「乗れば幸せになれる」「出会えただけでもラッキー」などと言われ人気を誇る、京都のタクシーをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、古都を走る「ヤサカタクシー」のレアな車両を紹介。さらに同社のそのアイディアを他のビジネスに活かすヒントを記しています。
四ツ葉のクローバー
京都のヤサカタクシーは、三つ葉のクローバーがシンボルマーク。
このタクシーに乗りたがる人が結構いるようです。それは、1,300台ある車両のうち、4台だけ、四ツ葉のクローバーが描かれているからです。
「四ツ葉のクローバー」に乗ることができれば、ちょっぴりですが、幸せな気分になれます。
このタクシーは予約ができない“流し”専門で、乗った人には、記念の乗車証が渡されます。
こんな他愛もないことが、お客さまに注目され、小さな幸せを広めているのです。
このアイデアは、お店にも使えます。
包装紙やレシートに、四ツ葉のクローバーがついていたら、ほんのちょっぴりですが、幸せになれるお店として、話題になります。
BGM
ある心理学者が立てた仮説があります。「強化・感情モデル」というもので、人を好きか嫌いかという認識は、相手と接している時の感情によって、左右するという仮説です。
この仮説を立証する実験が行なわれました。女子大生に、それぞれ好きな音楽と嫌いな音楽を聴かせながら、男性の写真を見せました。
その結果、女子大生は、好きな音楽を聴いている時は、写真の男性をより高く評価しますが、嫌いな音楽を聴いている時は、低く評価するということがわかったのです。
この理論をお店に応用すると、どうなるでしょうか。
もう、おわかりですね。BGMが商品をよく見せるのです。
「手持ち無沙汰」を解消
女性が洋服を見ている間、一緒に行った男性は、非常に手持ち無沙汰です。百貨店を観察すれば、よくわかります。休憩コーナーで、ボーッと座っている姿を見かけます。本当に、つまらなさそうです。
お買い物を楽しんでいる女性も、待たしていると思うと、ゆっくり見ていられず、結局買わない、などということもしばしばあります。これでは、売り上げに結びつきません。
そこで、同伴者の「手持ち無沙汰」を解消してあげるのです。すぐ近くに、コーヒーの飲めるスペースを設けます。無料もしくは安く提供します。ここで同伴者がゆっくりと過ごしていれば、買い物をする人も気にせずに、商品を見ることができます。すると、売り上げにも繋がるというものです。
コーヒー1杯で売れるのなら、かなり安い投資ではないでしょうか。
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