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急上昇。なぜ新型コロナで郊外型マンションの人気がUPしたのか?

世界中の人々の価値観を大きく変えたと言っても過言ではない新型コロナウイルスですが、住居選びのニーズにも激変が見られるようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、民間会社によるリノベーションマンションについてのアンケート結果を紹介。そこには、これまで若い世代に敬遠されてきた「郊外型マンション」の資産価値浮上に繋がるヒントが隠されていました。

リノベマンションのニーズは「通勤時間」より「住環境」へ

こんにちは!廣田信子です。

リノベーション事業者として国内No.1実績と言われる「リノべる株式会社」がカウンセリング・物件探し・設計の業務を通し、お客様対応を行うスタッフを対象にWebアンケート調査を実際し、その結果を発表しました(有効回答73名)。その結果を見ながら、中古マンション購入を考えている方々のニーズの変化をみたいと思います。2020年1~3月を「コロナ前」、4・5月を「withコロナ」として比較しています。

ワークスペースのニーズ

ワークスペースのニーズは3倍に増加(8.9%→27.3%)。4世帯に1世帯以上が希望しています。

ワークスペースのタイプのニーズ

ワークスペースのタイプのニーズは、「LDK隣接オープンタイプ」が大きく減少(76.7%→26.0%)。「個室タイプ」が4倍(23.3%→74.0%)に増加しています。

テレワークを行う一般対象の調査で、テレワークを行う上で困ったことの1位に「家族の声/生活音」があがっていました。自宅でのテレビ会議や、仕事に集中するために、個室のニーズが高まっているのです。

エリア選びで重要と考える要素

エリアを探す場合に重視するのは…

となっています。物件を選ぶ条件として、これまで圧倒的に重視されていた「通勤時間」が、withコロナ下では大幅に減少し、郊外に目が向き、「一極集中」から「分散化」の傾向が見られます。テレワークで通勤が減ったこと、在宅時間が増え、家周辺の環境の重要性に目がいったこと、が大きいと思います。

さらに、今後も続くであろう感染症流行を想定すると、あまりに密集して暮らす都心居住に不便と不安を感じ出した…ということもあるのではないかと思います。

間取りや広さ等の物件ニーズ

物件ニーズは、

等が上位にきています。家族それぞれの居場所や、それを確保するための広さなど、家での時間を快適に楽しむためのスペースのニーズが高まっているのです。

物件探しの傾向

リノベーション物件を探している人のニーズの聞き取りから下記のような傾向が見えます。

家の中、周辺の環境を重視し、家での時間を楽しもうという傾向が見えます。

コロナ禍の影響が強い、こんな要望も。

さらに、家を探す地域に関しても柔軟になっています。

やはり、どこで、どのように暮らすのか…という基本的なところの価値観が大きく変わってきていますね。

半年前までは、こんなに住環境がいいのに、子育てに最適なのに、なんで、若い人たちに人気がないのか…と嘆いていた郊外型マンションもありましたが、中古マンションをフルリノベーションして、自分らしく、豊かに暮らしたいという住まいに高感度の人たちのニーズが変わってきたのです。郊外型の、広い、部屋数の多いマンションのニーズが回復していく兆候が見られます。その波をしっかりとらえられるよう、

をしっかり発信していきたいですね。同時に、トラブルなくリノベーションができるようガイドラインをしっかり定め、申請の審査時間を短縮するなどして、リノベーションに対応力があるマンションと市場で言われるようにすることも大事なことかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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