「模倣」は芸能・芸術の様々な分野において、基礎を学ぶのに有効な方法とされています。マネと言うと聞こえは悪いですが、自分には無い発想を得るための手段と考えれば、ビジネスの場面でもためらわずに使えそうです。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では著者で現役弁護士の谷原誠さんが、発想を転換して仮説を立てる手順と、仮説を実行する手段としての「模倣」の有用性を解説しています。
模倣をする勇気
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
成功している人、うまくいっている人を見ると、羨ましいものです。自分も成功したい、と思います。
そして、「なぜ、あの人は成功しているんだろう?」「なぜ、あの人がやると上手くいくんだろう?」と、その秘訣を見つけようとします。しかし、うんうん考えても、答えは見つかりません。
場合によっては、「あの人は、運が良かったんだ」「自分は資金がないからダメだ」などと結論づけようとしてしまいます。
しかし、これは、質問の仕方がよくありません。
「なぜ~なのか?」と自分に質問して考えようとすると、とにかく論理的な答えを見つけようとします。
自分はこれまで成功しようと努力して、成功していないのですから、自分の頭で「なぜだろう?」と考えても、自分の思考の枠内からは出ないわけですから、なかなか答えは見つかりません。
また、「なぜ~なのか?」と考え出しても、思考のとっかかりがないので、うんうんとうなっているだけなりがちです。
そのような時は、他の5W1Hを使ってみると、考えが進んでいくことがあります。
「あの人は、いつ、何をしているんだろう?」
「あの人は、誰と協力し合っているんだろう?」
「あの人は、仕事の手順はどのようにしているんだろう?」
このように、「理由」ではなく、何をしているか、という観点から考えていくと、なんとなくヒントが見つかることがあります。
そして、仮説を立てることができたら、次は模倣です。マネですね。
自分がこれまで一生懸命考えて、自分のやり方でうまくいかなかったのであれば、上手にやっている人、成功している人を模倣してみることです。それでうまくいけば、そこから自分のアレンジを加えていけばいいと思います。
私は、他人の意見は聞き流す傾向にありますが、他人の行動の模倣は積極的に行います。仕事のやり方しかり、筋トレのやり方しかりです。結局、自分の頭で考えるだけでは、ベストな方法を考えつくことは難しいためです。「自分はたいした能力がない。では、どう補うか?」という出発点から始まっています。
今回は、ここまでです。
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