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「本当に東大に入ればよかっただけ」澤円がSNSの経歴詐称問題に苦言

最近、SNS上で経歴詐称をして注目を集めようとする人物が増えているようです。先日話題になった、東大卒を騙った人物について、メルマガ『澤円の「自分バージョンアップ術」』の著者・澤円さんが、「肩書きやステージではなく行動と結果こそがすべてである」という持論を説かれています。

つながりが思い出せない

最近、ネットでちょっと話題になった若者がいます。
この方は、もともと不良から這い上がって高専に入学、必死に勉強して日立に入社したものの、一念発起して東大に入学、さらに17社も起業したという、素晴らしい経歴を持っていた…ことになっていました
Webの記事などを見ればわかりますが、あちこちで講演をしたり、有名人と一緒に写真を撮ったり、かなり華々しく活動をしていたようです。

しかし、「東大卒」ということに疑問を持った人がちょっと経歴を調べ、かつSNSに投稿したところから、ちょっとした話題になりました。そして、結局のところその方は「すべて嘘だったと告白するまでに至りました。

実は、ボクはこの方とFacebookもTwitterもつながっていました。ただ、どこでつながったのかをさっぱり覚えておらず…そして、共通の知人を見ても、つながりがどうしても思い出せない状態です。写真を見ても、全然覚えがない。この人は誰だ?と本当に不思議な気持ちになりました。

Facebookについては、実際に会った人か、メッセージのやり取りや共通の知人の内容を見て信頼できる人だけしか承認していません。もしかしたら、たくさんの人が集まる場所などで、さくっとつながりを持つ名人だったのかな?と勝手に予想をしています。

経歴詐称については、ちょっと前ならショーンKさんや齋藤ウィリアム浩幸さんがニュースになっていましたね。詐称をした後の叩かれ方を見ると、やっぱり嘘つくのってリスク高いよな~と思ってしまいます。

なんで詐称なんてするんでしょう?

詐称をする人の心理とは?

詐称する人たちの心理というのは、ボクにはよくわかりません。おそらく、心理学的には様々な分析がなされていたりするのでしょう。ボクにとって身近な「詐称」というのは、転職者が自分の経歴を盛る」というやつですね。

実は、ボクも「盛る」ということとは無縁ではありません。自分としては絶対にいやなのですが、どうしても頼まれてしまう場合もあります。ボクが盛られた事例としては書籍のタイトルや、帯のコメントなどです。どうしても「世界最高」とか「全社員10万人でトップ」などのあおりコメントが入ります。

「いやいや、それはちょっと盛りすぎでしょ」とこちらが言っても「とはいえ社内で最高栄誉賞を獲得したということは、社員の中で最高ということですよね。詐称ではないですし、ぜひ入れましょう」という感じで説得されてました。

考えてみたら、著名人でも何でもないただのサラリーマンが書籍出版しているわけですから、帯にはキャッチーな文言が必要不可欠なわけです。

ということで、セールスやマーケティングの観点から絶対に必要なアクションだったと自分を納得させました。

ただ、学歴であったり職歴であったりは、事実を精査すれば明らかな「ウソ」として証明可能なので、詐称は大きなリスクになります。

にもかかわらず詐称に走ってしまうのは、きっと「そうまでしてでも手に入れたいもの」というのがあるということでしょう。

あるいは、「詐称でもしないとどうしても手に入らないもの」がどうしても欲しくなってしまって、なりふり構わず、リスクを無視してでも走ってしまったのではないかな、と想像しています。

きっと、ステージ上でかっこよくプレゼンしたい、有名人と対談したい、誰もがうらやむ社名の入った名刺を持ちたい、限られた人しか入れない店に招待されたい…そういったものに魅入られてしまって、「ウソというカードを切ってしまうのではないかと思います。

どこに自分のプライドを置くか

詐称をしてしまう人たちにとって、自分自身のプライドは与えられた肩書用意された舞台に依存しているのではないかと思います。つまり、自分の外側に存在していることになります。

この考え方は、「自分をバージョンアップするという観点においては最大の敵であるといっても過言ではないかと思います。

自分のプライドは、自分の中に存在していて、自分で育てることができる状態ではなくてはなりません。そうでないと、外部環境が変わるたびに自分のプライドがリセットされてしまうからです。過去の経歴を詐称するというのは、「存在すらしないものに自分のプライドを預けてしまう」という恐ろしいことです。

ウソがばれると、プライドだけではなくてあらゆる信用が同時に失われることになります。そんなものにプライドを預けるというのは、自分の心の自殺行為ではないかと思います。ウソをつきとおすためには、複数のウソを重ねなくてはなりません。そんなものに時間や労力を使うのは、本当に無駄です。

プライドを持つことは悪いことではありません。ただ、ありもしないものにプライドを持ってしまうのは、本当に意味のないことですし、自分の人生に大きな傷をつけることになります。

結局アクションがすべて

詐称した人たちは、何をすればよかったのでしょう。

東大に行くのが自分のプライドを作ってくれるなら、本当に勉強して東大に行けばよかっただけの話です。東大入学がかなわなかったのであれば、その時点での自分の状況を受け入れるか、時間をかけてでも東大をひたすら目指す努力をすればよかったのでしょう。もし、どうしても勉強が苦手なのであれば、形を変えて活躍ができる場所や分野を探せばいいでしょう。

別にプライドを捨てろとは言いません。しかし、虚構の地位や名声に依存して、過剰なプライドを作るのではなく、あくまでも「自分のアクションその結果がすべてである、と認識することから始まるのではないかと思います。

自分をバージョンアップしていくのはすべて自分のアクションです。自分の足りないところを見つければ、不足している知識やスキルを埋めるための努力をし、それでも足りなければ人に助けを求めていいでしょう。

人に助けてもらうことはプライドが許さない、というタイプの人もいます。でも、世の中の成功者は、たいていの場合「人を頼る」名人でもあります。人を頼ることも含めて自分起点のアクションなのです。そして、人を頼って助けてもらっても、本人のプライドはビクともしません。全くの無関係といってもいいでしょう。

それよりも、生み出した価値にこそプライドを持つものであり、さらにはその結果すらも過去の成功として脳内処理をしてすぐに次の挑戦に取り組む人こそが尊敬されるべき本物の成功者となりうるのではないかと思います。

他者との比較も必要なければ、外側の肩書にプライドを寄せる必要もありません。自分は何になりたいのか、そして自分は何ができるのか、ひたすら内製していくことこそが、自分を成長させることになるでしょう。

最後に

最初に事例で出された方は、ネットの中でずいぶんと叩かれてしまって、これからの活動は大変になるだろうなと思います。でも、もしかしたら「経歴を盛ってでも上に行きたい」というパッションを別の形で昇華させれば、再び表舞台で活躍できるかもしれません。ぜひ、本物の知識やスキルを身に着ける努力をしてほしいなと思います。

このメルマガをお読みの皆さんは、ぜひとも自分を磨くアクションを惜しまないでくださいね。またお会いしましょう、では。

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