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本は冊数より「メートル単位」で買おう。変化の時代に必要な読書術とは

どんな世であっても、知識の獲得や自分なりの考えの構築に必要とされる読書。しかしながら時代によって、その「最適な方法」は異なってくるようです。今回、あらゆるものが目まぐるしいスピードで変わってゆく「変化の時代」における「最強の読書術」をレクチャーしてくださるのは、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さん。尾原さんは10月4日に創刊されたばかりのメルマガ『尾原のアフターデジタル時代のモチベーション革命』で、ユニークかつ大胆な「武器としての読書」について解説しています。

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変化の時代の3つの読書術

尾原です。私はGoogle、マッキンゼー、リクルート、楽天執行役員として新しい事業の立上げ、投資を歴任、バリ島、シンガポールをベースに「モチベーション革命」「アフターデジタル」など「つながる時代の新しい働き方・自分らしい生き方」を実践・発信しています。

本メルマガでは週に2本、10分くらいで、さっと読める発信をしていきます。

みなさんとつながる時代の未来を楽しめたら幸いです。

変化しない時代の中では、本でしか新しい情報との接点がありませんでした。よく噛むことによってアゴが鍛えられるように、古典のような難解な本を読み解く力が大事でした。

加えて、変化しない時代には、人との会話には共通の基盤がありました。共通の基盤として、共通の価値観、共通の歴史観を持っていると、お互いが手旗信号のように仲間の確認ができます。仲間の確認のための教養として読書が重要でした。例えば、相手が深いところを知っていると、自分もここまで深いところを話せるなという感じです。

しかし、変化の時代には全く異なる読書術が必要になってきています。つまり、つながる時代の中では本の役割が変わってきているんです。それは「武器としての読書」「アンラーニングとしての読書」「リフレーミングとしての読書」の3つなんですね。

これが何かというと、一つ目は、目的に最短距離で行くための効率的に行う読書です。いろんな情報を収集する手段がある中で本を武器として、何かやるという自分の目的に最短距離でいくために、効率的にやるための読書です。

二つ目は、変化する時代に一番大事なことは、過去の成功体験や過去の懐かしさに溺れていくことが一番危険だったりするんですね。だとしたら、その過去を適切に忘れて、新しいものを学べるようにするというアンラーニングが大事なんです。これにも読書が有効なんです。

三つ目に、もっと大事なのが「リフレーミングとしての読書」です。自分の世界の見方をどうやって再構成していくのかということです。自分の世界の見方をみんなで共有化して、お互いに自分たちの世界の見方をやり取りすることで、今までとは違う世界の見方をすることができ、スパイラル的に進化しながら未来へ進んでいくことができます。

実はリフレーミングとサロンがかなり近いんです。サロン的な新しい感覚や新しいものの見方に再構成しながら、それを共有し合って進化していくということです。

今日は「武器としての読書」を簡単に説明します。具体的に武器としての読書とは以下の通りに因数分解できます。

変化の時代は武器そのものも変わってくるから、使えない武器を手早く見極めることが大事です。

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本は全部読まなくていい

YouTubeとかサロンの台頭によって進化したことは、中田敦彦さん(オリエンタルラジオ)の「本の要約」ですよね。

元々、本はどうしても本屋さんで流通しなきゃいけないですね。

しかも紙を印刷したりとか、出版社の編集する方とかいろんな人が関わりますので、単価が1,000円から1,500円ないといけません。そうすると、1,500円からすると240ページぐらいは最低限ないと、書店で流通させるのに本屋さんでも目立たないですし、たくさんの方が関わっているから1,000円から1,500円ぐらい取らないとみんなが生きていけないので、持続的なビジネスになっていけないんですね。本は本屋さんで流通するから出版社が関わって、印刷所が関わっているから仕方なくああいう形になっている部分もあるんですね。

でも本来的には、中田敦彦さんのYouTubeを見ていただければわかるように、ホワイトボード1ページで、自分のやりたいことが明確になっているんだったら部分的に使えばいいわけですよ。中田敦彦さんだけではなくサラタメさん(Youtuber)とか、いろんな方が本の要約をしていますが、本が240ページだったらサラリーマンの方に有効な部分だけをまとめた形で別にいいわけですよね。

つまり、本240ページの中で、1つの文章、1つの言葉が武器として自分で得られれば、それで本の価値は成り立ってるということなんですよ。

ただ残念ながら、本は200ページぐらいの形式にとらわれてるから、どうしても200ページくらいの形で出てしまいます。そして、日本人は真面目なので、せっかく著者の方が丹精込めて作ってくれたものなので、全部読まないといけないと思っちゃうんですよね。これって「ご飯作ったから食べなさい!だって残したらもったいないでしょう!」という感覚と違うわけですよ。

著者からすると1,500円払って読まれずに積読になるよりかは、1つの文章でも自分の人生の武器になって、「〇〇さんが本を書いてくださって良かった」というのどっちが著者のためになってますかかというと後者ですよね。つまり、本は全部読まなくていいんです。

本はメートルで買え

本は全部読まなくて良いのだとしたら、どういう読み方をするかというとオススメは「本はメートルで買え」ですね。

あるジャンルの知識を得ようと思ったら、本は240ページ書くためにそれなりの時間を圧縮して書いてるので、投下した時間に対してという事でいったら、ブログやYouTubeと比べて、凝縮した情報が多いんですよね。何か新しい情報やるときにまずYouTubeからまずGoogleからでもいいんですが、本からはじめるのは有効です。

加えて、本は固まったものが1冊として置かれているので、本屋さんに行ったら固まった凝縮というのがたくさんあるんですね。

自分の目的がきまったら、それに関連する本は関連する書籍の棚を1冊2冊とかじゃなくて1メートル単位で買ったほうがよいです。

つまり、ジャケ買いです。自分が本で何を学びたいんだろってことが気になったら、ずっと本屋を見回して、なんか気になるタイトルだったら買うというふうに、とにかく積んだときにメートル単位になるぐらい、10冊20冊をまず買います。その後に1冊3分とか4分でパラパラと見ていくと、人間便利でして自分が何をしたいってことを思ってると、目に付くんですよね。それはチャートかもしれないし、太線かもしれない、タイトルかもしれないし、目次かもしれないです。

それでもその気になるところが1個でも見つかれば、それがあなたの武器となります。もっと大事なことは、そうやって本をメートル単位で読んでいくと、「この本でもこの本でもこの本でも武器のこといってるなー」ってなる時ってみんな使ってる武器だから、これって競争上有利にならない、ないしは、これってとりあえず身に付けとかなきゃいけない基礎の武器なんだな、ということが分かるんですね。

一方で、1冊の本にしかない武器ってものがあります。

「これって世の中でまだ言われてない武器かもしれない」「ここを深ぼれば自分の武器になるかもしれない」ということもわかったりします。

「この作者はほかの人が言わない武器を提供してくれる作者だから、この作者の本を全部買ってメートルで読んで、武器を探してみよう」みたいなことができるわけです。こういうふうにどうしても今までの使い方や今までのやり方を、日本人として全部やらないともったいないという価値観の中で、どうしても本を全部読もうとしてしまうんです。けれど明らかに、変化の時代の中で、武器として使うということを目的に考えれば、メートルで買って全部読まずに武器を拾い上げてことをやればいいです。

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アウトプットがインプットにつながる

もっと大事なことは、アウトプットがインプットにつながるんです。そうやって1個武器を手にしたらいろんなとこでシェアをしてポストすればいいんです。

僕はこれを読んで「こういうことやろう/こういう仮説がある/こういう武器が良い」と思ってるんですけど」ということをいうと、発信したものに一番情報が返ってきます。すると「それを喜んでそういう感銘したんだったら、これ読んだ方がいいよとか」「その武器に関しては実はYouTubeいいよ」「アメリカのこういう人を知ってるよ」というふうに1つ旗が立つと回ってくるわけですね。

いくつも本を読めない人が多いので、本を今日20冊読んだ結論として「10何冊の本が武器は有効だっていってるから、これって逆にいうと当たり前のことで、一方で競争優位にならないよね」「でもこの本ではこういうことをいってるんで、これってエッジな武器だと思うんですよね」といったら2時間ぐらいしたら周りから「面白いこというなコイツ」って思ってもらえるわけですね。

そうすると「僕もこういうこと知ってるんですよ」と言うアドバイスがもらえたり、「こいつはこの分野にもすごく熱量持って、まとめる能力がある奴」だと思われるから、その分野の人と繋がれるということが起こっているわけですね。こういうふうに変化の時代やつながる時代に、今までとは全く違う方法を考えれるというのが面白いところです。

というわけで、最初に言った「武器としての読書」「アンラーニングとしての読書」「リフレーミングとしての読書」の3つのある中で、今回は「武器としての読書」の話をしてみました。

それではつながる未来の冒険を楽しみましょう!(本稿は2020年6月20日尾原のサロンでの動画解説記事化です)。

◆参考リンク

● 記事【尾原和啓氏 圧倒的に効率のよい本の買い方と読み方
● 記事【「メートル単位で本を買え」尾原和啓氏が実践する “1冊3分読書術”
● 書籍【どこでも誰とでも働ける】(Kinde Unlimitedで無料で読めます)

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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