反日から“用日”へ。八方塞がり韓国が目論む東京五輪「利用」計画

 

しかし、これだけ天朝に尽くした朝鮮ですが、逆に朝鮮の朝貢使節が北京詣でをする際は、朝臣が出迎えの礼を受けるどころか、諸侯の礼さえ受けられない粗末な待遇でした。宿泊先も迎賓館などではなく、百官と同じ粗末な宿です。

そもそも、中国の属邦のなかでも朝鮮の地位はもっとも低く、下国のなかの下国でした。天朝の朝賀の席では、千官が赤色の礼服を着ていたのに対し、朝鮮の使臣だけは黒色の丸首の衣だったのです。

また、琉球の使臣は駕篭に乗って宮廷に入るのに対し、朝鮮の使臣は駕篭に乗ることを禁じられていたと、尹昕の『渓陰漫筆』にも書かれています。そして、李朝時代の臣民は琉球以下の扱いを受けていたと嘆いていました。だから韓国がいくら中国のご機嫌をとっても、扱いが良くなることはありえないのです。

しかも、現在の中国の文化人ですら、南の韓国も北の朝鮮も、吉林省延辺の朝鮮族自治州のように、実質的にいまなお中国の属国、あるいは中国の一部とさえ考えている人が少なくありません。過去の宗属意識が抜けていないのです。習近平ですら、2017年4月にトランプ大統領と会談した際、「朝鮮半島はかつて中国の一部だった」と発言しています。

「朝鮮半島は中国の一部」武帝に倣う習近平氏の危うさ

加えて、そもそも中国ではすべてが政治ですから、自由市場や自由経済、自由貿易というものはありません。経済も貿易も株式市場も、政治や外交の道具でしかありません。気に食わない相手には平気で経済的な嫌がらせを行う。それが中国なのです。

先日、アリババグループの総帥であるジャック・マーが中国当局に批判的な発言をしたことにより、電子決済サービスの関連企業「アント」が予定していた上海・香港への上場が延期となるという事態もありました。

焦点:舌禍が招いたアント上場延期、ジャック・マー氏の大誤算

中国を経済活動の相手にするということは、自由な発言も許されず、また、外交的にも中国の機嫌を損ねないようにしないといけないという、まさに従属関係や叩頭外交を強いられるということでもあるのです。

とはいえ、歴史の一時、小中華と大中華が逆転したこともありました。たとえば1919年に北京で起こった五四運動は、李氏朝鮮の三一運動を模倣したものでした。また、2000年代、韓国系企業がこぞって中国山東省に進出したことがありました。このとき韓国勢の鼻息は荒く、中国を下に見ていたものでした。私はこれも小中華と大中華の逆転現象だと見ています。とはいえ、それも今は昔の話です。

韓国は、習近平の訪韓を心待ちにしており、それを機会に限韓令を解いてもらおうという心づもりですが、中国側は米韓関係の分断を目論んでか、訪韓については後ろ向きです。

また、日中韓首脳会談も、日韓関係が最悪状態ですから開催予定が進まず、膠着状態に陥っています。

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