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女性が男性に求める年収500万は高望み?結婚できない男女の理由

晩婚化や非婚化、ライフスタイルの多様化などの現状から、政府が50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」の名称を「50歳時未婚率」に変更したことを日本経済新聞東京新聞などが伝えています。

東京新聞によると、1985年まで男女共5%未満だった「50歳時未婚率(生涯未婚率)」は、2015年に男性23.37%、女性14.06%に上昇。平均初婚年齢も男性31.1歳、女性29.4歳と年々上がっています。

価値観が多様化したいま、「結婚」という選択をすることが全てではありません。しかし、「結婚したいのに、男性側の年収の低さがネックになっている」という声もよく聞かれます。

それではいったい年収がいくらあれば結婚に踏み切れるのでしょうか。また結婚を阻む要因は本当に年収にあるのでしょうか。結婚式の席次表を作成販売するMakeSmileが実施した「女性が結婚したいと思う男性の年収」に関する調査の結果から見ていきましょう。

女性が男性に望む年収

子どもが欲しいなら年収500万円以上必要?

第1位の500万円以上を選択した女性の意見としては、「子どもを育てていくのに、生活費や住居費などと合わせて、教育費も結構かかるので、最低でも500万ぐらいは欲しい」「子どもを産んだときのことを考え、この年収なら普通の生活+貯蓄ができそうだから」「共働きでなんとかやっていける金額だと思うから」「高望みすると結婚できなくなるから」「それ以下だと将来のために貯金する余裕がないと思う」といった意見が多く、子育てをしていくうえでこれくらいは必要という意見や将来のために貯蓄できる金額という理由が要因となりました。

共働き前提なら年収400万円以上

第2位の400万円以上を選択した女性の意見としては、「自分も収入があるので、ふたりで余裕を持って生活できる最低限だと思った」「共働きならこれくらいでいいと思う。ただ年齢による」「私自身も仕事をするので、そんなに高収入でなくてもいいから」「無さすぎてもありすぎても人間の質的によくないなと思いました」といった意見が大半を占め、共働きをするから、金銭感覚が近そうというコメントが多くありました。

なかには、「多ければ多いほど生活面での安心はあるかもしれない。しかし、あまり年収がありすぎると仕事が激務でなかなか家にいなかったり、外で散財してくる可能性もありそうなので、自分も働く前提で400万~にした」といった意見も。

逆に同率6位の年収は気にしない女性の意見としては、「年収よりも心が大事」「性格が大切だと思うから」といった男性の内面について述べた意見となっていました。

年収以外に結婚相手に求めるもの

女性が男性に望む年収以外に、結婚相手に何を求めるかについても見てみましょう。

第3位の600万円以上を選択した女性の年収以外に結婚相手に何を求めるかとしては、「性格のよさ」「家事育児に協力し、大切にしてくれる姿勢」「学歴。自分と同じかそれ以上の学歴は欲しいから」「顔の良さ」「尊敬出来るところがあるかどうか」といった意見があり、多岐にわたっています。

第4位の300万円以上を選択した女性の年収以外に結婚相手に何を求めるかとしては、「優しさ、礼儀正しさ、堅実さ、素直さ」「優しい、一緒にいて気楽に過ごせるか」「優しさ、相手を思いやる気持ち」「本当の価値観が分かる人。自分の家族・友人・知人以外の他人や弱者にも優しい人」といった意見が多く上がり、優しさなどの内面を重視した回答が多く見受けられました。

年収よりも、家庭参加してくれるかどうか

今回の結果から、女性が結婚相手に求める年収の平均値は400〜500万円以上ということがわかりました。この額は、国税庁の民間給与実態調査による日本人の平均年収441万円(男性545万円、女性293万円、平均年齢46.4歳、勤続年数12.2年)と比べても、それほど高いという訳ではありません。

では女性たちが高望みしていないのに、なぜ50歳時未婚率(生涯未婚率)は年々高まっているのでしょう。調査のコメントを見ると、女性たちは「共働き」を前提にしています。共働きをするために、家事育児の分担ができる人を結婚相手に求めているけれど、結局のところ女性ばかりに家事育児が強いられている社会の現状、あるいは男性側の意識がその要因になっているのかもしれません。

総務省の「平成28年社会生活基本調査—生活時間に関する結果-」でも、子どもがいる共働き家庭の夫が1日のうちに家事と育児に費やす時間は31分、妻は4時間22分ということがわかっています。

男性個人の意識の問題もあるでしょうが、企業の長時間労働や未だ残る「男性は仕事優先が当たり前」というジェンダー意識を変えないことには、男性の家庭不参加が続き、ますます結婚できない人が増えていくかもしれません。

50歳時未婚率(生涯未婚率)が高まっていることの原因を「年収」や「雇用形態」ばかりにするのではなく、真の意味での働き方改革や意識改革を推し進めていく必要性を今一度、検討してみるべきでしょう。

Source:PR TIMES
Image by:shutterstock

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