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韓国「重要な隣国」、北方領土「主権を有する島」外交青書で明記

茂木敏充外相は19日の持ち回り閣議で、2020年版外交青書を報告した。時事通信によると、青書ではロシアとの交渉が停滞する北方領土について「わが国が主権を有する島々」とし、韓国については3年ぶりに「重要な隣国」と明記する一方、徴用工問題への対応を強く批判している。

外交青書で表す日本の外交姿勢

外務省によると、外交青書とは「国際情勢の推移及び日本が行ってきた外交活動の概観をとりまとめたもの」で、昭和32年(1957年)9月の第1号以来、毎年発行されている。

外務省は2020年版の外交青書で、主な国について以下のような要旨を公開している。

●韓国

韓国は日本にとって重要な隣国。しかし旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、依然として国際法違反の状態を是正していないことをはじめ、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了通告(ただし、後に通告の効力停止)、慰安婦問題に関する「和解・癒やし財団」の解散に向けた動きなど、韓国側による否定的な動きは止まらず、日韓関係は厳しい状況が続いた。

3年ぶりに「重要な隣国」と記したことが大きな変更点といえそうだ。一方、青書に「竹島は日本固有の領土」と明記したことを受け、韓国外交部は日本大使館の相馬弘尚総括公使を呼んで抗議したと朝鮮日報が伝えている。日本は18年度版の青書から「不法占拠」という強い表現で、竹島の領有権主張を訴えている。

●中国

習近平国家主席の国賓訪日について、日中両国は新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要があり、国賓訪日を十分成果が上がるものとするためにはしっかりと準備を行う必要があるとの認識で一致し、双方の都合が良い時期に行うことで改めて調整する。沖縄・尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入は19年に32回。引き続き日本の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下、毅然(きぜん)と、かつ冷静に対応していく。

中国とは習近平国家主席の国賓訪日を再調整し、「新時代の成熟した日中関係を構築していく」と表明。一方、尖閣諸島問題については批判している。

●北朝鮮

北朝鮮は頻繁に弾道ミサイル発射を繰り返した。日本のみならず国際社会に対する深刻な挑戦で、全く受け入れられない。日本は拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの基本認識の下、最重要課題と位置付け、全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国などを強く要求している。

朝日新聞によると、日朝首脳会談の実現に向けて前向きな反応を引き出す狙いから「圧力を最大限まで高めていく」との表現を削除した昨年の流れを踏襲し、今年も「圧力」は使わなかったとしている。

●ロシア

北方領土はわが国が主権を有する島々。政府は首脳間および外相間で緊密な対話を重ねつつ、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、ロシアとの交渉に精力的に取り組んでいる。

2019年版の青書では「北方四島は日本に帰属する」との記述を削除していたが、今回は復活させたことになる。四島の帰属を明確にしなかったことへの自民党内の批判に配慮したもようだ。

●米国

トランプ大統領は令和の時代の初の国賓として訪日し、首脳会談で日米同盟は史上かつてなく強固で、世界で最も緊密な同盟であるとの認識で一致した。

●台湾

世界保健機関(WHO)総会への台湾のオブザーバー参加を一貫して支持している。

菅義偉官房長官は19日の記者会見で、北方領土や日韓関係を巡る記述について「さまざまな状況を総合的に判断した」と述べている。韓国は早速、日本公使を呼び抗議をしたが、今後各国がどのような反応を示すのか注目される。

Twitterの声

国の公式見解とも呼べる外交青書。削除していた表記を復活させたり、強い言葉で非難したりと日本の外交姿勢を表したものとなった。しかし、ネット上ではこの青書に対して、様々な声が上がっているようだ。

外交青書で
関係が悪化している韓国が「重要な隣国」との
表現を復活させた。
いわゆる徴用工問題など山積する課題が何もクリアーしていないのいなんで復活?

こういうのこ民意とやらで抗議するんじゃないのか
芸能人の方は?やれないんだろうね。w

— ゆうぞう (@71ZYXZMo3PxDHFd) May 19, 2020

これはニュースかな。当たり前だと思うし、これを削除した去年の外交青書が異常。 https://t.co/OQztXh532g

— カブやん (@pagupon3777) May 19, 2020

最も迷惑な隣国だろう😁

北方領土「日本に主権」が復活 外交青書「韓国は重要な隣国」も #SmartNews https://t.co/OBsMW3aFbZ

— boss-asuka (@asuka_boss) May 19, 2020

去年の外交青書では「北方領土は我が国が主権を有する島々である」の表現削除、今年は復活。つまり安倍晋三は返還に淡い期待を抱いて、ロシアを刺激しないように表現を削除。ところが、返還する気がないと分かって、復活。それでも安倍晋三は返還可能を装う対プーチン外交を続けることだろう。 https://t.co/mZfBPgL6Rb

— 手代木恕之(てしろぎ ひろゆき) (@HTeshirogi) May 19, 2020

へ〜、台湾のWHO参加支持を外交青書に明記したのか。
やっと舵をきったか。
これから色々大変だけど正念場だな。https://t.co/NqpHAAtvu6 @Sankei_newsさんから

— KOMあ@腹デブ (@reo22yoonYoo) May 19, 2020

今年の日本の外交青書は惨憺たるものだった。

日本が東アジアにおいて孤立の道を選んだことは、よく話題になっている。

この数年で過去の協調路線から一転「孤立主義」を選んだことは色々な方面から訝しがられている。

ダイジョブなのかしらね

余計なお世話だけどhttps://t.co/qokv0AcruR

— James F. (@gamayauber01) May 19, 2020

外国とは仲良くするばかりが能じゃない! 国益にならない国とは縁を切れ! 「北方領土に主権」明記 徴用工、韓国対応を批判 外交青書(時事通信) https://t.co/ciOSuwQux3

— KK Batayan (@kk_batayann) May 19, 2020

北方領土について「我が国が主権を有する」とか今更しれっと外交青書に復活させてる外務省。ロシアに踊らされながら多額支援までしてなお、昨年まで「北方領土は日本固有の領土」表現すら削除してたアホらしさ。重ねて対韓国も駆逐艦からレーダー照射されて国会決議すらなく「重要な隣国」記述復活と。 https://t.co/lGFaJhwTkl

— 丸山 穂高 (@maruyamahodaka) May 19, 2020

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 時事通信外務省朝日新聞

image by: ウィキメディアコモンズ経由で

 

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