新型コロナウイルスの流行拡大を受けテレワークに踏み切る企業が増えていますが、自宅等ではなかなか集中できないという声も多く聞かれます。そんな中で注目を集めているのが、持ち運び可能という集中デスク「SEREN desk(セレンデスク)」。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』ではMBAホルダーの青山烈士さんが、独自のノウハウに支えられたユニークな製品を展開する企業の戦略・戦術を、詳細に分析しています。
ビジネスパーソンのパフォーマンス向上に役立つ
今号は、テレワークの味方となるツールを分析します。
● 組み立て式防音室や船舶用防音壁などを製造する「谷水加工板工業」が展開している持ち運べる集中デスク「SEREN desk(セレンデスク)」
集中できる環境を作りたい方をターゲットに「防音室作りのノウハウ」に支えられた「どこでも手軽に個室空間(書斎)を作れる」「仕事に集中できる」等の強みで差別化しています。
リモートワーク(テレワーク、在宅勤務)が増えている中で、カンタンに個室空間を作れることが、顧客に支持されています。
■分析のポイント
集中できるか否かでビジネスパーソンのパフォーマンスは大きく変わります。では、何が集中を妨げるかというと、外的な要因としては、
- 目に余計なものが入ってくる
- 耳に余計な音が入ってくる
といったことがあげられます。
在宅勤務をしている方も多くなっていますが、子どもがいる家庭の場合、在宅勤務で集中できる環境を作ることは困難です。例えば、在宅で仕事をしている時に視界に子どもたちが走り回っている姿が入ってきたらどうでしょうか。また、子どもたちがケンカをしている声や泣いている声が耳に入ってきたらどうでしょうか。とても集中できそうにありません。シェアオフィスやコワーキングスペースで仕事をする場合でも同じですね。他の方の行動や声は気になるものです。
耳に入ってくる音に関しては、耳栓やヘッドフォンなど、既存の解決策がありました。しかし、視界に入ってくるものに関しては、個室のレンタルオフィスなどであれば解決されますが、レンタルオフィスが利用できない方、個室が用意できない方にとっては、解決が難しい課題でした。
そのような状況の中でリリースされたのが「SEREN desk(セレンデスク)」です。どこでも手軽に個室空間を作れるという価値は集中したいが個室を用意できない方にとって、非常に魅力的ですし、ビジネスパーソンのパフォーマンス向上に役立ちそうです。
さらに、重要なポイントとなるのが、自分の声が周囲に漏れにくいということです。リモートワークでは、社内に限らず、社外との打ち合わせもWeb会議ツールを使うことになりますので、周囲に家族や部外者がいる環境では、話しにくいと思います。特にビジネスの会話は、部外者に聞かれたくないことも多いでしょうからね。
一点、課題をあげるとすれば、売り値(Price)でしょうか。個人が、集中できる環境を手に入れるために、4万円を払うという方は現時点では少数派であると思われます。やはり、体感してもらうことが重要な打ち手になってくるでしょう。レンタルやサブスクでの提供も良いかもしれません。
シェアオフィス、コワーキングスペースには、ぜひ置いて欲しいと思うツールですので、そういった場所での展開に注力することで利用者に価値を体感してもらうというのも有効な打ち手になると思います。
今後の「SEREN desk(セレンデスク)」に注目していきたいです。