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出社強要、罵声と嫌がらせ。インフルエンザ・ハラスメントの実態

今、「インフルエンザ・ハラスメント」というワードがにわかにネットを賑わせている。インフルエンザが完治する前に出勤を強要される、あるいはインフルエンザなのにそもそも休めない~など、インフルエンザにまつわるある種パワハラのような行為を指す言葉だという。ある調査で、社会人の約20%が完治前に、また約3%が休みを取らずに出勤していた-という衝撃の現状が明らかになったと産経新聞が伝えている。インフルエンザをめぐっては今月上旬、インフルエンザで高熱があった「はとバス」の運転手が死亡事故を起こしたばかり。インフルエンザが猛威を振るっている今、この「インフルエンザ・ハラスメント」は他人ごとではないかもしれない。

インフルエンザ・ハラスメントの信じられない嫌がらせ

国立感染症研究所の発表によると、2019年第50週(12月9日~12月15日)の間に全国およそ5000の医療機関を受診したインフルエンザの患者は7万7425人。これをもとに推計した全国の患者数は、およそ53万5000人となり、前の週からおよそ21万人増えたという。これは昨年と比べて6倍の数で、依然としてインフルエンザの流行が収まる気配はなさそうだ。

インフルエンザにかかってしまった場合、「発症後5日、解熱後2日」が経過してからが登校や出勤の目安とされている。復帰するまでは一週間が必要なのだ。それにも関わらず、産経新聞によると、ある調査で社会人の約20%が完治前に、また約3%が休みを取らずに出勤していたという衝撃の実態が明らかになったという。

では具体的に「インフルエンザ・ハラスメント」にはどんなことがあるのか?調べてみると様々な言葉や態度があるようだ。いくつかピックアップしてみよう。(出展:養命製造酒株式会社調べ

「数年前インフルエンザに感染、熱は予防接種をしたためあまり出ず、職場から『熱がないならこれるよね』と言われた。しっかり病院から言われた日数は休みました」
「仮病じゃないの?と言われた」
「休まれてみんなが迷惑しているんだけど」
「なんならこのままずっと休むか?」
「車内に感染を広めるつもりか」
「出社したら一日中嫌味を言われた」

どれも結構な嫌がらせに聞こえる。もはや立派なパワハラだと言えそうだ。高熱で体が弱っている時に、このような言われ方はかなりきつい。しかし、「インフルエンザ・ハラスメント」はこれだけではない。もっとひどい仕打ちを受けた人が多数いるという。

インフルエンザなのに一日も休まず出勤

インフルエンザが大流行している今、にわかにネットを賑わせている「インフルエンザ・ハラスメント」。信じられないかもしれないが、「休みたいと連絡したら、上司に『評価が下がる』と言われた」「すぐに出社しろと怒鳴られた」などという罵声を浴びせさせられる人が後を絶たないという。

先述の調査によると、インフルエンザにかかった122人に、感染した際の勤務状況について尋ねたところ、22.1%が「完全に治る前に出勤した」と回答。このうちの3.3%は「休まずに出勤した」と答えていたそうだ。

産経新聞によると、労働問題に詳しい弁護士の話として、インフルエンザに感染したにも関わらず、休まず出勤させる出勤強要が明らかになった場合、会社は労働契約法や労働安全衛生法違反に問われる可能性があるという。もちろん、インフルエンザにかかってしまったことを執拗に叱責する行為は、パワーハラスメントとして社内処分の対象となる可能性もあると指摘している。

つい先日、大相撲の十両・貴源治がインフルエンザに感染しているにも関わらず、冬巡業の取組で相撲を取るよう日本相撲協会関係者から指示されていたことがわかったというニュースを報じたが、これも「インフルエンザ・ハラスメント」といえるのではないだろうか?(『インフルの猛威知らぬ相撲協会に批判殺到。感染力士に取組を指示』まぐまぐニュース12月23日

まだまだ終息の様子を見せないインフルエンザ。年が明けたとしても、この流行はまだ続くだろう。そんな状況の中、「インフルエンザ・ハラスメント」というワードがネットでも踊るようになり、ユーザーもいち早く反応。その実態に驚きの声が挙がっている。

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image by:Shutterstock

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