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新顧客の獲得も。コロナ時代に「外商」で生き残るという選択肢

経済活動が再開したとは言え、「コロナ以前」の水準には程遠いとの声が、中小企業やショップ経営者などから多く聞かれます。そんな状況を打破するためにはどんな手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では経営コンサルタントの梅本泰則さんが、「外商」を例に取り、これまでとは違う商品の売り方と新しい顧客の開拓方法を紹介しています。

コロナ後の外商の生き残り策

いよいよ緊急事態宣言も解除され、経済活動が回り始めました。学校でも部活が始まり、スポーツショップでも商売が動きつつあります。「外商」も忙しくなっていくことでしょう。そこで、今回は久しぶりに外商の話です。

外商のための新しい手

スポーツショップの売上の柱の一つに「外商」があります。「外商」のメインのお客様は「学校」です。体育の授業に使うトレーニングウエアやシューズを納めたり、部活用のスポーツ用品を販売したりします。しかし、少子化の影響で、肝心の「学校」の数や生徒の数が減っていってしまっていることが問題です。

当メルマガでも、今まで6回ほど「外商」をテーマに取り上げてきました。その記事の中では、今後「外商」はどんな手を打ったらいいかということを提案しています。少しそこからピックアップしてみましょう。

おおまかにいえば、こんな外商の「手」を提案してきました。これらの対策を実施しているお店もあるかもしれませんね。これはこれで、一定の効果を生む方法です。しかし、世の中はコロナ禍で、大きく変化しようとしています。上にあげた対策だけでは、「外商」が生き残るのはむつかしいかもしれません。では、何か新しい手はあるのでしょうか。

そこで、私なりに考えてみました。それには二つの大きな方法があります。一つは、今までとは違った商品やサービスを提供することです。もう一つは、今までとは違ったお客様を開拓することです。

今までとは違う商品

具体的に説明します。一つ目の「今までとは違った商品やサービスを提供する」とは、次のようなことです。

外商活動においては、「スポーツ用品」を売ることが中心になります。どのお店でもそうでしょう。そこで、その戦法を少し変えてみます。つまり、スポーツ用品以外のものを学校に販売することは出来ないか、ということです。

いえ、スポーツに関係ないものを売るということではありません。あくまで、販売するのはスポーツ関連のものです。例えば、「スポーツ講座」の開催を企画するというのはどうでしょう。学校で部活の学生さんを集めて、役に立つ講座を開催します。講座のテーマは、

といったような内容です。また、「部活教師用指導プログラム」の開催ということも考えられます。部活を指導する教師の方たちは、必ずしも担当のスポーツに詳しいわけではありません。しかも、忙しいです。スポーツ協会などが実施している指導者講習会に参加する時間はないでしょう。そこで、お店が独自にプログラムを作って学校の中で講習をします。内容は、例えば

といったものであれば、喜ばれるのではないでしょうか。もちろん、これらの内容は、生徒や教師の要望を聞いて決めていきます。これが、「今までとは違った商品やサービスを提供する」ということです。

スポーツ用品だけの販売に頼っていると、他のお店との価格競争になってしまうこともあります。そうした事態をさけるためにも、商品以外のものを企画提案することで、お店の信頼が大きくなっていくのではないでしょうか。

今までと違うお客の開拓

次に、「今までとは違ったお客様を開拓する」というのは、学校以外のお客様にスポーツ用品やスポーツ企画を売り込むということです。例えば、一般の企業をお客様にするというのはどうでしょう。

あるスポーツショップは、近くの会社に「社内運動会」を売り込んでいるそうです。社員の健康やコミュニケーションに気をとめている企業ならば、社内運動会をやってみようというところもあるでしょう。提案する「社内運動会」の運営法が優れていれば、きっとその企画は売れます。当然、スポーツ用品も一緒に売れていきます。

この「企業」を「外商」のお客様として考えたとき、一気にそのターゲット顧客数が増えるのです。

そして、社内運動会の他にも、売り込める商品や企画が考えられます。例えば、「スポーツ教室」はいかがでしょう。これはスポーツショップにとっては得意中の得意です。今まで何度もお店で開催してきた多くのスポーツ教室の企画を企業に提案します。

ただし、この場合は技術の向上が目的ではなく、社員の健康やコミュニケーションの向上が目的です。メーカーさんや競技者とのつながりが強いスポーツショップの強みを活かすことができます。

また、このような大掛かりな企画以外にも売り込めるものが考えられます。例えば、スポーツ用品には様々な体調管理ツールがあります。それらを企業の社員の皆さんに使ってもらい、お店が分析してアドバイスをするというのはどうでしょう。

また例えば、スポーツメーカーの各種サプリメントや栄養食などを会社の中に置いてもらうという方法も考えられます。グリコの置き菓子(オフィスグリコ)のようなものですね。それができれば、定期的に会社を訪問したときに別の商談をすることで、売上にもつながるでしょう。

いかがでしょうか。「外商」が生き残るための、この二つの方法、「売るものを拡げる」「売り先を拡げる」ことを提案しました。どうかご検討をしてください。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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