15歳から25歳の「Z世代」という若者たちを自社の顧客にする方法

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15歳から25歳までの、いわゆる「Z世代」と呼ばれる若者たち。彼らを自社の顧客にするためには、どのようなマーケティングが必要なのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、具体例を上げながらその方法を考察しています。

Z世代とスポーツショップ

「Z世代」という言葉をご存知でしょう。1990年代後半以降に生まれた世代を言います。おおよそ15歳~25歳の若者ということになるでしょうか。Z世代の前の世代は「ミレニアル世代」です。1981年~1995年前後に生まれた人たちを指します。25歳~30代後半ということでしょう。

この2つの世代の内、スポーツショップにとっての中心顧客となるのはどちらでしょうか。一般的なお店は中学生・高校生を主なお客様にしてきていますので、Z世代の方が中心顧客だと言えます。では、このZ世代の人たちにはどんな特徴があるのでしょうか。それが分かっていないと、うまくお客様として取り込むことは出来ません。

ミレニアル世代は、生まれたときからデジタル技術の進歩の中で暮らしてきました。デジタル技術を当たり前のように取り入れる世代です。一方、Z世代もデジタル技術が当たり前の中で育ってきましたが、ミレニアル世代との違いは「スマホ」にあります。つまり、Z世代はスマホのある暮らしの中で育ってきています。スマホが当たり前の世代です。ですから、パソコンを使えない人も現れています。そして、どちらの世代もデジタル空間から情報を取り入れる能力が高いです。デジタルを空気のように扱っています。

ところが、この世代は同じように見えても、ものごとのとらえ方が少し違うようです。おおざっぱに言えば、ミレニアル世代は、モノ余りの環境の世代ですから「コト」に興味を移しました。また「つながり」や「シェアをし合う」というのも特徴です。そして、Z世代も同じような特徴を持っていますが、大きく違っているのが「環境問題」への意識の大きさだと言われています。

そうです。世界は「環境問題」への意識が高まってきています。Z世代はその影響を受けているのです。あの、スウェーデンの17歳、グレタ・トゥーンベリさんはその象徴ではないでしょうか。つまり、私が言いたいのは、スポーツショップもこれからはそうした世代の人たちが主要なお客様になっていくということです。

スポーツ業界の環境対策

ということは、スポーツ用品業界も「環境問題」に配慮した商品やサービスが必要になってくると言えます。では、現在スポーツ用品業界では、どのように環境への配慮が行われているでしょうか。

メーカーさんの工場では、地球温暖化への対策として二酸化炭素の排出を抑える対策を施しています。産業廃棄物を減らすことも対策の一つでしょう。商品開発にもその努力が見られます。例えば、以前にもご紹介しましたが、アディダス社の「パーレイコレクション」がそうです。回収したペットボトルを再生した繊維や樹脂でシューズやウエアを作っています。しかも、プロのチームや選手がそれを使っているのです。また、使用済みのスポーツウエアやシューズを回収して、製品化もしています。

そして、アディダス社のオフィスではペットボトルの使用が禁止されているそうです。環境問題に配慮するスポーツメーカーとしては、先頭を走っているのではないでしょうか。もちろん、ナイキ社やアシックス社など、他のメーカーさんも環境問題に取り組んでいます。素晴らしいことです。

では、その一方で、スポーツショップの環境問題への取り組みはどうでしょうか。今のところ、大きな動きにはつながってはいないようです。しかし、小売店さんはお客様と近いところにあります。つまり、環境問題に敏感なZ世代が目の前にいるのです。それなのに、環境問題への配慮を訴えないのはどうかと思ってしまいます。

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