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現金の一律給付案に安倍首相「議員の収入は影響なし」発言が物議

安倍首相は7日、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を発令し、会見を行なった。「医療提供体制がひっ迫している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」として、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県の住民に対し、5月6日までの1カ月間外出自粛を要請した。

国民への「補償」は十分だと言えるのか?

会見では緊急経済対策についても言及。イベントなどの中止・延期要請、夜の街での自粛要請などによって影響が及ぶが、「損失はその業界に止まるものではない」として「個別に補償していくということではなく、困難な状況にある皆さんに現金給付を行ないたい」とした。また、収入が減少した世帯への現金30万円の給付について「自民党にも一律で給付すべきという議論があった」と明かした上で「本当に厳しく収入が減収した人たちに直接行き渡るようにしたいと考えた。なるべく早く補正予算案を通していただき、5月に直ちに出ていくようにしたい。今回スピードも重視した」と述べた。

昨日、弊サイトでも報じたが、現金給付の対象者となる世帯はあまりに少ない。支給の条件が厳しすぎるため、これでは必要としている人に行き渡らないのだ。安倍首相は「なるべく早く」「スピードも重視した」とした結果、「5月に出ていくようにしたい」と述べているが、申請手続きは複雑で時間がかかる。ちなみに年収約810万円以下の成人に1人約13万円、17歳以下の子どもには約5万4000円の現金給付を決定したアメリカは、本人がサインした小切手を銀行に持っていくだけですぐにでも換金できる。

安倍首相「国会議員の収入に影響ない」発言が物議

安倍首相は、一律給付について、東京新聞・中日新聞の後藤記者の質問に答える形で、

「例えば私たち国会議員もそうですが、公務員も今、この状況でも全然影響を受けていない、収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなのだという点も考えなければならないのだろうと思います」

と発言した。

国会議員や国家公務員には必要ないと思うのなら、まず対象者から除外すれば良いだけの話。アメリカでは先述の通り、給付対象者を「年収約810万円以下」と区切り、幅広い対象者を設定している。支給上限額を設け、所得で対象者を線引きし、給与が減った分を補償するだけでも救われる国民は増える。これほど容易なことであるのに、なぜ日本ではできないのか疑問が残る。この首相の発言について、ネット上では批判の声もあがっている。

※現時点での日本の対応については、政府の現金支給対象者に関する見解を示した下記サイトをご参照ください。

生活と雇用を守るための支援策(首相官邸)

おぎやはぎ矢作「払いたくないんでしょ」

俳優の坂上忍(52)は8日放送のフジテレビ系「バイキング」で「こういう時にこの程度の使い方しかしてくれないのかと落胆する人が多い。国難といいながら、我々から徴収したお金をこういう風に使うのか」と怒りをあらわにした。同番組に出演していたおぎやはぎの矢作兼(48)は「それぐらいにしか払いたくないんでしょ」と斬り、「違うところ(国)でできるのになんで日本でできない?」「出さないんだよな。親戚にもいるよな、ケチなやつ」と批判した。また、矢作の相方である小木博明(48)は「(自分が支給対象者となるのか)普通に見てわからない。こんなに難しいと、騙そうとする。今ごろ詐欺グループも会議してんじゃない?」と話した。

また、生活経済ジャーナリストの和泉昭子氏は「ドイツは給付金申請から3〜4日で振り込まれる」と明かし、「ありがたいと思った。普段税金払っていて良かったなと思ったと言っていた」とドイツ国民の声を紹介。政治評論家の有馬晴海氏は「がっかり」と述べ、安倍首相がリーマンショックの際に一律支給した際のデメリットを理由に一律支給をしないことについて「いいところだけ取ってやろうと思えばスピーディにできる」と批判した。

国民を救おうとしない政権の姿勢に厳しい声

安倍首相は会見で「努力を重ねても、都市部を中心に感染者が急増しており、病床数は明らかに限界に近づいている。医療従事者の肉体的、精神的負担も大きくなっており医療現場はまさに危機的な状況だ」と指摘。緊急事態宣言発令について「医療提供体制がひっ迫している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」と述べた。

その上で「国民の行動を変えることが大切だ」と不要不急の外出を自粛するよう訴えたが、企業も個人も補償なしでは協力したくてもできない人たちが大勢いるのが現状である。なぜなら、私たち庶民は1カ月後、いや明日の生活さえままならない状況に追い込まれるかもしれないからだ。

我々は、生きるために仕事を続けざるをえない。場合によっては、明日も「満員電車」に乗らなければならないだろう。そして、「自粛要請」と「補償」はセットでなければならないことは、首相をはじめ政府関係者もわかりきっているはずだ。それが実感できないのであれば、毎日満員電車に乗り、出社の自粛が決断できないほど困っている中小企業の経営者たちの声に耳を傾けてみると良いだろう。一般庶民からあまりにもかけ離れた感覚の持ち主ばかり中枢にいる安倍政権が、私たちの気持ちに寄り添う政策を打ち出す日はやってくるのだろうか。

Twitterの声











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source: BuzzFeedNHKバイキングANNnewsCH

image by:首相官邸HP

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