「何件営業をかけても話すら聞いてもらえない」とお悩みの方、もしかしたら「息継ぎ」のポイントを変えるだけで、一気に光が見えてくるかもしれません。今回の無料メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』では営業実務コンサルタントの島田安浩さんが、アプローチの最初で断られない営業トークのキモをレクチャーしています。
「おはよう」には「おはよう」
この話は、営業を開始したばかりの頃にさかのぼります。飛び込み営業をやっていた中で、気づいたことです。当時の営業トークは、
「こんちはぁ、新日本工販と申しまして今お使いので電話機の件で回っていたんですが」
というものです。最初の頃の僕は、ここで、息継ぎをしていました。そうすると、「いらない!」「間に合ってる」「出てけ!」なんて、断られるんです。
まあ、最初の頃は、そんなものなんだろう。そう思っていたんですが、徐々に、いつもいつもそのタイミングで断られるのは、なんか、おかしいんじゃないか?そう気が付きました。
そこで、間を開けないで、次のところまで話すように変更してみたんです。
「こんちはぁ、新日本工販と申しまして今お使いので電話機の件で回っていたんですが、こちらでは何番まで電話使えますか?(電話番号は何本ありますか?)」
と、回線数の確認まで言うようにしてみたんです。すると、今までと反応が明らかに変わったんです。「3本だよ」とか、「2番までだよ」とか、質問に対して答えてくれるようになったんです!
「スゲぇ~!」って思ったわけです。今まで、アプローチの一番最初で断られていたのが、一歩先に進むことが出来たんです。これって、凄いことだったんです。当時の僕にとっては、大きな気づきでした。
しばらくしてから、「なんでなんだろう?」って考えて、分かったのは、「おはよう」には「おはよう」なんだってことです。「おはよう」に「私バナナ好き」だとおかしいんです。チョット、痛い子に成ってしまうんです。人間て、「言葉に反応するんだ!」って分かった瞬間でした。
営業をする人間として、この気づきは大きなものでした。そのように考えてはじめて、営業トークがなんでそんなふうに作られているのか?裏側が理解出来てきたんです。
言葉によって、お客様を契約というゴールに誘導していたんだ!とまあ、現場で営業を毎日、毎日やって、1ヶ月~2ヶ月経って、はじめて気づくって言うのも遅いんですが、僕にとっては大きな気づきでした。
「私バナナ好き」っていうのは、大学の後輩に変な子がいて、その子の口癖です。そのイメージがハマったんです。そうすると、「こちらは何番まで?」って私が言っているのに、「いらない!」とか、「間に合っている」というのを聞くと、思わず笑えるのです。「バナナ好きな人だ!」って。
まあ、僕は根が楽天的なのかもしれませんが、断られても、落ち込まずに、笑えると、断られたショックが残らないんです。後輩のことを思い出しながら、飛び込みを続けたものです。
営業トークはお客様を言葉によって、契約するという所に推し進めるシナリオ(台本)だと理解できました。
それまでは、ただ、「トーク練習をしろ!」って強制されてやらされていましたが、気づきを得たことで、営業トークって、間や区切る場所なんかが、凄く重要なんだって分かって来て、自分のためにトーク練習をやるように変化しました。お客様の反応がイメージできるようになってきたんです。
営業マンが必要な業界というのは、営業マンがお客様の現状を把握して、お客様に合った提案をするような業界です。なかなか、シロートが自分で判断できない、そんな業界に限られます。それ以外は、ドンドンネットに市場を奪われました。
ビジネスホンも、回線が絡むと、お客様には難しいようで、未だにネット販売には移行できていない業界です。僕は、アナログ回線の頃からこの業界で育ちましたので、業界の表も裏も知り尽くしています。つまり、即決営業をする場合には、お客様から必要な情報を聞き出す必要があるのです。営業トークは、自然にそれを聞けるようにもなっています!
そんなことも、現場でやりながら、気づき、驚き、「スゲぇ~」って感動しながら、徐々に成長しました。
人間は言葉に反応する
「言葉」ッて「スゲぇ~」って感じるようになってきました。
同時に、営業トーク練習を真剣に頑張るようになってきました。まあ、剣道に例えると、素振りです。空手に例えると、正拳突きです。やり続けないと、「技」にならないんです。
余談ですが、僕は大学時代に空手を少しだけ学びました。玄和会というところで、南郷継正師範のもとで学びましたが、この先生が多くの書籍を出版されていて、読んだ中に、「人間の成長過程」に関する記述があります。人間は同じ行動を繰り返しやり続けると、ある時、量質転化が訪れて技になるというような内容です。まあ、分かり難い話かもしれませんが、師範は分かり易く、
「島田ぁ~右利きか?」
「ハイ」
「左手でメシが食えるか?」
「いいえ」
「試合で右手が折れたらどうするんだ!」
「押忍、食えるようにします!」
その日から、左手で食事をするように練習したんですが、まあ、難しいです。力だけが入って、上手く食事ができません。面倒になって、右で食ったりしましたが、1週間ほど経ったある日、急に、左手の力が抜けて、簡単に食えるようになったんです。「それが、量質転化だ!」と、師範が教えてくれました。
だから、玄和会では、「突き」「蹴り」という基本バッカリやらされました。延々と、突き蹴りだけをやるんです。「突き」というのは、手を前に突き出す動作です。それが、「正拳突き」という、技にならないとダメだということです。そうしないと、一撃必殺には成らないんです。
「武道とは殺すことなり」
元々空手は琉球発祥です。薩摩藩に武器を没収されて、素手で戦う時に、刀相手に素手のままでは殺されてしまいます。素手を武器に進化させる必要がある!だから、一撃必殺じゃないとダメなんです。そのために、手を武器にするために稽古を積んだのが空手なんです。
僕には、この人間の成長過程というのが、剣道や絵画を描く経験を通して、非常によく理解できていましたし、成功体験を積んでいましたので、正に、「その通り!」と納得できました。だから、営業を開始してからも、同じ行動を繰り返す。つまり、トーク練習をやり続け、習慣化できたんです。
正直、この習慣化が無かったら、今の僕は存在しないでしょう!やり続けてくれた、昔の自分に感謝です。また、非常に大切なことを教えてくれた、南郷先生にも感謝です。
話しを戻します。
「人間は言葉に反応する」
「おはよう」には「おはよう」なんだってことです。「おはよう」に「私バナナ好き」だとおかしいんです。あなたが、導きたいように、お客様の返答を、導けるということを意味します!これが、非常に重要なんです。
営業において、「言葉」って物凄く重要なんだってことです。だから、営業トークは一字一句そのまま変えないで繰り返して覚える必要があるんです。シロートには分からない秘密が、営業トークの中にあるんです。それを、勝手に自分で変更しては、売れるトークが台無しになってしまうのです。
例えば、
- 「ReSPRという新しい空気清浄機の件で電話したんですが」
- 「NASAが開発した宇宙船の中の空気を浄化する仕組みが日本初上陸したんで、順番に電話してたんですが」
どちらが、アポがたくさん取れるか?話を聞いて貰えるか?分かりますよね?!
「空気清浄機」はやってみると分かるんですが、NGワードです。お客さんは聞き飽きています。また、「空気浄化機」と言っても意味不明なんです。
そこで、「NASA」「宇宙船の中の空気を浄化」「日本初上陸」これらをちりばめ、「順番」という言葉を挟むことで、話しをそのまま聞いて貰えるんです。
いろいろ考えて作成して渡したトークを、「新しい空気清浄機の件で電話したんですが、」に変化させてしまったら、アポ率は激減してしまうんです。俺が考えた意味が無くなるよ!って、感じです。
また、
- 「何時ならいいですか?」
- 「3時はいらっしゃいますか?」
多くの人は、1.をやります。でも実際は1.よりも2.の方が、アポ率が高いんです。
「いい」という言葉に反応して、「いらない!」とか「また今度」って言われるんです。
「いる」という言葉に反応して、返答は「いる」か「いない」に限定できます。「いる」と言われれば、「ではお伺いいたします」とアポになり、「いない」と言われたら、「夕方は戻られますか?」「午前中はいらっしゃいますか?」と、いる時間を確認できます。
営業トークって、あなたが考えている以上に、いろいろ練って作っているってことが分かると思います。
【人間は言葉に反応する】
これを今日は頭に叩き込んでください。
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