アパレルや靴などを販売するうえで、どうしても売れ残ってしまいががちなサイズがあります。とはいえ、仕入れないわけにもいかず、店舗運営者としては難しいところです。そういった商品を売りきるためにはどうしたらよいのでしょうか?今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、売れ残らせずにきちんと販売しきるコツを紹介しています。
売れ残ったサイズを売り切るためには?
今回も少々ジャンルが限られてしまいますが、靴関連の話です(アパレルでも同じことはありますが)。
靴業界を常々悩ませている、サイズに関するあることがあります。売れにくいサイズが残ってしまうことです。
例えばレディースシューズですと、日本では、23cm前後くらいのサイズがゴールデンサイズと呼ばれ一番売れやすいサイズなのですが、小さいサイズや大きいサイズは比較するとどうしても売れる数が減ります。日本人の足のサイズの平均値がそのくらいなので、これは致し方ないわけです。
でも当然、足が小さい人もいれば、大きい人もいるわけで、そうしたサイズを用意しないわけにもいかないんですね。ただ、仕入れる数、生産する数を調整したとしても、それでも残ってしまうのが靴のサイズによるものなんです。
私がレディースシューズを売っていた頃は、海外のブランドだったため大きいサイズが多く、どうしても25cm以上のサイズが売れ残ってしまっていました。同じように靴業界を経験されている方ならば、これがあるあるだということはお分かりいただけるかと思います。
さて、こうした場合、なかなか売れ難く余りがちな商品をどう売っていくかが課題となります。よく売れるサイズではない商品が余ってしまったとしたら、皆さんならどうやって販売をしていきますか?ぜひ考えてみてください。
まず第一に考えられるのは、値引でしょう。セール時などに値引きをかけて、普段より価格を安くして販売をしていく。これが誰でもパッと思いつく在庫消化の方法なのですが、これでは、利益は下がってしまいます。店や会社としてはできる限り利益を減らしたくはありませんから、安易に値引きをして売るというのはなるべく避けたいものです。
では、見せ方を変えてみるのはどうでしょうか。普段通りに他の商品と同じように陳列をしていても、「こちらは大きいサイズしか残っていなくて…」と提案も接客もし難くなります。見せ方を変えて、例えば「大きいサイズコーナー」のようなコーナーを作り、そこで展開をするという方法はあるでしょう。明らかにそういうコーナーの商品だとわかれば、サイズの合うお客様は手に取りやすくなるかもしれません。この辺りはプロモーション的な話ですが、接客としても考えられることはあります。
私が靴を売っていた頃に一番消化率が高かったのは、やはり、直接サイズの合うお客様にコンタクトを取ることでした。レディースで25cmとか26cmのサイズとなると、お客様の数としてはそう多くはありません。ですから、いくら値引きをしたりコーナーを作って売ろうとしても、分母が少ないのですから、売れる確率は非常に低いと言えます。
しかし、過去に接客してきているお客様の中には、そのサイズに合うお客様もいるわけです。それならばそうしたお客様に直接コンタクトを取り、「合うサイズを揃えていますよ」と伝えることもできるのですね。もちろん普段からここまで考えた上で、コンタクトが取れるような信頼関係づくりと情報を集めることができていなければなりませんが、きちんと余らせずに売っていくためには、そこまで考える必要があります。
一見すると売れ残りとも思えるような商品でも、求めているお客様はいます。そんなお客様たちは、普段求める商品に出会う機会が少なく、購入することができずモヤモヤしていることも多いのです。自店にある売れ残りだと思っていたような商品は、そんなお客様からすれば宝の山に見えるかもしれません。誰が求めているか、そのニーズを理解して普段から信頼を勝ち得ていくことができれば、きちんと余らせずに売る力は養っていけると言えます。
今日の質問です。
・自店で「売れ残り」に見えがちな商品にはどんなものがありますか?
・その商品を売れ残らせずにきちんと販売し切るためには、どんなことをしなければなりませんか?
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