処分品を「特価品」と銘打ち大儲けする発想を導いた「質問の力」

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「なぜ~なのか」、「どうすれば~が出来るのか」といった思考法に助けられ、成功へと繋がった例は数多く見られます。そんな、世紀の大発見や画期的イノベーションの原動力ともなった「質問の力」の重要さを訴え続けているのは、現役弁護士の谷原誠さん。谷原さんは今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』でも、実際の成功事例を挙げながら、自分の目標への「質問」がいかに効果的に働くかを解説しています。

大発見、イノベーション、富をもたらす質問

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

ビタミンCを発見したアルバート・セント・ジェルジは、「天才は、誰もが見ているものを見て、誰も考えたことのないことを考える」と言っています。

リンゴが落ちるところは誰もが見ています。しかし、「リンゴはなぜ落ちるのかを考える人はいません。せいぜい「そろそろ食べ頃だな」などと考えるのが関の山です。リンゴが落ちてこない時、「どうせあのリンゴは酸っぱいのさ」と考えるのは、イソップ寓話のキツネです。しかし、ニュートンは、違いました。

「なぜリンゴは落ちるのか。なぜ葉っぱは落ちるのか。それに引き替え、星や太陽はなぜ落ちないのか」

ニュートンは自分に対してそのような質問をし、万有引力を発見しました。ここでニュートンを万有引力の発見に導いたのは、質問力です。前提を疑い、色々な角度から、様々な質問を投げかけるのです。

人間は、質問をされると、その質問に答えるために頭をフル回転させます。そして、解決しようとします。この質問に答えようとする必死のフル回転が新しい発想を生み出すのです。

アメリカ最大の小売業「ウォルマートを一代で築き上げたサムウォルトン氏は、商品を少しでも安く仕入、少しでも安くお客様に提供することに頭を悩ませていました。そして、質問を繰り返します。

「どうやったら商品を安く仕入れられるだろうか?」
「この商品をもっと安く仕入れる余地はないだろうか?」

すると、商品の中には、メーカーが製造を打ち切ってしまった処分品や、不良品などがあり、それらはかなり安く仕入れられることに気づきました。

ウォルトン氏は、質問します。

「この安く仕入れた商品を、お客様に気持ちよくご購入いただくには、どのようにしたらよいだろうか?

そして、ウォルトン氏は、それら不良品を特価品と名付けて販売を開始し、飛ぶように売れたといいます。単なる言い方の違いですが、買う側にとってはずいぶんと違います。それに、「不良品」とは、メーカー側の都合で言っているだけで、消費者はさしたる不便はないのです。

このように、自分の目標を決め、それに向かって質問し続けることで、自分の思考の壁を破ってゆくことができます。

シルクドゥソレイユといえば、サーカス業界の常識を打ち破った会社です。サーカス業界のガリバーであるリングリング・ブラザーズ&ベイリー・サーカスが100年以上かけてようやく到達した売上高を、わずか20年たらずで達成してしまいました。

サーカスは、もともと子どもをメインターゲットにしたエンタテインメントです。大人達は、子どもに見せるためにサーカスを観に行きます。しかし、シルクは、この前提を疑い、質問をしました。

「私たちのパフォーマンスは、どのようにしたら、これまでサーカスの顧客ではなかった大人達に喜んで観てもらえるようになるだろうか?

そして、シルクは、大人を喜ばせるパフォーマンスを開発し、一気にサーカス業界を駆け上がったのです。

このように、質問は大発見をもたらしイノベーションをもたらし富をもたらしてくれます。質問力を磨かないのは、もったいないですね。あなたは、質問力を、どの方面に活用したいですか?

質問に興味がある方は、ぜひ、この本を読んでみてください。

人生を変える「質問力」の教え』(WAVE出版)

今日は、ここまで。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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