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青学を箱根4連覇に導いた原監督は「平田ゼミ」で何を学んだのか

新年の風物詩として人気を誇る箱根駅伝ですが、2015年に初優勝を飾った青山学院大学が4連覇を達成できたのは、「データ分析力と指導メソッド」が大きく影響しているそうです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、チームを常勝軍団に成長させた原監督も指導を受けたという、早稲田大学大学院「平田ゼミ」のメソッドを紹介しています。

一流を超一流に育てる平田ゼミ

一流のアスリートや指導者を超一流に導くゼミが早稲田大学大学院にあります。その名は「平田ゼミ」。

その卒業生には、青山学院大学の原晋監督や、元プロ野球選手の桑田真澄氏などが名を連ね、近年注目を集めているゼミです。

志ある者、事竟に成る 平田竹男(早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授)

社会人のゼミ生たちは皆1年間で大きな変化を遂げてきましたが、特に印象深く残っているのは原晋氏のケースです。今年は優勝を逃したものの、青山学院大学駅伝部が箱根駅伝で4連覇を達成したことはご存じの通りです。

2017年、12期生として平田ゼミに入学した原氏にとって1年間の最も大きな収穫は、自分なりの経験則に基づいて行っていた指導に、データに裏づけられたアカデミックな要素を取り入れることにより勝利できるコツを明確にしたことに他なりません。

原氏は選手たちに「夏を制する者が秋を制す」と言い続けてきました。秋からの大学駅伝シーズンを前に、苦しい夏の練習を乗り切るために、そう檄を飛ばしていたのですが、実際にデータを取って分析してみると、箱根駅伝に出場した選手のほとんどが夏合宿の消化率が7割を超えていたことが分かりました。この数値の裏づけがあることで原氏の説得力は増し、選手たちのモチベーションも一層高まったのです。

選手たちの故障の原因を調べたところ、練習量だけでなく、メニューの組み合わせによって故障率に違いがあることが判明しました。その結果を練習に取り入れメニューの改善を図ったことで、2017年のチームの故障率は10%以下にまで下がりました。

箱根駅伝にトップパフォーマンスが発揮できるよう1年を4期に分け、各期でターゲットとなる試合を定め、選手に関わる結果を数値化し分析したことも実力を押し上げる要因となりました。

また、平田ゼミでの学びは原氏本人にとっても大きな変化をもたらしました。ニュース番組のコメンテーターを務めた際、突然質問を投げかけられても、即座にその場に応じたコメントを返せるようになったといいます。これもゼミでの訓練の成果なのでしょう。

自身の経験則をサイエンスにまで高めていく原氏の姿勢を見ながら、私は原氏が駅伝に限らず、高校野球をはじめとする様々なスポーツの分野、ビジネスの分野での指導が務まる人だという思いを強くしました。選手たちの1年の目標を月単位週単位にまで落とし込んで常にその成果をチェックするという指導を駅伝に取り入れ、成功させていますが、これなどはビジネスの指導者そのものの発想であり姿勢です。

原氏のこの姿勢は、いずれ陸上界を発展させるメソッドへと結びつくのではないかと期待しています。

image by: Twitter(@青学大陸上競技部(長距離ブロック))

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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