庶民的な街の中華屋だからこそ「餃子の王将」を倒すことができる

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中華チェーンの中にあって不動の地位を築く「餃子の王将」。その人気は他のライバル店とは比較にならないほどです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、同店の人気の理由を解説するとともに、戦略にほんの少しの改良を加えればその地位を揺るがすことができる「意外なダークホース」を紹介しています。

ライバル店が「餃子の王将」に勝つ方法

中華チェーンと言えば、「餃子の王将」。その圧倒的な強さは、他の追随を決して許しません。巨大チェーン店としては、「大阪王将」や「バーミヤン」といった、ライバルはいるものの、“人気度”という点では、敵はいません。それほど「餃子の王将」は、不動の地位を築いているのです。

その強さの秘密は、圧倒的な「コストパフォーマンスの高さ」です。餃子が1人前6個で237円。焼めし432円。ラーメン518円(価格は地域によって変わります)。安いだけではなく、価格以上の美味しさは誰もが認めています。中華が食べたいと思うと、「餃子の王将」に足を運ぶ人は多いでしょう。

では、ライバルたちはどうなのでしょうか。「大阪王将」は、「餃子の王将」の創業者の一族が始めたお店で、商標をめぐり訴訟となったこともあり、特に関西人はあまり良いイメージを持っていません。このところ店舗数を伸ばし、頑張っていますが、お客さまの評価は高くないと言えます。

「バーミヤン」はどうでしょうか。店舗の雰囲気、メニュー、味。そのすべてにおいて、「餃子の王将」を上まわります。これはあくまで私の感想なのですが、賛同してくれる人は多いと思います。しかし、価格がそれなりなのです。「餃子の王将」より安いものもありますが、大抵のものが高いのです。味と価格のバランスがちょうど良いとも言えるのですが、庶民的なお店としては高い方です。

“納得できるお店”ではあるのですが。「餃子の王将味と価格のバランスが非常に悪いのです。味のレベルからすると、もう少し高くても良いのです。これが大きな魅力となっています。いわゆる、“安くて旨いお店”なのです。日常使いのお店としては、これほど安心して利用できるところはありません。これが、「餃子の王将」の強さなのです。いまのところ、勝てるライバルは存在しないでしょう。「日高屋」「幸楽苑」というライバルもいますが、まだまだ地域が限定的で、トップには立てません。

しかし、勝てる可能性のあるお店は存在します。個人経営の中華料理店です。断っておきますが、高級中華のお店ではなく、あくまで庶民的な街の中華屋さんの話です。私も「餃子の王将」はよく利用するのですが、「旨い中華が食べたい」と思う時は、個人のお店に行きます。古くからの常連さんがいて、味は餃子の王将より数段上です。「バーミヤン」よりも、です。ところが、価格も数段上なのです。なので、日常的には利用していません。味は良いのですが、価格もそれなりのお店では、頻繁に利用するわけにはいかないのです。

もうひとつ、このお店には弱点があります。メニューが、「餃子の王将とさほど変わらないのです。これが、一番の問題です。同じような料理を食べる場合、コストパフォーマンスの高い方を選んでしまうものです。「餃子の王将」でも充分に満足できる味なので、価格を考えるとこちらを選択するのです。

やはり、「餃子の王将」には勝てないのでしょうか。いや、この個人店がメニューを見直せば、確実に勝てるでしょう。「餃子の王将にはないメニューを増やすことです。このお店でなければ食べられないメニュー。料理人の腕は確かなので、新しいメニューを生み出せば、常連さんが浮気をする回数は確実に減るはずです。大手チェーン店は、どこも同じような定番メニューばかりなので、定番メニューでは勝てません。大手チェーン店では食べられない独自のメニューが、お客さまを引き寄せるのです。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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