楽天モバイルの料金プランは「3月3日」に発表――高額ローミング料金を回避するには「Google Fi」を見習え
2月13日に行われた楽天の決算会見で三木谷浩史社長が楽天モバイルの料金プランについて言及した(Galaxy S20発表会取材の帰国日だったため、取材にはいけず。以下、メディア報道から引用)。
料金プランの発表は3月3日に行われる。気になる中身については「日本の携帯電話料金が高いとともに、データの使用量も先進国のなかでは少ない。とにかくわかりやすい料金設定にしたい」(三木谷社長)という。
先日、楽天モバイルショップの恵比寿店がオープンした際には、無料サポータープログラムユーザーの平均が月に15GBだったと発表があった。当然のことながら、料金プランは15GBを超えた設定値になるのではないか。
2月から2次募集の無料サポータープログラムで利用しているが「My 楽天モバイル」のサイトを見ると「100GB無料プラン」という設定表記になっている。しかも、海外で利用するローミングも、この100GBから減っていく設計だ。シンプルでわかりやすく、しかも大容量で安いという三木谷社長の言葉から察するに「100GBでいくら」という料金プランだけで攻めてくる可能性もありそうだ。3,000円ぐらいで100GBが使えるとなれば、かなりのインパクトがあるのではないか。
ただ、ローミングパートナーであるKDDIの高橋誠社長が「大容量プランをメインにしてauのローミングエリアに入ると非常に高額な……いや高額なって言うと違うな。データ量に応じたローミング料が発生するため、大容量プランには来ないかなと内心思っている」と語っているだけに100GBというのは現実的ではない。もしauエリアで100GBを使われれば、楽天はKDDIに対して1GB500円、計5万円のローミング料を支払わなくてはならない。
楽天は、なぜこんな高額な条件を飲んでしまったのか。もうちょっと交渉の余地はなかったのか。楽天はKDDIだけと契約するからいけないのだ。
例えばグーグルのMVNOサービス「Google Fi」のように、アメリカ国内ではT-MobileとSprint、U.S. Cellularの3つのネットワークにローミングするという方法もありだったのではないか。仮に楽天モバイルのエリアでないところではKDDIもしくはNTTドコモのどちらかにローミングするという方法であれば、KDDIも1GB500円なんて条件にはしてこなかっただろう。
総務省は楽天モバイルを本気で第4のキャリアとして育てたいのならば、NTTドコモとKDDI、さらにはソフトバンクにもローミングさせるような条件をいまからでもつくるべきだ。そうすれば、楽天モバイルは「どこよりもつながる最強のキャリア」になるし、高額なローミング料金からも開放され、安価な料金プランを設定できるはずだ。
総務省は楽天に電波を割り当てただけで仕事を終えた気になっていては困る。楽天モバイルの事業を継続できるよう、いますぐにでもローミング対策を打つべきだ。
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