中国の滑稽。一国二制度にしがみつく「台湾ストーカー」の醜態

 

アメリカのポンペイオ国務長官は、事前に蔡英文の2期目の就任を祝う声明を発表しました。報道によれば、アメリカの国務長官が総統の就任式に合わせて声明を発表するのは初めてで、中国をけん制するねらいもあるとのこと。

蔡英文政権にとってもアメリカは重要な盟友であるため、この祝辞に対して蔡英文総統はツイッターで以下のような謝意を表明しました。

台湾とアメリカの関係は強く、前途は有望だ。私たちの間の共通の価値と利益に基づく友情がさらに深まることを楽しみにしている。

台湾 蔡総統 きょうから2期目 米国務長官がスタート祝う声明

米台の蜜月が本格的に始まりそうです。一方で、中国は蔡総統の就任式に向けて様々な妨害工作を行っています。報道によれば、中国が台湾総統府のコンピューターをハッキングして、台湾の機密文書を流出させる事件が起きました。以下、報道を一部引用します。

総統府を担当する台湾メディアの記者らに、差出人「SERLO」の不審なメールが届いた。4月に行われた蔡氏と蘇貞昌行政院長(首相に相当)の会談の記録や、昨年に民進党内で実施された総統候補の予備選挙における蔡陣営の作戦会議の記録などが大量に添付されていた。その後、一部の内容はインターネットにアップされた。

 

総統府は15日、コンピューターがハッキングされたとして、警察に通報したほか、各メディアに対し「会議記録の一部が改(かい)竄(ざん)されており、事実と異なる」と伝え、引用しないように注意を促した。会議記録には閣僚や党幹部の評価など機微な内容が多く含まれている。民進党関係者は「中国のネット部隊が総統就任式の関連資料を盗もうとしてハッキングし、誤って会議録を入手した可能性がある」と分析したうえで、あえて流出させたのは「民進党を混乱させるためだ」と説明した。

台湾の総統 2期目の就任式前に中国が圧力

さらに、中国の武力による威嚇もありました。中国軍が、北部の渤海で大規模な軍事演習をしたのです。中国の常套手段です。蔡英文氏の就任演説について、台湾メディアは両岸関係について8文字を重視すると報じていました。8文字とは「和平、對等、民主、對話」です。さらに、一国二制度は受け入れないとする姿勢を改めて示しました。

兩岸關係 重申8字箴言!小英520演説 維持台海和平穩定

折しも、台湾がWHOの総会にオブザーバーとして参加の是非をめぐって、中国が台湾に「中国の一部として認めるなら参加を許可する」という要求をしてきたばかりです。もちろん台湾はそんな要求は一蹴しましたが、中国は台湾が世界で存在感を増せば増すほど、圧力をかけてくるのです。

香港の大学入試で、中国の日本統治が「弊害よりも恩恵のほうが大きかった」かどうかを判断させる設問がありました。これに対して、中国は激しく非難し、環球時報(Global Times)は、「香港の出題は学生を反逆者にする」と報じました。

香港大学入試で日本の中国統治を評価させる出題、中国外務省が非難

今回の新型コロナ騒動では、世界から中国を批判する動きが強まりました。中国を巨大市場としてあがめ、恐れていた世界情勢はもう過去のものです。世界情勢は刻々と変わっています。そんななか、旧態依然と過去の主張を繰り返し、一国二制度にしがみついている中国は、むしろ滑稽に見えます。

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