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子どもの「わざと癇癪」に効く、たったひとつの魔法の対処法とは?

わざと大きな声や音を立てて、叱るとさらにやってしまう…そんなお子さんの行動を目にしたことはないでしょうか。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者であるパピーいしがみさんが「わざとする癇癪(かんしゃく)」に困り、さらにご近所から苦情が来るのでは…と心配しているお母さんからのお悩みを紹介しています。親の「ある対応」で、わざとする癇癪は治るのだそうですが、その方法とは?

わざとする癇癪

こんばんは。パピーいしがみです。

小さいお子さんをお育てのお母さんは、子供の泣き声やケンカの罵声、ご近所への騒音はとても気を使いますよね。とくにマンションやアパートにお住いの方は、子供が起す騒音がとても気になっていると思います。そして「静かにさせたい」と叱ったりすると、子供がわざと大きな音を出したり、わざと床を踏み鳴らしたり…そういうお悩みも多いようです。

「わざと嫌がることをする」

親からすると「性格が悪い」と思いたくなるし、叱れば叱るほどエスカレートして、どうにかして直したいと思われるのですが、実はこれって、とても簡単に解決できるのです。

トリトンさんからはこんなご相談を頂いていました。

ご相談したいことは、子供のわざとやっている癇癪や騒音を、どうやったらやめさせることができるか?です。

これはきっと私の育てられ方にも関係していると思いますが、私は物心ついた時からずっと「人様に迷惑をかけるな」と言われて育ってきました。

父や母にも叱られることが多くて、そのせいか私は常に人目が気になり「あの人に悪く思われていないだろうか?」とか「迷惑が掛かったら嫌だから余計な事はしたくない」と、内向的でいつもオドオドしている性格になってしまいました。

運動も(本当はできるのに)できないふりをしたり、勉強もわざと間違えてテストの点を下げたり。先生からも「お前はもっとできるはずだぞ」と言われても「皆の前で言わないで」と下を向いているような子でした(先生から評価されると面白くない子がいるのです)。

いつも本当の自分を隠して、意地悪をされても言い返せない。何に対しても頑張ろうとしない。そんな自分が大嫌いでした。

でも、パピーさんのメルマガで「生きている限りみんな迷惑かけている」と書かれていたり、“だから私は自分の子にはこう言ったんですよ。「子供のうちは、人に迷惑をかけてもいいんだよ。親が代りに頭を下げればすむからね♪」って”とあり、それを読んだ時「あ~、こんな風に育ててもらったなら、私の人生は全然違っていただろうな~」と思ったら涙がポロポロ落ちました。

 

他にも「自分の気持ちをはっきり言える事。それが自分を守ることになる」とか、本当に納得する言葉が多くて、子育ての指針にしてきました。おかげで息子は、私の子供とは思えないほど、物おじしない、明るくて活発な子供に育ってくれました。幼稚園では仲良しの友達もいるし、ちゃんとケンカして自分の意見もはっきり言えます。おどけて皆を笑わせたり、体操や縄跳びなど新しい事にもチャレンジしています。

私もそんな息子にならって、自分も言うべきことは言おう、人がどう考えるかより、まず自分が判断して行動しようと、ご近所には自ら挨拶するなど、子供の模範になれるように、と行動するようになりました。そうしたら嫌いだった自分が少しずつ好きになり「今日はこんな事を頑張った、私も成長できてる」って自分で自分を褒める事が増えて「これが善循環かな~。いい事が起き始めてるな~♪」と実感するようになったのです。

が…子供が4歳になって、ドアをバーンと大きな音を立てて締めたり、わざと大きな声で泣き叫んだり、私が見ている前で床をドンドンと踏み鳴らしたり、「乱暴にしないで」とか「ドンドンしないの!」と言っても全く聞く耳を持たず、言えば言うほどわざと大きな音を出すようになってしまいました。

こういうご近所への迷惑を感じると、以前の自分が顔を出し「やめさせなきゃ!」と強く思ってしまうのです。特に注意をしたり、叱った後にそうなりやすく、わざと音を出すことを叱ると、さらに奇声をあげたり、癇癪が酷くなり、素直に聞こうとしません。「迷惑を掛けるな」とは言いたくないのですが、やはりご近所からいつ苦情が来るか?と不安になります。かと言って「ご近所に迷惑だよ!」と叱っても、子供がおとなしくなるわけではなく、叱れば叱るほどわざと嫌がることをするようにも感じます。

活発で元気だからこその事だとは思いますが、それでも『わざとする』こんな行動をやめさせる方法はないものでしょうか?よろしくお願いします。

このご質問は、約2年ほど前、まだトリトンさんのお子さんが幼稚園の年中の時に頂いた内容ですが、結果的に今では全くなくなったそうです。

ではどうやったら無くなったのか?私のお返事とその後の経過をご紹介しますね。

トリトンさん、こんにちは。メール拝見しました。

マンションでのお子さんの騒音…。気になりますよね。特にご幼少のころから「迷惑を掛けるな」と育てられたトリトンさんにとっては心配でしょうがないと思います。

トリトンさんの「『わざとする』こんな行動をやめさせる方法はないでしょうか?」ですが、実は効果的な方法があるんです。でもその前に、少しお話させてください。

息子さん「物おじしない、明るくて活発な子供に育ってくれた」と書かれていましたね。そして「仲良しの友達もいるし、ちゃんとケンカして自分の意見もはっきり言えます。おどけて皆を笑わせたり、体操や縄跳びなど新しい事にもチャレンジできる」とありました。とてもまっすぐに成長できていると思います。明朗・快活で子供らしいところがとても良いですね。

きちんと「自分の意見が言える」事が「自分を守る」に繋がりますし、友達とケンカができるから、他の子からも一目置かれて仲良しの友達もできるんですね。それを踏まえた上で「叱られた時に、お母さんの嫌な事をわざとしようとする」という今回のご相談ですが、実はこれって、すごく自然な行動であり、決して悪いことではないのです。

人には誰だって「面白くない」と思う時がありますよね。特に注意されたり叱られたらそう思うでしょう。その「面白くない」を素直にあらわす行動が「ふてくされた態度」や「仕返し」になるんです。

「仕返し」というと暴力的な行動を思うかもしれませんが、暴力や嫌がらせまではしなくても、『困らせてやりたい』と思うのは誰にでも普通にあります。息子さんの場合きっと「大声を出す、床をドンドン鳴らす、大きな音で扉を閉める」などをトリトンさんが嫌がる事を感じて、わざとそれをしているのだろうと思うのです。

なので対処は簡単なんです。それは「やめさせよう」と躍起になるのではなく、「どうぞお好きやってください。私は何にも気にませんから」という態度をして下されば、子供は「こんな事をしても意味がない」と感じてしなくなるのです。

ただトリトンさんご自身に「迷惑を掛けないように」との思いが強くて、どうしても苦情が怖かったりするのでしょうが、「いつ苦情が来るか?と不安になる」と書かれていたように、まだ苦情はきていないのですよね。でしたら、マンションの下の階の方や隣にお住まいの方から苦情が来る前に「子供が大きな音を出してご迷惑を掛けていると思います。申し訳ありません」と言っておくのです。できれば子供を連れて行くとより良いと思います。

先に謝っておくと、もし相手が不満を持っていても、先に謝れたら、それに重ねて苦情を言いにくくなりますし、子供を見て「小さい子がいるんならしょうがないよね」と思ってくれる可能性は高く、子供にとっても、大きい音を出すとこうやって謝らなくっちゃいけないんだな、と教える事も出来ます。

ただ、大きな音が出ないようにドアの合わせ面にスポンジを貼ったり(ホームセンターに消音用のスポンジがあります)フローリングなどに使う消音カーペットなどもありますので、騒音を防ぐアイテムは使っておいてくださいね。

今回「わざとする行動」についてお返事しましたが、仕返しをしたくなる気持ちはとても自然な事で、その思いは何も悪いことではない、という事と、お母さんの態度次第で(嫌がる様子を見せない事で)子供のわざとする行動は減っていきます。とお返事させて頂きます。是非、試してみてほしいと思います。

このようにお返事したのですが、トリトンさんは「先に謝っておくなんてできない」と行動はなさらなかったそうです。子供には「辞めなさい」と言い続けますが、直らないどころか、不満があるとさらにドンドンやりだすようになり、自分の思い通りにならなければ「又、床を鳴らすぞ!」と脅迫するかのようになってしまったようです。

その後、こんな風にご報告いただきました。

パピーさん、ご無沙汰しています。

以前、パピーさんにご相談をさせて頂いて、お返事もせずそれっきりになってしまい、申し訳ありません。

「苦情が来る前に子供を連れて謝ってしまうように」と言われたのですが、私にはそんな勇気がなく、アドバイスを頂きながらもできませませんでした。又、自分の態度も替える事ができなくて、結局、ずっと子供を叱りつける事を続けてしまいました。

そうすると面白くない息子は、わざとリビングで地団太を踏むようになり、わたしが「それ辞めてって言ってるでしょ!」と怒れば怒るほど酷くなり、激しい癇癪を起す子になってしまっていました。

あまりにもうるさく、子供が頻繁に床を踏み鳴らすので、とうとう不動産会社を通じて下の階の方から苦情が来てしまい、主人が息子を連れて謝罪に行ってくれました。

その後、主人と話をして、実は前からアドバイスは頂いていたけれど、それが行動にできなかったと涙ながらに話したら「よし解った。引っ越ししよう」という事になり、小さいですが一軒家に引っ越しをすることになりました。金額はマンションよりも少し高めだったのですが、私の気持ちの負担がすごく楽になりました。

パピーさんにご相談してから1年後ぐらいのことです。「今からでは遅すぎるのかな?」と思いながらも、下の階の人や近隣に心配する事も無いので「どうぞお好きにドンドンやってください。そんな事では動じません」という態度がやっと。やっとできるようになりました。

年長になってもギャーギャー泣いたり、30分近くも地団太を踏んでいましたが、
(今までならおろおろしていましたけど)「落ち着いたらお話しましょう。それまでは気が済むまでやっていいよ」と言って放っておくことがやっとできるようになって、そこで初めて、子供に変化が訪れました。

「やめさせよう、やめさせよう」と必死になっていた時には、どんどん酷くなっていたのに、「どうぞどうぞ、いくらでもやってください」と私が開き直ったら、奇声をあげたり、床を踏み鳴らす時間が減ってきました。

すると「すっきりしたから麦茶ちょうだい」とか「もう落ち着いた」と言う様になり、「それじゃあ、おやつにしようか」と二人で笑ってお菓子を食べたりできるようになりました。

そんな風に、「わざとの癇癪 → 落ち着くまでやらせる → 落ち着いたら仲直り」を繰り返した結果、年長の後半では癇癪を起してもすぐに切り替えができ、今は「床をドンドン」や「わざと大きな声で泣き叫ぶ」は、全くなくなりました。ここまで長くかかりましたが、もしパピーさんに言われてすぐに行動ができたら、半年もかからなかったのかな?と思います。

今は、小学校1年生になって、コロナもあって学校に行ったり行かなかったりですが、家にいる時も落ち着いてくれています。今回、パピーさんにメールを書いている中で過去の事を思い出していましたが、親の態度や姿勢って本当に大事だな、って思います。

私も「できない」とか「勇気がない」とか言っていないで、地に足のついた動じないお母ちゃんになれるように頑張ります。

「お母さんの嫌がることをわざとする」

はい、実は私にも記憶があります。それこそまだ保育園か小学校の低学年だと思いますが、私の場合は、食事を作る母を困らせてやろうと、お醤油やソースなどを隠したんですね。そうしたら母が「そんな事されても何にも困らない。お父さんに買ってもらうから平気だよ」とあっさり言われて、
「なんだよ、全然困ってくれない。キー!!」ってなったことがありました。母は私よりも一枚も二枚も上手だったのです(笑)。

トリトンさんも言われていましたが「親の態度や姿勢って本当に大事』ですから“動じないお母ちゃん”を目指してくださいね♪

文面の中にありましたトリトンさんの参考にされたメルマガは下記になります。

【関連】第622号 迷惑を掛けない 

よろしければご参考になさってください。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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