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ぼっちじゃ、ダメなんですか? あるシャイな大学生の疑問

学生時代、なかなか友達が作れなくて孤立してしまったら、具体的にどう対処していけば良いのでしょう。メルマガ『予約の取れないカウンセラーが送る“毎日使えるココロの講座”』の著者で、心理カウンセラーの根本裕幸さんは、そもそも「人とは仲良くしなきゃいけないもの?」という大学生の切なる疑問に対して、的確なアドバイスをしています。

人とは仲良くしなきゃいけない?あるシャイな大学生の疑問

こんにちは。大学4年休学中の学生です。

僕は人と仲良くなれないことに悩んでいます。

初対面の人やその場限りの人はあんまり抵抗がなく話せるのですが、2回目以降や、「この人とはこれから何回も会って仲良くなっていくんだろうな」と思う人(バイト先とか)とは、言語化するのが難しいのですが、「う、話したくない、逃げたい(怖いのかな?)」と思い、その場を避けてしまったり、話しても、どんな話をすればいいかに意識が向いたり、きっとまたうまくいかないんだろうと自分を責めたりして、話に集中できずに変な会話になってしまいます。

大人がする(?)典型的な会話や当たり障りのない会話はできるんですが、友達同士でするようなほんとに普通の、他愛もない話、雑談が難しいです。

今は、ロックマンみたいに、周りの人から見たら人とうまくやっているように見える(自分もある程度やっているとは思う)けど、心の中では友だちと呼べる人がいない状態です。
僕のことを友だちと思ってくれてる人は何人もいます。けど僕からすると、気の置けない仲の人がいないというか、みんなに気を遣います。それがしんどいです。
根本さんの言っているように、これは僕の長所の一つではあると思うのですが、気を遣いすぎて自分を出せていないなぁって感じです。

ちなみに、僕はとても「いい子」をしていた一人です。
学校では優等生(生徒会長にもなったぜ)、地域の方や友達の親からも、勉強だけでなく人柄や礼儀正しさも「すごいね」と褒められてきました。
母親は思ったら言いたい人なので、僕は朝から晩まで「早く起きろ」「テレビそんな見ていていいのか」「風呂入らなくていいのか」などずっと言われていました。すごく嫌だと思いながらも妥協して守っていました。これらが影響してるのかもなぁと思います。

こんな人はどうすればいいのか、ネタにしていただけたら嬉しいです。(Gさん)

予約の取れないカウンセラー・根本さんの回答

ちゃんと自己承認もできているし(長所だと思う、というところとか)、自己分析もできてるし、確かに頭のいい(勉強ができる意味ではなく)、将来有望な方だと思います。どう?カウンセラーとか目指してみない?向いてると思うよ。マジで。

さて、「その場限りの人とはうまくやれるが、近しい関係になることが苦手」という方はこのブログを通読されている方にも珍しくないと思います。

まあ、何を隠そう私もそういうタイプでして、20代の頃はそれで悩んでいたこともありました。私も「他愛もない話や雑談」はあまり得意ではありません。そもそも何を話していいのか分からないですもんね。だから、プライベートの私はけっこう口数が少なく、大人しく、影も薄く、存在感があまりないことも多いと思います。

Gさんがそうなっちゃう原因は、お察しの通り「お母さん」の影響が大きく、お母さんの期待に応えていい子になり、学校でも優秀な生徒になり、生徒会長まで務められたんだろうと思います。それができるのも長所ですよね。昨日もネタにしましたが、過干渉心配性なお母さんの元で育つと親密感(距離が縮まること)が苦手になる、というわけです。

で、こう言っちゃうと元も子もないと思うんですけど、私が今日、一番お伝えしたいのはコレです。

べつに人と仲良くならなくてもいいんじゃない?

以上です(笑)

そういうキャラだからねえ」という風に、自分を受け入れちゃった方がいいかと思います。

長い付き合いになりそうなバイト仲間とも、表面的な付き合いでいいと思うんですよね。「あいつは付き合いが悪い奴」とか「なに考えてるのか分からな奴」とか「一緒にしゃべってても面白くない奴」とか思われてもいいんじゃない?そこで仲良くなってバイト上がりにカラオケ行って朝まで騒ぎたいわけじゃないでしょう?バイト仲間が開くバーベキューに呼ばれたいわけじゃないでしょう?

一匹狼で職場で浮いちゃってもいいと思うんですよねー。そんなに仲良くなることって重要???(笑)

気を使っちゃう理由も「理想の自分を生きようとしているから」かもしれないですよね。バイト先でも学校でも友達がいっぱいいて、楽しそうに雑談して、バイト以外でも遊びに行けるのが「理想」もしくは「正しい」と思ってませんか?

それよりもっと大事なことがあると思うんですよね~。(それが何かはこの記事の後半に語ろうと思います。じらされるのは嫌いじゃない読者が多いと思う故でございます。サービス!サービス!)

私はあまり人付き合いが得意ではなく、ブログに出てくる男子・女子諸君に野良猫だの、ロックマンだの言って遊んでますけど、たぶん、私自身も野良猫&ロックマンだと思います。そんな私の言うことなのであまり説得力はないかもしれませんけど、まあ、聞いて下され。

気が向いたときにしか動かないから野良猫色が強いかもしれませんけど(とはいえ、家族の前では思い切り犬ですけどね。今朝も子どもたちのアッシーを立派に務めておりました。)あまり人と仲良くしたいなあ、という思いは強くないし、浅い付き合いで十分だし、と思ってます。

前にサラリーマンをしていたのですが、その5年間で今でも続いている関係はほぼゼロです。学生時代の友人ともうすーい関係で来ています。

今年、高校の大きな同窓会があって、なぜか私に講演の依頼が来たりして、それで同級生たちと絡むこともあるんですけど、今までほとんど付き合いをして来なかったので、「え?誰?名前は辛うじて覚えてる」みたいな出会いが多くて若干ビビっております(笑)同級生の中にはいろいろと友好関係が広く、みんなと仲良くやってる人も多くて、羨ましいなあ、と思うこともあります。けど、それは私がしたいことじゃないんですよね。幸い幼馴染がそんな顔の広く、面倒見のいい奴なので、顔つなぎとか場つなぎとかは彼を頼ればいいか、と思ってます。

仕事でもあちこち飛び回っているということは、あちこちに友達ができるわけですが、でも、あちこち飛び回っているせいで、そんなに深い関係にはなれません。それが自分にとってとても都合がよいのですな。で、そんな風に行動していると面白いことが起こるんです。

「僕も友達あんまりいないんですよね~」という人と仲良くなります。私のコンサルさんもそうです。彼とはなぜか気が合うので、時々ご飯に行ったりするんですけど(仕事の話はほとんどしません)、しばらくの間全然会わなくてもOKです。

そして、そんな薄い付き合いや表面的な関係でもOK!!という友人ができます。そして、そうこうしているうちに「ずっと一緒にいても飽きないという友人もできました

「自分にとって心地の良い人間関係」が大事なのであって、「こうあるべき」という理想の人間関係は苦痛にしかならないと思うのです。そういう風に捉えてみたら、Gさんの人間関係はもう少し楽になるんじゃないかな、と思います。

それは、もっと大事なことがあるからです。

友達付き合いよりももっと大事なこととは

大事なこと。私の言葉で言えば「ライフワーク」です。

自分がしたいこと、やりたいこと、好きなこと、面白いこと、楽しいことって何?ってわけだし、やりたくないこと、嫌いなこと、面白くないことって何?ってわけです。

例えば、私なら友達と飲みに行くのは好きですけど、話をする楽しさもありつつ、そこで供される料理にものすごく興味があります。だから、一緒にいて飽きない奴とは「飲みに行ったらカウンターに座り、そこで出される料理や酒について大将とあれこれ話をする」という点が共有できる人です。カラオケは何が楽しいのかいまだに理解ができないので、「2次会、カラオケ行くけど来る?」って誘われたら、「あ、ごめーん、帰るわ~」と辞して、一人でバーに飲みに行ったりします。これ、あくまで私の価値観ね。カラオケが好きな人はどんどん行って楽しむのが正解ですよ。

ちなみに、そんな時に「えーっ!!もったいないー!楽しいのにー!行きましょうよ~!!」とか言われると、即座にロックマンを起動させ、今後の付き合いについて考えます。そのせいか、私の周りの人たちは「えー?行かないんですか?じゃあ、また~!」とあっさりした人が多く、とてもありがたいです。

Gさんはどんな人生を創造していきたいのでしょう?何が好きで何がやりたいのでしょう?

私はカウンセリングやセミナーが大好きだし、こうして文章を紡ぐのも好きです。あと、20代の頃は女の子が大好きだったので、「男同士で飲みに行く意味が分かんねー」と思ってたりもしました。(え?過去形?今もじゃねーの?とか言わない、言わない、言わないの!!)今は家族が好きなので出張してないときは家にいます。(なので大阪や京都の名店はほとんど知らないんです。)

好きなことややりたいことにエネルギーを注ぐと、そうでないことに時間やお金を費やすことが「無駄」に感じられるようになります。そして、好きなことややりたいことにエネルギーを注ぐと、それにふさわしい人間関係もできあがっていきます

これは私の体験だけでなく、多くの方々が体験されていることです。

なので、Gさんは「お母さんとの心理的距離を取る」という戦法を取ってもいいし、「いい子を卒業する」というテーマを掲げるのもいいのだけど、その方向性を「ライフワークを生きる」に設定してみたらどうかな?と思うのです。

これからの時代はますます好きなことややりたいことができるようになっていきますから、そこにこだわって人生をデザインしていきたいですよね。

もちろん、これは年齢は一切関係ありません。50代の方にも私、同じこと言ってますから。

Gさんはもしかすると「人と仲良くなること」にそれほど興味がないのかもしれません(笑)だとすれば、もっと興味のあることにエネルギーを向けることをお勧めしたいのです。

真っ白いノートを広げて、「さあ、どんな風に生きようか?」を自由にデザインしてみてください。

image by: Rungroj pakdeejoho, shutterstock.com

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【著者】 根本裕幸(心理カウンセラー) 【発行周期】 ほぼ 日刊

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