MAG2 NEWS MENU

2名死亡の新型肺炎、迫る中国の旧正月。日本の対策は万全か?

中国・武漢市で発症が相次ぎ、2人目の死亡が確認されている「新型肺炎」。日本でも、神奈川県在住の中国人男性からの発症が確認されている。新型コロナウイルスは、武漢市の海鮮市場で扱われていた動物から感染した可能性が指摘されていたが、武漢市当局は「ヒトからヒトへの感染の可能性を排除できない」との見解を示したと、産経新聞朝日新聞などが報じている。

ヒトからヒトへの感染は

患者が多く出入りしていたとされる武漢市の海鮮市場だが、今回日本国内で感染が確認された男性は立ち寄っていなかった。しかし、今回の新型コロナウイルスを関係しているかは不明だが、現地の方と現地で生活していた可能性がある。また、別の肺炎を発症した夫妻のうち、夫は海鮮市場で働いていたが、妻は市場には行っていなかった。このことから、ヒトからヒトへの感染のリスクは極めて低いが「ある」との見解が示された。コロナウイルスは、咳などを通じて飛沫感染しやすいウイルスといわれているため、外出中のマスクの着用や外出後の手洗いうがいなどは徹底して行ないたい。

検疫をすり抜けた新型肺炎

厚生労働省は昨年12月以降、国内の検疫体制を強化していた。サーモグラフィーを用いた発熱確認に加え、武漢市からの入国者に対しては、発熱や咳などの発症がある場合は自己申告するよう促していた。しかし、日本国内で感染が確認された中国人男性は帰国時に解熱剤を飲んでおり、検疫をすり抜けられた。

危機感のない現地の様子

無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』の著者で上海在住の日本人ジンダオさんからの情報によると、武漢に出張した方から聞いた話として、現地に暮らす人たちは新型コロナウイルスについて関心が非常に低いようだ。まず、マスクなどの対策はしておらず、人口に対して被害者の数が少ないからか、街はいつも通りの様子。今回の件についてたずねても「なぜそんなに騒いでいるのか?」といった反応だという。特に武漢市以外の地域は、身近に発症者がいないことなどから、大変な事態である実感がないようだ。

関心の低さが如実に現れているのは、中国のネットニュースランキングである。TOP20のランキングの中で、「日本で新型ウイルス発見」といった記事が、なんと19位なのである。世界を震撼させた「SARS」が流行したのは2003年のこと。現在30代の中国人は、当時のことをよく覚えておらず、危機感もあまりないという。「SARS」騒動の当時、現地に駐在していた日本人も他人事のように思っていたのかもしれない。

大量来日が予想される春節

今月下旬には、中国の春節(旧正月)が迫り、訪日旅行者の増加が見込まれている。日本政府観光局によると、2018年の春節期間には約716,000人が、2019年の春節期間には713,600人もの中国人が来日している。これ以上感染を広めないためにも「水際対策」の強化が必要不可欠ではないだろうか。

Twitterの声






※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source:産経新聞朝日新聞日本政府観光局

image by: Maciej Zarzeczny / Shutterstock.com

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け