「Go To」の4事業。トラベル、イート、イベント、商店街。予算総額は約1兆7,000億円だが、トラベルが1兆3,000億円を占める。このド派手な観光振興策が、人々の恐怖感を緩め、高揚感と欲望を刺激したのは明らかだ。
ウイルスを甘く見て、希望的な算段をめぐらせ、経産省と電通のアイデアに飛びついた菅首相と二階幹事長。膨大な予算を注ぎ込んで何千万という人を動かせば、当然、「Go To」副作用の大波として跳ね返ってくる。
そして心配が現実になりつつある今、小出しの“対症療法”的政策、予算の逐次投入でなんとかやりくりしようとしているのが菅政権の現実だ。感染の暴走が止まらず、再び緊急事態宣言を発して、外出自粛が長引く事態に陥った場合、これまでの「Go To」の成果さえ吹っ飛びかねない。
無口政権のトップは、いま何を考えているのか。国民は何も聞かされないまま怯えている。
image by: 首相官邸