病床確保を
【読売】は2面の記事と3面の解説記事「スキャナー」。まずは見出しから。
(2面)
緊急事態の再宣言 否定
首相 医療「逼迫していない」
(3面)
家族・職場でも感染
コロナ 都内224人
都、入院・陽性増を警戒
医療機関 病床増強急ぐ
uttiiの眼
今朝の《読売》の最大の特徴は、少なくとも全体状況について専門家に話を聞いていない、聞いていたとしても記事にしていないということ。関心はもっぱら、医療体制に向けられている。
専門家の話としては、僅かに、病床確保の必要を述べた部分の最後に、国際医療福祉大学の和田耕治教授に聞いていて、「現時点では若い世代が中心だが、感染経路が不明な50歳代以上の感染者も出始めているのが心配だ。4月のような医療体制の逼迫を避けるため、感染を広げる恐れが少ない患者は自宅療養にするなどの対応が必要だ」との指摘を掲載しているのみ。
勿論、無症状の感染者を入院させる必要がないようにしつつ、医療体制を整備しておく必要はあるだろうが、これは感染の爆発的増加に備えてのこと。《朝日》の記事で忽那医師が言っていた「感染を抑え込む」話ではない。
再び外出自粛を
【毎日】は3面の解説記事「クローズアップ」。見出しから。
医療・集客 高まる緊張
中高年への拡大警戒
コロナ 都内224人
球場外「密」どう防ぐ
プロ野球・Jリーグ きょうから観客
「緩和ありき」に危惧
uttiiの眼
《毎日》もまだ全体状況についての専門家の発言を掲載する覚悟はないようで、都のモニタリング会議での発言を再録したものを除くと、独自に聞いているのは1人だけ。
けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は、「これまで少し楽観的過ぎたのではないか。高齢者に感染が広がるのは時間の問題で、再度の外出自粛が必要になる」と。さらに、社会経済活動の段階的な緩和について、「緩和ありきで進むのは心配だ。感染者数が再び増えつつある現状では、『基準を緩和しても大丈夫』とは誰も確信が持てないのではないか」と言っている。要は、段階的な緩和を止め、再び外出自粛を要請すべきだという話。
病床確保が手遅れにならぬように
【東京】は2面の解説記事「核心」。見出しから。
病床 十分か
東京 コロナ感染224人
4月は感染増に追いつかず
首相「医療体制 逼迫していない」
2週間の時間差
看護師4倍必要
イベント開催 きょうから緩和
野党は自粛措置要求
uttiiの眼
《東京》も専門家による全体状況に関する提言などは見当たらない。「核心」の最後の段、病床の確保には単にベッド数を確保するだけではなく、通常よりも4倍必要になる看護師の確保を含め、如何に困難な課題かについての記述の最後に、日本感染症学会理事長の舘田一博・東邦大医学部教授のコメントを掲載。「入院のピークも重症者のピークも遅れてやってくる。今から備えておかないと手遅れになる」という。
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