今ある仕事の9割が消える未来に備えるべき子どもに必要な能力は

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新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまなことがこれまで通りにはいかなくなりました。子育て中の親御さんのなかには、自分が信じてきた教育方針にも懐疑的な気持ちを抱く人もいるようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんが、そんな親御さんに向けてアドバイス。これからの子どもたちには「考える力」のほかに「飽くなき探究心」を身につけさせたいと、その理由を解説します。

これからは探究心が必須

Question

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コロナ感染が再び拡大しました。想定外のことや予測がつかないことが起き、これだけ右往左往することになり驚いています。今後は、これまでの考え方や常識などは通用しなくなると思います。親として子どもに「予知能力」を持たせることができれば一番ですが、そんな魔法使いのようなことはできません。子どもに「考える力」をつけさせるだけで良いのでしょうか?(小学5年男子のお父様より)

柳川さんからの回答

これまでの価値観がひっくり返ることが将来起きる可能性は十分あります。今後は、それに柔軟に対応できるだけの課題解決能力が求められますから、考える力のほかにも「飽くなき探究心」が必要です。その理由をお伝えします。

1.普段からの「?」がアイディアを作る

「一体なぜこうなっているんだろう?」「どうしたらうまくできるだろう?」と、疑問に思ったことをそのままにする子どもと、答えを探求する子どもでは、どちらが課題解決能力があるか歴然です。

今回のコロナウイルス問題に直面して、わからないことやできないことを乗り切るためには、自分で一つ一つ考えないと乗り越えられない、という場面が幾つもあったのではないでしょうか?

自宅にオンライン設備がない子どもが、自分で友達の親に交渉しに行きました。自分がレインコートを着て、めがね、マスクをつけるから一緒に受けさせてくれ、と。そんなことを知らない子どもの親は、友達の親からの連絡で慌てましたが、お互いの家族が理解した上で一緒に授業を受けられました。「?」を探求することで課題を解決に導くことができるのです。

2.将来を案じるより過去を生かす

目標を定め、なりたいものを目指して頑張ることは素敵です。けれども、その「なりたいもの」が将来もあるとは限りません。イギリスのオックスフォード大学は、近い将来に、今ある仕事の9割はAIに置き換えられると公表しました。また野村総合研究所は、この先15年で今ある仕事のおよそ5割がなくなるというレポートを発表しています。

つまり、目標を決めてその道に邁進しても、その道自体がなくなってしまうこともあるのです。それならば、自分が何にでもなれるように、何にでも対応できるよう、普段の「?」を解決すべく考えながら過ごすことです。やがて、過去に自分が考えたこと、試したこと、実践したことなどの小さな「探求の積み重ね」が自分に自信を持たせてくれます。

家庭教育アドバイス…「物事を繋げられる考えを持つ」

一つのことに夢中になって取り組むことは良いことです。その道のスペシャリストになれるかもしれませんから。しかし、それよりももっと良いのは、一つのことを、あらゆる事柄と結びつけて考えられることです。こうしたことが、これから求められるでしょう。

これまでの社会は情報社会といわれ、情報を短期間に理解、再生、反復できることが良しとされてきました。これからの社会は、知識基盤社会といわれ、知識や柔軟な思考力をベースに、新しい価値を創造する能力が求められます。

そのためには、一つのことに精通しているだけではなく、関連しないように見える他の分野についても、関連づくかもしれない、と探求する姿勢が必要なのです。子どもには「広い視野と、深い思考で探求する」という姿勢を持たせましょう。

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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