東京五輪というドロ船から逃げ始めた聖火リレー芸能人の出口戦略

 

その一方で、コロナの問題も結構複雑です。

(Bの1)一般論として、日本の感染の「濃度」は欧米よりは20分の1近く「薄い」のは事実。そうなると、現在の日本の世論が「外国人観光客」「外国からのスポンサー枠」「役員、選手、各国首脳」の入国に対して否定的なのは、それはそれで自然。

(Bの2)反対に日本の場合は、ワクチンの接種スピードが米英より大きく遅れている。そうなると、例えば米英の選手や潜在的な観光希望層などが、日本行きを渋るとしたら、これも自然なこと。日本より感染の「薄い」中国、韓国、台湾なども同様。

(Bの3)コロナの難しいのは、数ヶ月後の動向の予測が難しいこと。日本での感染拡大が再爆発したら、開催は絶望。海外での変異体が新たに増えたら、日本国内の恐怖心が増大して同じく開催は絶望的。一番怖いのは、日本発の変異体が発生して、海外で話題になること。時間をかけて丁寧な治療をしている(それ自体はよいことで否定してはならない)日本にはそのリスクがある。

(Bの4)一方で、日本のメディアが「いつもの悪い癖」で、ファイザーやモデルナの「2回目接種」における副反応を大々的に報じてしまい、一気に日本での接種推進のムードが崩壊してしまうと、それが国際社会に知られれば開催は難しくなるであろう。

(Bの5)例えば3月とか4月の時点で決定しても、中止したのにコロナの状況が日本も世界も劇的に改善してしまう可能性はゼロではない。また開催ゴーと決定したとして、一気に事態が悪化することも可能性としては残る。

(Bの6)コロナ問題と、五輪の開催可否の判断に関する日本の国内世論は、とにかくコロナへの不安感情に身を委ねるだけ。リスクを取るのも、ましてリスクを強いられるのも拒否するし、またメディアや一部の政治家はそのような世論を煽って利用する構え。

このAとBについては、ファクターはもっとあると思いますが、確かに複雑です。そして、特にBのコロナについては数ヶ月後の予想をして、判断するのは非常に難しいと思われます。

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