北朝鮮研究第一人者が失望。拉致や漁船問題をひた隠す政府の姿勢

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3月18日に開催された「北朝鮮人道・人権ネットワーク」と政府関係者との「意見交換会」にアドバイザーとして出席した北朝鮮研究の第一人者の宮塚利雄さんは、拉致問題解決のために、これからは様々な提言をし、行動していかなければならないと感じたそうです。最新のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、会合でどのようなやり取りがあったのか、気になるその内容について紹介しています。

米朝会談で「拉致問題」はどう話された?政府の回答は…

2月末にベトナムのハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談はまさに「戦い済んで日が暮れて何もなし」ではないが、大方の予想を裏切って、会談の仲介の役割を果たしたと自慢げに吹聴していた、茶坊主役の韓国の文在寅大統領が恥をかいただけであった。

それどころか、さすがに北朝鮮はしたたかである。3月15日に北朝鮮の崔善姫外務次官は『AP通信』などとの記者会見で、米側が求めた「完全なる非核化」について、「いかなる形でも譲歩するつもりはないし、そのような形の交渉は望んでいない」と述べた。交渉中断を示唆することによって、協議再開に前向きなトランプ政権を揺さぶり、主導権を握る狙いがあるのだろう。

崔次官は米国を揺さぶって譲歩を引き出したいのだろうが、見せかけの強硬姿勢に過ぎないのだろうか。この崔次官は当初は通訳として登場しており、純情そうな可愛げなマスクが好感を呼んでいたが、いつの間にか出世して、北朝鮮外務省の中ではナンバー2までに上り詰めてしまった。

ハノイでの会談後、崔次官は「千載一遇の機会を逃した」と米側を非難したが、このときの表情は可愛げな顔に似合わず、強面な表情をにじませていた。

北朝鮮は転んでもただでは起きないようだが、一方の日本はどうだっただろうか。トランプ大統領に「拉致問題を提議するように」と依頼し、トランプ大統領は安倍首相に「晋三から依頼された件は伝えた」との返事であったと思う。要するに官僚の常套句である「善処します」で済まされたのだろう。

折しも、3月18日に東京の参議院議員会館で「北朝鮮人道・人権ネットワーク」と政府関係者との「意見交換会」に私もアドバイザーという立場で出席させてもらった。このような会合に参加するのは初めての機会であり、緊張な面持ちであった。

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