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【Jリーグ】複数クラブから悲鳴も。いつどのように再開する?

新型コロナウイルスの感染拡大を受け中断が続き、クラブ側から「このままだと厳しい」という声もあがり始めたJリーグ。緊急事態宣言の解除後に、チェアマンが「最後の手段」と語っていた無観客での再開の可能性が出てきたようです。サッカー情報で人気のメルマガ『J3+ (メルマ)』の著者じじさんが、無観客の先にはどのような方法があるのか、応援自粛や収容率といった観戦者への制限や、過密日程による大会方式のあり方などについて、提案しています。

Jリーグは「コロナ後」を考える時期

Jリーグは中断期間に突入している。無期限延期となったが心配されていた日本国内の感染者数や死亡者数の爆発的な増加はなさそうな情勢になっている。まだまだ油断はできないが何だかんだで自粛の効果は大きくてここ1週間ほどの各種の数字は「ピークの時期は過ぎたのでは?」とも考えられる。はっきりしたことは言えないが梅雨や夏の時期に入って気温や湿度や高くなるとひと段落つけそうな雰囲気もある。「コロナウイルスは湿度に弱い」とも言われているがその通りであればひとまずパニックはおさまるだろう。

ここ最近の感染者数や死亡者数の推移を考えると「5月6日(水)が期限となる緊急事態宣言が延長されない可能性」もある。さらに感染者数や死亡者数が減ってくると「この先の経済のことを考えて解除すべき」という意見も多くなるはずである。また、休校中の小学校や中学校や高校などがGWウイーク明けに授業を再開するようだとプロ野球やJリーグなどの各種スポーツの開幕や再開の話も一気に進展すると思われる。とにもかくにも緊急事態宣言がどうなるのか?である。延長されるようだと大規模イベントの開催は難しい。

すでに鳥栖や新潟や札幌は「このままだと厳しい」、「このまま中断期間が続くと持たない」とコメントしている。鳥栖はともかくとして新潟や札幌はJリーグの中では中規模クラブになる。地域密着に成功しているクラブの典型になるがそれでも経営的に厳しいとなると「もっと大変なクラブがたくさんある」と考えるのが自然である。「最速でも6月上旬の再開」になると思うので予定された試合数をすべてこなすのは不可能に近いが少しでもマイナスの額を減らさないと「コロナ後のJリーグ」は大変なことになる。

普通のインフルエンザと同様で流行する時期の感染者数や死亡者数をゼロに抑えるのはワクチンや特効薬などが出来たとしても難しい。一定以上の人数の感染者や死亡者が発生するのは確実である。「人類はコロナウイルスとうまく付き合っていくこと」が求められるがJリーグの上層部はそろそろ「コロナ後」のことを真剣に考えるべき段階に入っている。村井チェアマンはここ2か月ほどはいろいろなところに顔を出して調整をしていると思うので極めて大変だと思うがうまく休みながら次の手を考えないといけない。

当面は無観客試合になるのでは?

いろいろな方法が考えられるが「当面は無観客試合になるのでは?」と予想する。当初から村井チェアマンは「無観客試合は最後の手段」とコメントしていたがフェーズが変わっている。「たくさんの試合が中止になるよりは無観客でもリーグ戦を消化した方がいい」というのは明らかである。1試合でも多くのリーグ戦を消化して「75%ルール」や「50%ルール」をクリアするためには再開後の無観客試合は受け入れざる得ない。仮に無観客試合を選択しないのであれば、Jリーグの再開・開幕は大幅に遅れることになるだろう。

「しばらくの間は無観客で試合を行って、より事態が良化したら制限を加えてお客さんを入れるようにする」というのが現実的だろう。具体的に20%や50%といった数字がメディアに流れているが20%だと小さなスタジアムの場合は2,000人~3,000人くらいになる。一方、埼玉スタジアムや日産スタジアムなど大規模なスタジアムの場合は20%でも1万人以上のサポーターを集めることができる。「密な環境を出来る限り作らない」ということを考えると20%というのが現実的だろう。50%になると結構な混雑具合になる。

「万一に備えて自由席をなくして全て指定席にする」というのも考えられる方法である。大きな批判を浴びたK-1 WORLD GPは感染拡大にはつながらなかったが追跡できないと何かと大変である。スタジアム内の移動もある程度は制限する必要があるだろう。試合前やハーフタイムのときのイベントはJリーグ観戦のときの楽しみの一つになるが当面の間は中止の可能性大。また、スタジアムグルメも当面の間は制限されるだろう。他の場所で作ったものを売ることはもちろん出来るが現地で作って販売するのはリスクが高い。

「行列を作らない」ということを考えても全席を指定席にするのは有効な方法と言える。ほとんどのスタジアムは(年間パスのサポーターを除く一般のサポーターは)2時間前の開門でスタジアムに入ってくるがスタジアムの滞在時間は出来る限り減らしたい。「1時間くらい前に開門をして試合が終わったら出来るだけ早く帰ってもらう」というのがベターである。年間パスを持っている人の割合が高いクラブはどういう風に人数を制限をするのか?を考えないといけない。年間パスの人の割合は50%くらいのチームが多い。

どんな風に応援するのか?

応援の風景も大きく変えざるえない。無観客試合が実施されるとシーンとしたスタジアムで試合を行うことになるがお客さんを入れるようになった後も今までのような応援は難しい。J1の開幕戦では神戸が「チャントなどを禁止」として話題になったがしばらくの間は拍手中心の応援になるだろう。「チャントなどは禁止されているのにルールを守らずに暴走するサポーター」は必ず出てくると思うが「そういう人たちにどう対処するのか?」も難しいところである。Jリーグとクラブは毅然として対応しないといけないがなかなか難しい。

「人数制限がある中、拍手中心の応援でどこまで試合を盛り上げることが出来るか?」は各クラブのサポーターの腕の見せ所と言える。すでにいろいろと考えていると思うが大きな話題になっているマスクの着用は「義務」とするのがベターだろう。「アベノマスク」の配布が始まっており、マスクの供給難は幾分かは解消されるはずである。「マスクがない人の観戦を拒否できるのか?」は分からないが「マスクなしのサッカー観戦」は今の段階ではリスクが高い。「タオルやバンダナで代用可」とも言われているが扱いにくい。

天皇杯とルヴァン杯をどうするのか?も大きな注目点になる。すでに天皇杯の各都道府県予選は始まっているが決勝まで到達しなかったところがほとんどである。過去の実績などを加味して県代表などを決めたところもいくつかあるが「Jリーグを優先する」というのが基本的な考え方になると思うので大会自体を中止にするのがいいのでは?と思う。ただ、ルヴァン杯に関してはスポンサー付きの大会なので簡単には中止にすることは出来ない。2011年のときのように縮小開催も考えられる。トーナメント方式への変更が考えられる。(編注:メルマガ配信後、天皇杯は都道府県代表の47チームとアマシードのHonda FC、J1上位2チームの50チームによる大幅な縮小開催の方針が発表されました)

「三密の回避」が叫ばれていることを考えるとVARは今年に関しては実施しない方がいいと思われる。今シーズンからJ1のみVARを取り入れているがお金もかかる。また、優秀な審判がVAR用に回る中、過密日程になると審判のやりくりが大変になる。また、新型コロナで重症化するのは70歳以上の人が圧倒的に多いことを考えると「高齢者の観戦は禁止にする」というのも1つの方法になる。その場合、50歳以上・60歳以上・70歳以上で区切る方法が考えられる。「子供の観戦を制限する」というのもあり得ない話ではない。

image by: ウィキメディアコモンズ経由で

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