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トランプJr.が「火だるま」に?米人気テレビ番組で学ぶ楽しい英会話

時代、というより日々変化し続ける「言葉」。しかし、普段遣いするわけではない外国語の語彙をアップデートするのは、なかなかに難しいものがあります。そんな常識を、「現在放送中の米国テレビ番組を教材にする」という発想であっさりと覆すのは、英会話講師歴30年を誇る、語学学習コーチ/コンサルタントの大島さくら子さんです。大島さんは自身のメルマガ『さくら子先生の『アメリカ人気テレビトーク番組から学ぶ英語表現!』』で、今回も「最新の生きた英会話」をレクチャー。トランプ前大統領の息子さんも「火だるま」になっています。

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Vol.4『They are both vaccinated up the wazoo!』

言語を学ぶことのだいご味は、その言葉そのものを学ぶだけでなく、その背景にあるもの、歴史や文化、経済、社会なども一緒に学んでいくということ。

キーワードはcuriosity「好奇心」!

「生きた英語」にこだわり、私自身もずっと英語学習を続けています。中でも、アメリカABCテレビで放送中の『The View』を中心に、PodcastやYouTubeで無料配信されているトーク番組やニュースを毎日視聴して、今、使われている英語をレッスンに積極的に取り入れるようにしています。

日本のメディアから入ってくる情報だけでなく、海外メディアが取り上げる旬な話題、そして、co-hostやguestたちが話す興味深い英語表現を知り、同時に世の中を見てみましょう。

こちらが『The View』のYouTubeチャンネル。

The View

ドキドキして9/27(月)の放送をチェック。まず、Sunny HostinもAna Navarroも出演していたのでほっとしました。やはり、false-positive「偽陽性」だったようです。Whoopi Goldbergも火曜日から復帰!Yay!

さて、Vol.4は、衝撃的だった9/24(金)から10/1(金)までの6日分からです!ただ、9/27に面白い表現が多すぎて、9/28、9/29からの表現は泣く泣くパスしました(9/25、26は放送なし)。でも、きっとまたいつかこれらの表現は出てくるはず。それでは、一緒に学んでいきましょう!

気になる表現と解説

(9/24)…………………● up the wazoo

They are both vaccinated up the wazoo!
「なぜなら、二人ともワクチンをしっかりと接種しているからね!」

解説

SunnyとAnaがスタジオから出て行った後、JoyがふたりのPCR検査の結果が陽性だったと伝え、続けて次のように言いました。

No matter how hard we try, these things happen, they probably have a breakthrough case and they’ll be OK I’m sure because they are both vaccinated up the wazoo.
「どんなに努力しても、こういうことは起こります。恐らくブレイクスルー感染だと思います。2人ともワクチンをしっかりと接種しているので、きっと大丈夫でしょう」

up the wazooは「たっぷりと」「過剰に」という意味のスラング。ふたりとも、通常のdouble vaccinated「ワクチン2回接種」を終えているだけなのですが、Joyが大げさに表現したのだと思います。「しっかりと」と意訳しました。wazooは実は「お尻」という意味もあります。でも、下品な響きはありません。breakthrough case は「ブレイクスルー感染」。

他にも↓

We’ve received complaints up the wazoo !
「クレームが山ほど届いています!」

complaintは「クレーム」。

このセリフの動画はこちら!

Sunny Hostin & Ana Navarro Said To Have Tested Positive For COVID-19 Breakthrough Cases | The View

(9/24)…………………● full stop

Full stop.
「以上」

解説

米国テキサス州で、妊娠約6週以降の人工妊娠中絶を原則禁止する州法が施行され、連邦最高裁も容認。妊娠6週目だと自分が妊娠しているかどうかわからない女性も多く、性暴力によって望まない妊娠をした場合も、事実上中絶ができなくなります。JoyがKamalaにこの件についてのコメントを求めました。Joyの問いかけはこれ↓

What are we gonna do?
「私たちはどうするべきなのでしょうか?」

それに対しての Kamala の回答がこれ↓

We’re gonna stand together, unified and fight for women’s constitutional rights to make decisions about their own bodies.
「私たちは、女性が自分の体について決定する憲法上の権利を守るために、団結して闘うのです」

そして、一息ついてFull stop.と言いました。

full stopは英文の最後や、単語の短縮形の最後に使われる記号「.」。つまり、period「ピリオド」のこと。会話で使うときは、あるテーマについて「これ以上つけ加えることはない」、あるいは「これ以上議論を続けない」という気持ちを伝えるために用います。「以上」と意訳しました。

stand togetherは「団結する」、fight for~は「~のために闘う」、constitutional rightsは「憲法に保障されている権利」。

他にも↓

Racial slur is not acceptable. Full stop.
「人種差別的な表現は許されません。以上」

racialは「人種の」、slurは「中傷」「非難」、acceptableは「容認できる」。なお、full stopは、periodに置き換えることができます。

このセリフの動画はこちら!

VP Kamala Harris Talks Haitian Migrants, Afghanistan, Abortion and More On “The View” | The View

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(9/27)…………………● get a life

People, get a life!
「あなたたち、いい加減にしなさいよ!」

解説

Sunnyが、週末に多くの人から愛情に溢れる応援メッセージを受け取った一方で、彼女のhaters「ひどく嫌う人」たちから「色々言われた」と話すと、JoyがWhat are they talking about? 「なんて言われたのよ?」とキッとなり、次にPeople, get a life !と言ったのでした。

get a lifeは、退屈だと思う人に「もっと刺激的なことをしなさい」とか「他人のことに構うな」と言いたいときに、命令文で用います。「大きなお世話だ」「うるさい」「いい加減にしろ」などと訳せます。

Mind your own business. あるいは、 None of your business. に置き換えることができます。あるいは、 Leave her alone! 「彼女に構わないでよ!」としてもいいですね。

(9/27)…………………● flabbergasted

I felt flabbergasted .
「びっくり仰天したわよ」

解説

Anaも週末はどうだったかと聞かれ、その答えに彼女が使った面白い表現。スタジオから退出させられてしまった金曜日は、out of the ordinary「異常な」で、I felt flabbergasted .と言いました。

flabbergasted は、「びっくり仰天して」「ぶったまげて」という意味。18世紀後半から使われている言葉のようですが、その成り立ちは不明。どうやら、flabby「気力のない」とaghast「愕然として」を、適当に合わせて作られたようです。

flabbergastedは、dumfounded「唖然として」「びっくりして」に置き換えることができます。

(9/27)…………………● dimwit

You are a dimwit.
「あんたは間抜け」

解説

Annaがコロナ陽性判定を受けたことを、トランプ元アメリカ大統領の息子Trump Jr.がTwitterでひどくからかったことに対して。以下が全文です。

First of all, I know that when you are a dimwit with no skill or talent or significant accomplishments living off your father’s fame, name, and fortune, you gotta draw attention to yourself.
「第一に、父親の名声と名前と財産で生活している、技術も才能も大した実績もない間抜けなんだから、自分のことをちゃんとしなさいよ」

dimwitは、「間抜け」「うすのろ」という意味。dim-witと綴る場合もあります。20世紀の初め頃、アメリカの大学で使われ始めたスラングらしく、〈dim 「頭が鈍い」+wit「知力」「理解力」〉からできた単語。live off~は「~のすねをかじる/に寄生して生きる」、draw attention to~は「~に関心を向ける」。

(9/27)…………………● get the gall to~

You got the gall to pick on me.
「私をからかうなんて、厚かましい」

解説

Anaの Trump Jr.に対する反論の続き。

gallは「厚かましさ」「図々しさ」、have/get the gall to~で「厚かましくも~する」という意味の決まった表現です。pick on~は「からかって~をいじめる」。一般的によく使う表現ではなさそうで、Anaがこの言葉を言ったときも、Joy が gall?と確認していました。

Anaは、相当Trump Jr.に対して腹を立てたんでしょうね。確かに彼女の体重を揶揄するTweetで、失礼極まりない内容だったから当然!

これら全部のセリフの動画はこちら!

“The View” Co-Hosts Address False Positive COVID-19 Test Results | The View

(9/30) …………………● on a high note

Frozen, Aladdin and Lion King are returning on a high note .
「『アナと雪の女王』、『アラジン』、『ライオンキング』が元気いっぱいで戻ってきました!」

解説

2年近く上演中止となっていた、NYブロードウェイミュージカルが戻ってきました。ディズニーミュージカルの『アラジン』『ライオンキング』『アナと雪の女王』から、「A Whole New World」、「Can You Feel The Love Tonight」、「Let It Go」のメドレーを、ミュージカル俳優たちがスタジオで熱唱。

noteは「音楽の音符」で、high noteは「高音」。高音が明るく元気な雰囲気をもたらすことから、high noteは「高揚感」も表します。従って、on a high noteは「愉快で楽しく」「元気よく」という意味になります。

なお、go out on a high noteという決まった表現があります。「最高潮の時点で(何かを)終える/完成させる」という意味です。例えば↓

We should go out on a high note !
「最高の状態で終わろう!」

ところで、2年近くの上映中止を、Whoopiが次のように言っていました。

Almost 2 years of the lights being dimmed on Broadway, Broadway is back.
「ブロードウェイの照明が落とされてから2年近く経って、ブロードウェイが戻ってきました」

dimは「照明を落とす」。ネオンサインがキラキラしていたブロードウェイから光が消えた様子を、うまく表現していますね。

実は私、musical-goer「ミュージカルに足しげく通う人→ミュージカル好き/ファン」。同様に、theater-goer「芝居好き人/ファン」、movie-goer「映画好き/ファン」のように使います。

今回久々に歌声を聴いて、

I got goose bumps !
「鳥肌が立ちました!」

goose bumpsは「鳥肌」。

このセリフの動画はこちら!

“Aladdin,” “Lion King,” “Frozen” Celebrate Broadway’s Return With Surprise Medley | The View

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(10/1)…………………● ice out

She would ice out other professional female rivals to protect her turf.
「彼女は、自分の縄張りを守るために、他のライバルの女性たちに冷たく当たっていました」

解説

アメリカのジャーナリスト、司会者、プロデューサー、著作家のKatie Couricが、近く出版される自身の回顧録で数々の率直な事実を明かしています。そのひとつに、キャリアの初期に自分の縄張りを守るため、他の女性ライバルに冷ややかな態度をとっていたというのがあったそうです。1957年生まれの64歳のKatie。さて、時代が変わった今も、女性同士が足を引っ張り合うことがあるかどうか、co-hostたちがディスカッション。

ice outは、「愛情や温かさを欠いて相手を扱う」「無視する」という意味。ここで使われている助動詞wouldは、過去に繰り返し行ったという意味なので、Katie、1回や2回ではなく、習慣的に冷たく当たっていたようですね。つまり、She was icy .だったわけです。icyは「(態度などが)よそよそしい/冷淡な」という意味の形容詞。

このセリフの動画はこちら!

Katie Couric on Freezing Out Younger Rivals | The View

(10/2)…………………● lose it

You just lose it .
「単にキレてしまう」

解説

アメリカの一部の航空会社は、手に負えない乗客のリストをシェアし、今後、どの航空会社のフライトにも乗ることができないようにするよう検討中とか。Sunnyが、たまたま機嫌が悪くて1回だけキレたりした場合も、全部のフライトに乗れないの?と疑問を呈して言った言葉。全文はこちら↓

What if you are in a bad mood and you can’t get your bag up, and you just lose it .
「例えば、機嫌が悪いところに、バッグを上げられなくて、単にキレてしまうとか」

lose itは「自制心を失くす」「キレる」という意味の決まった表現。be in a bad moodは「機嫌が悪い」「腹の虫の居所が悪い」。

これに対して、Joy が

Control yourself. No losing it allowed.
「自分をコントロールしなさいよ。キレるの禁止」

ときっぱり。no~allowedは「~禁止」。例えば、

No pets allowed .
「ペット禁止」。

このセリフの動画はこちら!

Airline Wants to Share Lists of Problematic Passengers | The View

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image by : Shutterstock.com

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はじめまして!大島さくら子です。英会話講師、語学学習コーチ/コンサルタントをしています。慶應義塾大学(法学部・政治学専攻)卒、Temple University Japan(教養学部・アジア学専攻)卒、学習院女子短期大学(家庭生活科・被服専攻)卒。イギリスOxford大学に、1年間留学。その後ドイツに拠点を移し、数か月間旅をしてから帰国。また、ハワイと東京を行ったり来たりする生活を、3年続けたこともあります。現在は、東京在住。講師歴は約30年のベテラン講師です!各種企業や団体で、ビジネス英語研修を中心に、幅広く講座を実施。英検1級、TOEIC®(LR 990/SW 400)満点。著書、雑誌等への寄稿も多数。

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【著者】 大島さくら子 【月額】 ¥990/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

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