人々の心に響く「好奇心をくすぐる商品」とはどんなものなのかを知ることは、物を売るための戦略として最重要課題のひとつと言えます。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で人気コンサルタントの佐藤きよあきさんが、「モーツアルトを聴かせる商品」のマーケティングとしての効果を解説しています。
集客のカギは「モーツァルト」にあり!?
うどんの生地を寝かせる際、モーツァルトの音楽を聴かせているうどん屋さんがあります。生地の熟成が程よく進み、美味しくなるのだと言います。科学的な根拠は定かではありませんが、他にも肉牛・乳牛、ハム、豆腐、日本酒などに、モーツァルトを聴かせているところはあります。
かねてより、モーツァルトの効果については、人間を対象とした研究もされており、何らかの作用があることはわかっています。珍しいところでは、インクや紙、印刷機に聴かせている印刷会社もあるくらいです。生き物や食品については、「あるのかもしれない」と考える人はいるでしょうが、インクや機械に効果があるというのは、やや眉唾ではありますが。
しかし、モーツァルトを聴かせているというだけでも、宣伝効果はあるでしょう。「どんなものだろう?」と興味は持ってしまいます。食品なら、食べてみたいと思うでしょう。本当に味が変わるのかと、疑心暗鬼ではあっても、試してみたい気持ちになります。
人びとは、こうした“変わったこと”が大好きです。見てみたい。食べてみたい。そして、人に話したい。その好奇心をくすぐる意味では、モーツァルトは大成功なのです。
まだまだ、モーツァルトの可能性は残っています。モーツァルト味噌、モーツァルト醤油、モーツァルトチーズ。豚や鶏もあります。また、モーツァルトを聴かせた日本酒があるなら、ベートーベンを聴かせた日本酒はどんな味わいになるのか、という興味も湧くので、「ベートーベン仕込み」という商品も考えられます。
マーケティング的にも面白い仕掛けではないでしょうか。
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