学費を返せは正論。コロナ下の大学生が1コマ5千円の授業に怒るワケ

 

オンライン授業は6掛けで考える

経験則的にいうと、リアルでの授業の面白さを1とすると、そのままオンラインにすると0.6ぐらいになりますので、授業自体を1.5倍ぐらいに面白くする工夫をしないと成り立たちません。

もちろん映像の撮り方や、明るく喋るとか、冗談を言うとか、そういうことでずいぶん改善できることもありますが、根本的には授業のアーキテクチャにアップデートが必要になります。

つまり新しい時代への過渡期なのですが、こういう時に、質の悪いオンライン授業が増えてしまうと、どうしても「オンライン授業=質が低い」という固定観念ができてしまうので、心配です。

私の知人でも、大学で教鞭をとっている人が何人もいますが、聞いてみると、いきなり始まったオンライン授業について、大学事務局からヘルプはほとんどなく、現場の教員に一任…。というより丸投げされているケースが多いようです。

結果として、授業のクオリティは教員により天と地ほどの差が出ています。

ただ、そういう動乱の時期があっても、デジタル活用の大きな時代の方向性は変わりません。というより、日本が遅れているだけで、オンライン教育のフロンティアは、もうだいぶ向こうに行っています。

パンデミックは歴史的にGame Changerを生んできました。

ペストが民衆を恐怖のどん底に叩き落とした中世ヨーロッパでは、それまで強大な権力を誇っていた教会が、この伝染病の前に無力さを晒し、大学、そしてサイエンスへと権力がシフトする契機となりました。

天然痘、コレラ、スペイン風邪、マラリア等も、水道の普及など、その後の公衆衛生や社会に大きな変化をもたらしました。

今回のコロナも例外ではなく、時代の先を読んだGame Changerを生むのだろうと思います。

そしてその本丸が「教育」であろうと睨んでいます。

image by: Shutterstock.com

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日本最大級の海外MBA統括責任者を務めた著者によるメルマガ。MBAのフレームワークや理論などを応用しながら、社会問題やニュースを分析。またフローパッド(FlowPAD)最新情報、オンラインコミュニティ運営のノウハウなども連載。

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【著者】 若林計志 【発行周期】 ほぼ 月刊

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