私たちの生活様式を大きく変えた、新型コロナウイルスによる感染症の流行。買い物ひとつとっても、少なくても1週間分くらいは一度にまとめ買い、というスタイルが増えているようです。当然食材も多めに購入するわけですが、そんな中で求められるのが、「冷蔵庫のありもので料理を作る」というスキル。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、あり合わせの食材でチャチャッと一品作る3つのコツを紹介しています。
冷蔵庫にあるもので
さて、本日はありもの・まにあわせのお話。
新型コロナのせいで、以前ほど頻繁に買い物に行かなくなりました。やれマスクだ消毒だというのがメンドクサイので、1回にまとめてドバッと買うようになったんです。いや、もともとまとめ買い派でしたが今は激まとめ・爆まとめ買い派に進化したということでしょうか(*゚∀゚*)
まとめ買いするときには、どうしても
- 使いそうで
- ソコソコ安い
ものを買うようになります。つまり、
- いつ使うのかは未定
なんですよね。特に食品はそうなるのがフツーでしょう。
この買い方は、食費を安く抑えようとするときには結構有効です。しかし、問題がひとつ。そう、
- 冷蔵庫のありもので料理を作る
必要があるんですよね。だって、献立を先に決めて食材を揃えているわけじゃないので、レシピに記載された食材がないんだよねえなんてことは、フッツーに起こるわけです。
いわゆる
- あり合わせのものでチャッチャッと
ってヤツができないと、この買い方はワークしないんです。ま、実際これができると、毎日の献立を考えるのが、それほど苦痛ではなくなります。
でね、このやり方には
- コツ
があるんです。あんまりこの「ありあわせのものでチャチャッと」をやったことがない人を前提にして説明してみましょう。
料理は、
- 「食材」「調理法」「調味料」
で成り立っていますね。どんな料理でも、この組み合わせです。
当然ですが、これが複数組み合わさるほど難しくなるわけです。レストランの料理って、この組み合わせが信じられないほど複雑でしょ?
なので、シロートはこの逆、つまり
- シンプルな組み合わせ
を考えると失敗せずに済むんですよ。複雑だと、失敗する可能性が高くなるだけでなく、どこで失敗したのか検証も反省も不能になるんです。百害あって一利もないですね。
で、まず調理法ですが、ここはやや強引に
- 炒める一択
にしておきましょう。一番馴染みのある調理法じゃないかと思うからです。
そして、次は「食材」です。もともとあり合わせの食材でなにか作ろうということなんですからここでは冷蔵庫にあるテキトーなものを取り出してくる他ありませんね。今まで食べてきた炒めものを思い浮かべて、炒め物の中に入っていた具材を選びましょう。まあ、多くて3種類くらいです。
ただ、このテキトーさにもポイントがあるんです。それは
- 出汁が出る食材をチョイスする
ということです。大半の料理は、この「出汁が出る食材」が入っているものなんです。逆にいうと、出汁の出る食材が全く入っていない料理は、調味料や調理法などが工夫されており、テキトーにちゃっちゃと作る料理には向いていません。
では、「出汁が出る食材」と言われて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。
お肉や魚は、当然思い浮かぶでしょう。ですが、もっとずっとたくさんあるんです。また、お肉とかお魚とかいう区別は、大ざっぱ過ぎます。食材によって扱いやすいかどうかは違うので、これも含めて考えるべきでしょうね。出汁が出る食材といえば、たとえば
- ベーコン
- ハム
- ソーセージ・ウィンナー
- ひき肉
- 豚バラ
- 鶏もも
- 牛こま
- 海老
- イカ
このあたりはパッと思いつきますよね。そして、このうちのいくつかは冷蔵庫にあるんじゃないでしょうか。これ以外にも
- キノコ類
- チーズ
- キムチ
- アサリなど
- トマト
このへんの食材も冷蔵庫にあるんじゃないでしょうか。
こうしたものをひとつ選んで炒め物をつくるんです。そうすると、炒める過程で出汁が出て、美味しくなるんですよ。
ここでは仮にベーコンがあったことにしましょう。他にはモヤシを選んだとします。繰り返しますが、ここは冷蔵庫と相談ですよ。
そして、
- 出汁が出る食材:他の食材=1:4
くらいの比率になるようにします。出汁が出るものは、コクがあるので多すぎるとしつこく感じます。相方の食材が何かにも依りますが、1:4は超えないほうがいいのではないかと思います。まあ、私の好みに過ぎないのかもしれませんが。
出汁の出るものを含めて、全体で多くて3つくらいの食材を選びましょう。当たり前ですが、種類が多くなればなるほど難易度が上がります。少ないほど簡単です。正直なところ、有り物料理みたいな、ホントに難しい料理こそ、
- 種類を絞るべき
だと思いますね。なにせ未知の料理なんですから。おそらく二度と作れない(もといテキトー)料理なんですから( ̄∇ ̄)
で、食材を選んだら、切ります。この切り方でポイントになるのは
- 火の通り方が均一になるように揃える
ことです。レシピを読むと「短冊に」「一口大に」「5ミリくらいの輪切りに」とか書いてありますよね。しかも食材ごとにビミョーに表現が違っていたりして。アレ、
- テキトーじゃない
んですよ。ってか、レシピってすごく短いものが多いでしょ。雑誌などだと簡単に作れるかのように見えるよう、極限まで手順を削らされるんです(゚ロ゚屮)屮 それなのに、書いてあるんですから。アレは
- 重要な指示
なんです。食材ごとに火の通りは違うのに、それが均一になるよう工夫された切り方なんです。なので、テキトーに切っちゃダメなんですよ。
ところが、今作ろうとしているのは、有り物料理。切り方も自分で考えなくてはなりません。ほら、ここで食材が複数あったら、難易度が上がっちゃうでしょ。だから少ない方が難易度が低くて済むんですよ。
なので、前に指定したとおり、ここは
- もやしが選択されている
ことにしましょう。ホホホ。もやしは切らないもんね♪
実際に切るときには、選択した食材がいつもどんな風に切られていたのかを
よく思い出し、調理法や調味料と組み合わせてアレンジする必要があるでしょう。ま、ここの詳しい話はまたいつか別の回でやりましょう。今回はもやしです。
さて、最後に残ったのが「調味料」ですね。これは洋風か和風か中華かで、違いがあるでしょう。今回ベーコンを選択しているので、洋風が合いやすいとは思いますが有り物料理なんですから、カタいこと言わずに有り物でやってみましょう。
- 醤油×バター
- ニンニク×バター
- 醤油×ゴマ油
- 唐辛子×塩コショウ
などなど。こういう、イチから複数の調味料を組み合わせるのではなく
- 市販品調味料
でもバッチリですよ。お勧めは
- めんつゆ
です。日本人のソウルフードに近い味をしているんですよね、めんつゆって。いや、令和時代のソウルフードだと言ってもいいくらい。これにちょっとコクのあるオイル系…バターとかゴマ油とか、鉄板ですよ。まず失敗しませんね。
ここでひとつ強調しておきます。有り物で調理するときだけでなく、カット野菜とか市販品調味料とか料理の手間を省いて手軽にする便利グッズは
- ガンガン使いましょう
手間をかけて辛くなるくらいなら、手軽に簡単にやって続けられることの方がはるかに大切だからです。
まして有り物料理は、結構ハードルが高いもの。市販品の調味料は、味が決まりやすく失敗が少なくて済むスグレモノです。こういうときこそ使うべきなんです。
ちゃっちゃっと作る有り物料理。レシピがないので、却って難しかったりしますね。コツを押さえて、テキトーに作ってくださいね。
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