新型コロナウイルス感染拡大を受け、7日にも出される見通しの緊急事態宣言。そんな中、ツイッター上では「東京脱出」「コロナ疎開」というハッシュタグが拡散されている。「東京脱出」とは文字通り、東京に住んでいる人が、地方へ移動すること。「コロナ疎開」もほぼ同義で、感染症が拡大する都市部から地方へ向かうことをいう。しかし、これがウイルスを地方へ運んでしまうのではないかと心配されている。
「東京脱出」「コロナ疎開」はとにかく危険
「東京疎開」や「コロナ疎開」にはいくつかのパターンが考えられる。首都圏から実家や地元へ帰省する人、別荘などの別宅でしばらくの間生活する人、ホテルやキャンプ場などで過ごす人などが想定される。
その内、朝日新聞ではいくつかの事例を挙げてその危険性を指摘している。
「東京脱出」SNS拡散中 新たなクラスター生むおそれ
https://t.co/z7CRFf7lBW#新型コロナウイルス 拡大による #緊急事態宣言 が出されるとの情報が流れ、 #東京脱出 というハッシュタグが拡散しています。新たなクラスターを生んでしまうおそれも否定できず、専門家は注意を呼びかけています。 pic.twitter.com/mLzHadcBQ3
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) April 6, 2020
静岡市では3月末、家族4人の感染が確認された。東京都に住む10代の女子学生が同18日から帰省。女子学生は24日に東京へ戻った後、4月1日に感染が判明したという。母親の40代看護師が勤務する市立静岡病院では、濃厚接触者とされた患者や同僚らがPCR検査の対象となった。
一方、佐賀県では3月末に東京都から帰省した30代の女性が、祖母宅に滞在中に発症。今月4日に感染が確認され、70代の母と80代の祖母も同5日にそれぞれ感染がわかった。秋田県でも東京都から帰省した専門学校生の10代女性と母親で看護助手の50代女性、50代の父親の感染が判明している。
緊急事態宣言が出されれば、「東京脱出」「コロナ疎開」が加速することが予想される。しかし、病院数が多い東京などの首都圏とは異なり、地方は医師が十分にいなかったり、ベッド数が少なかったりと、医療体制が脆弱なところが少なくない。
首都圏からウイルスを地方に運び、そこで広げてしまえば、新たなクラスター(感染者集団)を生んでしまう恐れもあり、専門家は注意を呼びかけている。