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趣味のキャンプ最優先の夫にガチギレ。自粛期間中に“コロナ離婚”を決意した妻の本音

依然として収まる様子のない新型コロナウイルスの感染拡大ですが、この「コロナ禍」で本性が露呈し、夫婦仲にヒビが入ってるご家庭は少なくないようです。このところ「コロナ離婚」の相談が急増していると語るのは、無料メルマガ『10年後に後悔しない最強の離婚交渉術』の発行者で、開業から16年で相談2万件の実績を誇る行政書士の露木幸彦さん。今回、露木さんは妻から「私のお金はチェックするくせに、自分の趣味であるキャンプを優先する夫に愛想が尽きた」との相談があったようです。夫婦に何があったのでしょうか?

自粛期間中に“コロナ離婚”を決意する人々

昨年から続く新型コロナウイルスとの戦い。東京オリンピック開催後には感染者数が急増し、変異株の流行はおさまる様子がありません。長きにわたり、外出自粛により会社への出勤だけでなく、飲み会や旅行という「喜楽」を奪われ、「怒哀」に耐える日々が続いています。

そんな中、生活における不満や不安、苛立ちが原因で離婚の危機に発展する「コロナ離婚」の相談が急増。筆者は行政書士・ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっていますが、感染者数と相談者数は比例しているようで「コロナ離婚」の相談が増加している印象です。現場では何が起こっているのでしょうか? 今回の相談者・小山佐紀さん(仮名、36歳)はGoToトラベルの利用」をめぐって夫と離婚することを決めたと言います。

まず 昨年4月の出来事です。佐紀さんの夫(38歳)の勤務先はアプリ制作会社で契約社員、その夫の手取りは月額3万円も減少しました。なぜなら、在宅勤務の期間中、退勤は定時扱いなので残業代の支給がゼロになったからです。

そこで夫は、家計の「取り調べ」を開始。家計簿だけでなく、佐紀さんの財布の中身やクレジットカード、電子マネーの明細まで確認するようになりました。

例えば、佐紀さんが新しいタイプの空気清浄機を15万円で購入すると「不要不急じゃないだろ!」と激怒。夫の締め付けは強まるばかりです。佐紀さんいわく、月末が近づくと胃が痛くなる日々だったそう。

趣味のキャンプを優先する夫にドン引き

佐紀さんの苦痛が頂点に達したのは昨年末の12月。きっかけは「GoToトラベル」でした。夫の車に積まれたキャンプ用品一式を発見したのです。「これは何?」と尋ねると夫は「まだ営業しているキャンプ場を見つけたから」と平然と答えたそう。さすがの佐紀さんも「みんな自粛で我慢しているのに自分だけ!?」と注意。 

夫が申し込んだのは、「GoToトラベル」が東京都民にも解放された10月下旬。3万2千円のプランは料金の割引と地域共通クーポンの発行により、実質半額に。しかし、GoToトラベルの運用は昨年12月28日で一旦停止することが決まっていました。キャンセル料は無料ですが、せっかくのメリットを手放すのは惜しい。だから夫は「後で正規の料金で行けって言うなら、差額はお前が出せよ!」と逆ギレ。 

佐紀さんは先行きに不安を感じ、筆者とのリモート相談を申し込んできました。筆者は「旦那さんの反応を見て決めましょう」と進言。これは、キャンプを中止するなら元ザヤに、決行するなら離婚しなさいという意味です。

しかし、夫は妻との「最後のチャンス」を逃したのです。「コロナ後じゃ予約が取れないだろ」と、予定通りにキャンプへ出かけてしまいました。筆者は「気持ちが固まったのなら、あとはタイミングですね」と佐紀さんに告げました。

夫が叩きつけられた、会社と妻からの「三行半」

そして2月中旬、夫は会社から非情通告を受けました。「コロナの影響で更新できない」これで会社との雇用契約は3月末で終了。

佐紀さんは「もう我慢の限界です。3月で離婚します」と決めたようです。まさに金の切れ目が縁の切れ目。夫は4月から新しい勤務先を探さなければなりませんが、収入は不透明。「夫と別れるなら今のうち」と思い至ったのです。

現在、都道府県をまたぐ往来や飲酒をともなう外食、そして三密をまねくイベントは自粛中の日本。今夏も花火や海水浴、スポーツ観戦などを楽しむことはできませんが、佐紀さんの悲劇は決して他人事ではありません。今後、ワクチンの接種が進み、感染者、重症者が減少した場合、接種証明書などの提示を条件にGoToトラベルが再開する可能性はあります。

過去の自粛期間中、あなたのお相手は嘘をついていませんか? 相手が「二度としない」と誓ったのに二度目の嘘をついたのなら、必ず三度目、四度目もあります。このまま夫婦を続けても関係は悪化するばかり。「本音は何なの」「何か隠しているのかも」「約束を守ってくれるのか」と疑い出したら終わりです。嘘つきと人生を共にするのは苦痛以外の何者でもありません。

次に過去の自粛中、相手はお金に目がくらんでいませんか? 今まで定額給付金等で三密の場所(居酒屋、キャバクラ、パチンコ等)に通ったり、GoToトラベル、イート、イベントで遠出したのなら注意が必要です。感染者がある程度減少したら、また別の制度の恩恵にあずかれる可能性があります。しかし、相手はまた感染リスクを顧みず、行動を起こすことが予想されるからです。 

そして過去に自粛より快楽を優先しましたか?長引く自粛生活で苛立つのは誰だって同じ。苦しいのは自分だけではないのに、何度も自粛を破ったのであれば危険です。それは「自己中心的な性格の証」だからです。コロナが終了した後も堪え性がない性格に悩まされ続けるでしょう。

もし過去に佐紀さんの夫と同じような行動を、あなたの相手がとったのなら要注意です。その性格はコロナ禍の一時的なものではなく、その人の本性である可能性が高いからです。それはコロナ後の行動を見れば分かるでしょう。何も変わらないのなら、今後もこのような相手と一緒に暮らしていくかどうか検討する場面が訪れるでしょう。

image by:Shutterstock.com

露木幸彦この著者の記事一覧

行政書士の露木幸彦が夫婦の離婚、不倫、未婚出産、婚活の法律、交渉術、会話技術を解説明石家さんまさん司会のホンマでっかTV,ブラマヨさん司会の世界のこわ~い女たち、小倉さん司会のとくダネ、バナナマン設楽さん司会のノンストップなどに登場。11冊の著書を持ち累計部数は
5万部を突破。日本経済新聞、朝日新聞電子版では連載を担当。開業から16年で相談2万件の実績。

注)離婚手続に関する一般的説明や経済的観点から必要な離婚条件に算定を超え、個別事情を踏まえた離婚手続や離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

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【著者】 露木幸彦 【発行周期】 ほぼ 月刊

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