ヒントがある
それはともかく、ネットショップの価格攻勢が業界に一つの危機意識をもたらしました。メーカーさんにとっては、大切な商品を安く売られるのはたまりません。そこで「定価販売」を政策にしました。その結果、お店は「定価でも売れる」と感じ始めたのです。すると、今以上に売上も利益も上がっていきます。これは今回ご紹介したお店だけではないでしょう。「定価販売」をうまく活用したお店は、いい結果につながっているはずです。
では、この状況は今後も続いていくでしょうか。私は、ぜひ続いていって欲しいと思っています。そのためにはどうしたらいいでしょう。こう考えます。お店は、メーカーさんの政策だけに頼っていてはいけません。今回の政策から得られるヒントを、お店の販売に活かすことが大切です。
例えば、「定価で販売できる商品を増やす」ということが一つのヒントになります。今のお店の中で、定価にしても売れる商品はないか、一度真剣に探してみてください。探せば、たくさん見つかるはずです。そして、現在販売している商品を定価で売ることに抵抗があるのなら、次に入荷する新製品から定価で売るという方法もあります。
また、「他のお店と同じものばかりを売らない」ということを、今回の話の中からつかめないでしょうか。いえ、今までと違ったブランドや違う競技商品を扱うということではありません。「同じもの」なのに「同じものではない」売り方は考えられませんか。
例えば、「セット販売」はいかがでしょう。野球グローブに、店舗オリジナルグッズをつけてパッケージ販売をしたり、テニスラケットに、加工修理回数券などを組み合わせて売るといったことです。アイデア次第で、同じ商品が他のお店とは違った商品になります。そうすれば、客単価も高くできますし、粗利も高くなるはずです。
ともあれ、何でも1~2割引きにしなければ売れないという慣習から早く抜け出したいものですね。
■今日のツボ■
- 割引をしないで定価販売をすれば、売上も利益も伸びる
- 割引をしなければ売れないというのは思い込みである
- 定価で売れる商品を増やして、業績に反映させる
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