する五重塔では京都府最古のものとされます。

高さは38メートルで、東寺の五重塔よりは少し低いですが、真下から見上げるととても荘厳です。高さの割に屋根が大きく、一番下が最も広く、上に行くほど狭くなっていてずっしりとした安定感が感じられます。

特徴的なのは色です。だいぶ色あせてはいますが、醍醐寺の五重塔はには朱色が施されています。赤い五重塔というのも結構貴重だと思います。

醍醐寺は秀吉が醍醐の花見を開いたことでも有名なお寺です。やはりおススメは桜の時期に是非立ち寄って頂きたいと思います。

仁和寺の五重塔

image by: 京都フリー写真素材

仁和寺の五重塔は1644年に建立されました。現在の東寺の五重塔が再建された頃です。なので建築様式は東寺の五重塔とよく似てます。特徴としては各層の屋根の幅がほぼ同じです江戸時代初期の特徴的な建築様式だとされています。高さは36メートルです。

仁和寺は御室桜で有名なお寺です。御室桜は遅咲きの桜で、お花見が終わりに近づく頃に満開となります。御室桜越しに見る仁和寺の五重塔は、とても見応えがあります。御室桜は人の背丈ほどしかない低い木なので、そのふもとからそびえ建つ五重塔は雄大さがあります。御室桜と五重塔のコントラストを見ることが出来るのはまさに御室仁和寺だけです。

八坂の塔

image by: 京都フリー写真素材

通称「八坂の塔」で親しまれている五重塔は、法観寺というお寺の建築物です。高さは46メートルあり、京都では東寺の五重塔に次いで2番目の高さを誇ります。建てられた時期は4つの五重塔の中で最も古く589年で、ナント聖徳太子の創建です。しかし、何度も火災で焼失し、そのたびに再建され、現在の姿となっています。平安時代は小野篁が再建し、鎌倉時代は源頼朝が再建し、室町時代には6代将軍足利義教が再建しています。現存する八坂の塔は1440年に足利義教が再建したものと伝わっています。

テレビのドラマなどで京都の町並みが映る時によく法観寺の五重塔が背景に映し出されますよね。おススメは毎年3月に開催される東山花灯路の時期にライトアップされる姿をご覧頂きたいと思います。今年は3月8日から17日です。

● 東山花灯路

時期的にはまだ寒いのですが観光客はあまり多くなくおススメです。

京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

英学(はなぶさ がく)この著者の記事一覧

毎年5,000万人以上の観光客が訪れる京都の魅力を紹介。特にガイドブックには載っていない京都の意外な素顔、魅力を発信しています。京都検定合格を目指している方、京都ファン必見! 京都人も知らない京都の魅力を沢山お伝えしていきます。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 おもしろい京都案内 』

【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け