中国に警戒せよ。スパイ防止法を整備しファイブ・アイズに参加すべき日本

 

しかし、これに対してニュージーランドが反対しています。ニュージーランドはファイブ・アイズの役割拡大についても慎重姿勢で、同国の外相は「ファイブ・アイズの権限拡大は不快だ」とまで発言しています。

NZ、ファイブアイズの役割拡大に「不快感」表明

ニュージーランドにとって中国は最大の貿易相手国で、今年1月には中国とFTAを強化する改定協定に署名しています。

また、ニュージーランドはファイブ・アイズに加盟しているため、アメリカが主導するファーウェイ機器の通信網からの排除に同調しており、中国からその嫌がらせとして、中国観光客のニュージーランド渡航禁止といった仕打ちを受けています。

加えて2019年2月には、ニュージーランド航空が中国に提出した着陸申請書類に「台湾」という表記があったことで、上海への着陸を拒否される事件がありました。中国民用航空局は各国の航空会社44社に対して、台湾の表記を「中国台湾」に改めるよう要求しているなかでの、露骨な嫌がらせでした。

こうした経済的な締付けにより、ニュージーランドは態度を中国寄りにせざるをえなかったということでしょうが、ファイブ・アイズにとっては亀裂が入る由々しき事態です。

ニュージーランドでもオーストラリア同様、中国系国会議員が中国から巨額資金を受けていた疑惑があり、そのことを論文で発表した大学教授は、パソコンが3台も盗まれたり、脅迫状を送りつけられるといった被害にあっているそうです。

(チャイナスタンダード)親中政界工作、豪・NZに矛先 与野党に巨額献金、意見誘導

かなり以前に私がニュージーランドとオーストラリアを訪れた際、すでに中国政府によるさまざまなスパイ活動を耳にしていました。近年、ニュージーランドの日本人の話では、中国からの移住者が多くなり、法輪功の活動さえ難しくなったそうです。その他、南太平洋の国々も中国による浸透工作の標的になっています。

こうした状況もあって、イギリスは日本を新たなファイブ・アイズのメンバーとして組み入れたいと思っているのでしょう。また、イギリスがEU離脱したことでヨーロッパの情報が手薄になったことから、フランスなどをファイブ・アイズに加えようという動きもあるようです。

ただし、日本の場合で最大のネックとなるのが、スパイ防止法がないことでしょう。日本がスパイ天国であることはすでに常識です。機密情報がほんとうに守れるのか、他国にとっても懸念が絶えないでしょう。親中派の国会議員も多くいます。

そのため、当分のあいだは「ファイブ・アイズ・プラス」として参加することになるのではないかと言われています。

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