消費税が10%となり、財布のヒモが一段ときつくなる中、消費の冷え込みが懸念されています。売り手側としては、何とか商品を手に取ってもらおうと価格の値引きを行ってしまいがちです。それはビジネスの面でも同じ。少しでも売り上げを上げようと、サービスや商品の価格引き下げをしてしまうのです。しかし、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんは、その判断に異議を唱えます。では何を重視すべきなのでしょうか?安易な値下げではない、売り手側やサービスを与える側が考えるべき、その本質に迫ります。
ニーズのある人になる
商品を購入して頂く。仕事を依頼される。サービスをご利用頂く。そのためには「その必要性」を伝えること、「お客さまのニーズはうちにありますよ。」と伝えるということ。これが重要だと言われています。
確かに、そうですよね。なぜなら、お客様は「商品やサービスを選ぶ判断基準」を分かっていない場合が、結構多いですから。なので、最も簡単な「価格」で判断をしています。
そして、そのことを解っていない売り手は、お客様に選んで貰うために本来値引きしなくても良い(値引きしたくない)商品までツイツイ値引きをしてしまいます。そうなると悲劇。値引き競争の世界に自ら飛び込んでいくことに…。
それは、まっとうな商売人、ビジネスマンのやることじゃありません。なぜなら、商品価値、会社の価値、お店の価値を下げてしまうからです。そこで、
- なぜその商品が必要なのか?
- なぜそのサービスが必要なのか?
- なぜ他ではなくあなたの店でなければならないのか?
- なぜ他ではなくあなたの会社でなければならないのか?
- なぜ他の営業マンや担当者ではなく、あなたでなければならないのか?
これらには、必ず「○○だから…」という明確な答えがあります。その答えには、価格だけではない製品やサービスなどを選択する判断理由があります。それがお客様にとって、その商品あるいは会社、あなた自身の必要性、ということになります。そして、その○○は、お客様にきちんと聞けば案外スッと分かるものなのです。
「そうか、お客さんに聞けば…」なんて、小手先のテクニック的に捉えないで下さいね。そんなテクニックの話をしているのではありませんので。ですから、如何に小手先では通じないかを知って頂くためにもここからは、もう一歩深く突っ込んでお話します。
確かにお得意様や上得意のお客様に聞けば、好意的な理由というのをいくらか教えてくださるでしょう。例えば…
「いやぁ~おたくはいつも気が利くし…」
「提案してくれるものにハズレなんてないしね」
「おたくの店はよそより和むんだよね」
など。しかし、お客様、誰もがそうではありません。
私の事例で恐縮ですが、コンサルティングをさせて頂く場合、ある会社にとっては、「中久保さんが必要です」と言って下さる場合もあるし、逆に「うちには不要です」と言って下さる場合もあります。これは別に不要と言われて悪い事でもなんでもなく、必要な人もいれば必要としない人もいる、というだけの話。
お客様には…
- YESの場合は、YESの理由
- NOの場合は、NOの理由
を聞くようにします。この両方を聞く事によって、何が分かるのか?というと、【必要とされている対象、必要とされない対象が明確になる】ということ。さらに…、今現在、必要とされていないだけなのか?今後も必要とされないのか?が分かります。面白いように分かります。
で、これが分かると、新規開拓などの営業で絞り込みをする際、ただ単に「○○の年代」「女性か男性か」「どこそこの地域」なんて抽象的なことだけでなく、自社商品の本質とお客様の購買意欲の本質を知った上で絞り込むことができるようになります。
さらには…今は必要とされていない対象も、将来のお客様と考えた場合、【必要とされるようになるには?】を考えるようになります。そして、そうなる為のスキルを磨いたり、新たな商品やサービスを考えてみたり、製品やサービスのクオリティ向上に勤めたり、などとステップアップしていきます。
正直、決して一朝一夕で出来ることではありません。日々、お客様のことを考えて、コミュニケーションを取り続ける、実践を繰り返して体感していくことが何より重要となります。ですので、
- 売りたいが為についつい安売りしてしまう
- お客様にとっては、無料でもらっても仕方のない特典をつけてしまう
- 広告やチラシで、煽るだけ煽ってしまう。なんでもかんでも限定してしまう
- 「そこのところをなんとか我が社に・・・」とお願いばかりしてしまう
こんなことにならないためにもぜひ【必要とされるには?】を常に考えてみましょう。さらには、商品やサービスだけでなく、会社・お店はもちろんのこと、それ以上に【自分が必要とされるには?】を常に頭に置いて行動してみましょう。
■今日のまとめ
「必要とされるには?を考え、行動する」
- 必要とされるには?普段からどのような姿勢・態度・行動を取るべきかを考えて、書き出す
- 社内でも話し合う
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