自らが過去に積み上げてきた経験は、何かを判断・決断する時に間違いなく役に立ちます。しかし、それだけで充分とは言えないのでは、とプラスアルファを提唱するのは、無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』の著者・石丸智信さん。石丸さんは今回の記事中、判断力と決断力を磨く上で大切な「経験」と「他者の視点」について解説しています。
体験、経験に関する名言から学ぶ判断力、決断力の磨き方
私たち大人も経験してきたことですが、子どもたちにとっても、これからの進路を決めるなど、大きな決断をしなければならない時期が必ずやってきますね。子どもたちに限ったことではありませんが、自分の道を自ら切り拓いていく上では、「判断力・決断力」が必要になってくるのでしょうね。
その判断力や決断力を磨いていくためには、様々な体験、経験などを集積していくことが大切なのではないでしょうか。例えば、「この場合はこう行動した」「こういったケースではこう解決した」などといった、判断する、決断する数多くの体験、経験などが蓄積していくことによって、判断力・決断力が少しずつ磨かれ、鋭くなっていくように思います。
そして、判断力・決断力が鋭い人というのは、様々な体験、経験などを蓄積するとともに、その体験・経験から多くのことを「学んでいる人」なのではないかと思います。
体験、経験に関する言葉として、福原義春氏の言葉があります。
自分の目で見、自分で体験しないと世の中のことはわからない。
「社会貢献」の大切さも自らが体験して初めて実感するのだ。
自分自身で見聴きし、体験、経験することの大切さを教えてくれる言葉ですね。自分自身が、物事を身を持って理解したり、気づいたり、感じたりする、一番の方法は、やはり、体験、経験することだと言えるのでしょうね。
自分の興味、関心のある物事を、頭で考えてみることも大切ですが、その物事の本質、核心を理解したり、気づいたりするためには、やはり、体験、経験することが大事ですね。
社会に貢献することであったり、判断・決断することが大切であることを頭で理解していても、実際に自らが体験、経験してみないと、本当の意味での大切さは分からないですね。
実際に体験、経験するからこそ、その物事の大切さを実感することができるのではないでしょうか。自分が体験、経験し、そこから学び蓄積したことが、自分の判断力・決断力などといった持ち味、可能性をもっともっと広げてくれると思います。
ここまで、自分自身が、体験、経験することの大切さについて考察してきました。自分自身が体験、経験を蓄積していくことで、判断力・決断力を磨いていくことがベースではあるものの、すべてのことを自分が体験、経験することは難しいですね。
また、自らの過去の経験だけが絶対的に正しいものでもありませんね。過去に体験、経験したことが、現在の判断、決断を誤らせることもあります。今までの体験・経験だけに頼ると、それが固定観念となって、判断力・決断力が鈍くなったり、できなくなったりするという一面もあるのではないでしょうか。
例えば、過去の成功体験が足かせとなって、今の環境に適応した判断、決断ができなくなるというお話も聴きます。そこで、自分自身の体験、経験に加えて、他の人が体験、経験したことも、自分自身の判断力・決断力を磨いていく上で参考になるように思います。
例えば、先人などが成功したことや、失敗したことなど、様々な体験・経験を書籍や講演などを通じて学んでいくとともに、自分なりに考えて、分析することによって、自分自身が判断・決断する時の参考材料になるでしょうね。
また、第三者的、素人的な視点からの考えなどに触れることによって、自分のこれまでの考えに縛られずに、これからの変化、革新に向けての判断、決断につながるのではないでしょうか。
こうったことに関連して、このような言葉があります。
人間は他人の経験を利用するという特殊な能力をもった動物である。
コリングウッド氏
自分の力の足りなさを自覚し、知恵や力を貸してくれる他人の存在を知るのもいい経験である。
本田宗一郎氏
この2つの言葉に共通しているのは、先人などの他者の体験、経験から学び、活かしていくことだと思います。これからは、子どもたちにとっても、自ら判断・決断する体験・経験を通じて、判断力・決断力を磨いていくことをベースとしながら、先人などの他者の体験・経験から学んでいくことが大切になるのではないでしょうか。
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