関係者の間で口にされており、Twitterにも投稿されている話を総合しますと、次にようになります。
「横浜市金沢区福浦にある横浜ヘリポートでは、強風で格納庫のアルミ製のシャッターがめくれ上がり、そこから大量の海水が流入した結果、ヘリコプター(はまちどり2)の計器板から下のあたりが水浸しになり、取り外して使えるのはエンジンとメインローター、テールローターくらいになってしまった。これを元通りにすることになれば新品を導入するのと同じくらいの費用となり、平成27年6月に導入した新しい機体ということもあって、横浜市では新品に更新すべきかどうか悩んでいる」
高知県と横浜市のヘリはともにイタリア・レオナルド社製のAW139。価格は、今年9月から運用を開始した静岡県のもので25億9200万円、もろもろを含めると28億円ほどの機材とされています。それでも、これは天災ですからしかたのないことだと思います。
横浜市が「誤魔化している」と関係者から疑われているのは、あたかもヘリが被災していないようなふりをして、飛行できないことを公表しているからです。
はまちどり2が被災した情報は、既に台風15号の被害が出た数日後には関係者に共有されていました。しかし、横浜市消防局は9月14日の段階で2019年度に実施するヘリコプター離着陸訓練の予定を発表したのです。
関係者からは、「よかった、被害が軽かったんだ」という声が上がったのはもちろんのことです。ところが、10月1日になって横浜市消防局は「消防ヘリコプターの点検・整備のため、今年度の訓練をすべて中止」と発表したのです。
これ、なんだかおかしくありませんか。たしかに、「点検・整備のため」という言い方は間違いではないのですが、飛べないほどの点検・整備であれば前もってスケジュールに組み込まれており、9月14日の段階で訓練計画を発表することなどありません。これを関係者は「誤魔化している」「被災隠しだ」と疑惑の眼差しで眺めているのです。
事情はどうあれ、横浜市民の生命に関わる高価な機材です。そのうちの1機が飛べないのであれば、高知県がしたように、きちんと情報を開示すべきではないでしょうか。
それとも、はまちどり1だけで用が足りるというのであれば、横浜市民の1人として、納得いく説明が欲しいところです。(小川和久)
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